【為替本日の注目点】WTI原油価格3カ月ぶりに79ドル台に上昇

 本日から開催されるFOMC会合を前に、ドル円は久しぶりに小動き。141円台半ばで推移し、値幅は20銭程度に。ユーロドルはやや下値を切り下げ、1.1060まで下落。株式市場は3指数が揃って上昇。ダウは183ドル上昇し、2017年以来となる11連騰。債券は反落。長期金利は3.87%台に上昇。金は3日続落。原油は続伸し、一時は79ドル台前半まで買われ、3カ月ぶりの高値に。 7月S&Pグローバル製造業PMI(速報値) → 49.0 7月S&Pグローバルサービス業PMI(速報値) → 52.4 7月S&PグローバルコンポジットPMI(速報値) → 52.0 ドル/円 141.55 ~ 141.75 ユーロ/ドル 1.1060 ~ 1.1103 ユーロ/円 156.23 ~ 156.55 NYダウ +183.55 → 35,411.24ドル GOLD -4.40 → 1,962.20ドル WTI +1.67 → 78.74ドル 米10年国債 +0.038 → 3.872% 【本日の注目イベント】 日 日銀、基調的なインフレ率を補足するための指標 独 独7月ifo景況感指数 米 5月ケース・シラ-住宅価格指数 米 5月FHFA住宅価格指数 米 7月コンファレンスボード消費者信頼感指数 米 7月リッチモンド連銀製造業景況指数 米 IMF、世界経済見通し 米 企業決算 → アルファベット、GM、GE、ベライゾン、3M、マイクロソフト  一日の値幅が20銭と、昨日のNY市場でのドル円は久しぶりに小動きでした。本日からFOMC会合が開催されることから、ポジション調整も終わり、ようやく「様子見」となったようです。経済指標でも7月の製造業PMIはコンポジットとサービス業では市場予想を下回り、製造業では予想を上回ったものの、依然として活動の拡大と縮小の境目である「50」を下回っていました。この指標発表による市場への影響はほとんどなく、景気抑制政策の表れと受け止め、株式市場では好感されたようです。特に話題になっているのが「NYダウ工業株30種平均」でした。  ダウはこの日も183ドル上昇し、これで「11連騰」です。これは2017年以来となる最長連続高となっています。因みに過去最長は「13連騰」というのがあるそうです。テスラ株が、米国と中国以外の売り上げが好調だったことで上昇しています。ブルームバーグによると、テスラの上期納車台数は約89万台となり、フォルクスワーゲン(VW)、BMW、メルセデス・ベンツ、ポルシェといったドイツ勢の合計EV納車台数を上回ったそうです。今や世界のEV市場はテスラと中国BYDが2大勢力で、日本などは足元にも及びません。筆者の理解では世界で最初に電気自動車の量産化に成功したのは確か三菱自動車の「アイミーブ」で、その後日産の「リーフ」が続いたと記憶しています。トヨタが世界初のハイブリッド車「プリウス」で成功したことが、皮肉にも日本のEV開発を遅らせる一因になったようです。  FOMCに続いて27-28日には日銀金融政策決定会合が開催されます。ここでは政策据え置きがコンセンサスになってきたようですが、今回は同時に「展望レポート」も発表されます。ここでは新たな消費者物価指数(コアCPI)の見通しについて、2023年度を従来の前年比「1.8%の上昇」から「2.5%程度の上昇」へと大幅に上方修正する公算が大きいと、ブルームバーグは事情に詳しい関係者の話として報じています。ただ、それでも先行き不確実性が大きい状況に変化はなく、持続的、安定的な2%の物価目標の実現を展望できる見通しにはならず、そのため今回も大規模な金融緩和政策の維持を決める可能性が高いとしています。昨日も触れたように、今回の会合に対する市場の予想は固まってきました。それだけに「サプライズ」があった場合の市場の混乱は、想定よりも大きくなる可能性があります。「サプライズ」はないとは思いますが、一応頭の片隅には置いておきたいところです。  本日のドル円は140円50銭~142円30銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ)(イメージ写真提供:123RF)
本日から開催されるFOMC会合を前に、ドル円は久しぶりに小動き。141円台半ばで推移し、値幅は20銭程度に。(イメージ写真提供:123RF)
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2023-07-25 10:00