【為替本日の注目点】FOMCを前にドル円反落

 ドル円はFOMCを前に利益確定の売りに押され140円86銭まで下落。消費者マインドが市場予想を上回り、ドルが買われる場面もあったが続かず。ユーロドルもやや軟調に推移。IFO景況感指数が下振れしたこともあり、1.1021まで下落。NYダウは26ドル上昇し、これで12連騰。FRBによる金融引き締めは最終段階にあるとの見方が広がる。他の2指数も揃って上昇。債券は続落。長期金利は3.88%台に上昇。金は4日ぶりに反発。原油は続伸し79ドル台半ばに。 5月ケース・シラ-住宅価格指数 → -1.70% 5月FHFA住宅価格指数 → 0.7% 7月コンファレンスボード消費者信頼感指数 → 117.0 7月リッチモンド連銀製造業景況指数 → -9 ドル/円 140.86 ~ 141.59 ユーロ/ドル 1.1021 ~ 1.1059 ユーロ/円 155.45 ~ 156.24 NYダウ +26.83 → 35,438.07ドル GOLD +1.50 → 1,963.70ドル WTI +0.89 → 79.63ドル 米10年国債 +0.012 → 3.884% 【本日の注目イベント】 豪 豪第2四半期消費者物価指数 豪 豪6月消費者物価指数 日 5月景気先行指数(CI)(改定値) 日 5月景気一致指数(CI)(改定値) 米 6月新築住宅販売件数 米 FOMC 政策金利発表 米 パウエル議長記者会見 米 企業決算 → AT&T、ボーイング、コカ・コーラ  ドル円は、日本時間明日の朝方に発表されるFOMCを前に利益確定のドル売りに押された格好です。昨日のNYでは、コンファレンスボードが発表した「7月の消費者信頼感指数」が「117.0」と、2020年3月以来2年ぶりの高水準でした。直後にドルが買われ141円59銭近辺まで上昇する場面もありましたが勢いは続かず、その後141円台を割り込んでいます。コンファレンスボードのチーフエコノミストは、「信頼感の改善は全ての年齢層で顕著で、年収5万ドル未満と10万ドルを超える所得層でも同様だ」と指摘しています。消費者マインドの上振れで、米経済がリセッション入りを避けられるとの見方が広がり、株式市場ではこれを好感し株価の上昇につながっています。注目されていたNYダウはこの日も26ドル上昇し、これで「12連騰」です。これまでの記録である「13連騰」も視野に入り、新記録達成もあるかもしれません。  一方で、やはり米経済はリセッション入りが避けられないとの見方も根強く、ダブルライン・キャピタルのシャーマン副最高投資責任者(CIO)は、「多くの経済指標が警告を発するか、リセッションのシグナルを点滅させている。FOMCが利下げに踏み切る頃には、100bpの引き下げが必要になっているだろう」と述べ、「深刻な米リセッションに金融市場は備えるべきだ」と指摘しています。(ブルームバーグ)ただ株式市場では、米経済はソフトランディングが可能との見方が徐々に増えており、株価を支えています。今年後半のデータが注目されます。  IMFは世界経済の見通し発表し、4月時点の予測を上方修正しました。2023年の世界経済成長率を、4月時点の「2.8%」から「3.0%」に引き上げました。米国がデフォルトを回避し、米欧の金融当局が銀行危機を食い止めたことから、ここ数ケ月でリスクは和らいでいるとの見方を示しています。IMFは米国がソフトランディング出来るとの見方に同意しながらも、金利上昇と中国の予想以上の景気回復の遅れ、新興国の債務問題、ロシアのウクライナ侵攻と米中関係緊張で加速している地理経済的分断による貿易への脅威の中で、金融の安定性に対する継続的なリスクがあると指摘しています。国別では、米国の今年の成長率を「1.8%」と予想し、4月の時点から0.2ポイント引き上げており、日本については「1.4%」とし、4月時点からは0.1ポイント上昇修正しています。また中国については、今年は「5.2%」と前回予測を据え置いています。不動産業界の軟調な投資が打撃を与えているほか、外需の低迷と若年層の失業率の上昇などをその理由に挙げていました。  FOMCの結果発表は明日の朝3時で、3時半からパウエル議長の会見が始まります。ブルームバーグは、「FRBはインフレとの闘いにおいて極めて重要な局面を迎えた。当局者らは1年余りの間、利上げが必要であるとの認識で一致団結していたが、利上げをいつ止めるか、ピーク金利をいつまで維持するのかについて、意見の相違が深まり始めている」と指摘しています。FOMCメンバーは大きく3つのグループに分かれており、「ハト派」のポスティック・アトランタ連銀総裁とグールズビー・シカゴ連銀総裁がそのメンバーです。サンフランシスコ連銀のデーリー総裁とコリンズ・ボストン連銀総裁を「中間」で、他のメンバーは「タカ派」と見られます。これまでも書きましたが、パウエル議長を始めFRBの幹部は概ね「タカ派」で、明日朝の会見でもパウエル議長は「インフレ率がさらに持続的、安定的に鈍化することを示す確かなデータが必要だ」といった意味合いの発言を行うと予想しています。  本日のドル円は139円80銭~142円程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ)(イメージ写真提供:123RF)
ドル円はFOMCを前に利益確定の売りに押され140円86銭まで下落。消費者マインドが市場予想を上回り、ドルが買われる場面もあったが続かず。(イメージ写真提供:123RF)
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2023-07-26 09:45