【為替本日の注目点】米長期金利4.2%に迫る

 ドル円は東京時間の午後143円89銭まで買われた。NYでは軟調な経済指標にドル売りが優勢となり142円07銭まで下落。長期金利の上昇もドルの支えにならず。ユーロドルは1.09台前半から半ばで小動き。株式市場は3指数が続落。S&P500は3日続落。金利上昇が株価全体の重荷となる。債券は続落。長期金利は一時4.2%に迫る水準まで上昇。金は3日続落。原油は大幅に上昇し81ドル台を回復。 新規失業保険申請件数 → 22.7万件 7月ISM非製造業景況指数 → 52.7 7月S&Pグローバルサービス業PMI(改定値) → 52.3 7月S&Pグローバル総合PMI(改定値) → 52.0 4-6月雇用コスト指数 → 2.5% 6月製造業受注 → 2.3% ドル/円 142.07 ~ 142.95 ユーロ/ドル 1.0915 ~ 1.0962 ユーロ/円 155.52 ~ 156.31 NYダウ -66.63 → 35,215.89ドル GOLD -6.20 → 1,968.80ドル WTI +2.06 → 81.55ドル 米10年国債 +0.098 → 4.175% 本日の注目イベント 豪 RBA四半期金融政策報告 独 独6月製造業新規受注 欧 ユーロ圏6月小売売上高 米 7月雇用統計 加 カナダ7月新規雇用者数 加 カナダ7月失業率  このところの米金利の上昇を支えにドル円は、介入警戒感もある中買われる展開が続き、昨日の東京時間午後には143円89銭までドル高が進む場面もありました。ただ、NYでは今夜の「雇用統計」を控えポジションを圧縮する流れが強まり、ドル円は142円07銭まで下落しています。「フィッチ・レーティングス」が米国債の格付けを引き下げたことに伴い米金利も一段と上昇を強めており、昨日の債券市場では全ての年限で価格が下がり金利が上昇しました。10年債利回りは一時4.195%まで上昇し、4.2%に迫る高水準でした。米金利との相関が強いドル円ですが、米金利の上昇もこの日はドルの支えにはならず、軟調な米経済指標の結果により反応したようです。前回6月の「ADP雇用者数」と「雇用統計」では、前者が市場予想を大きく上回ったものの、後者は予想を下回ったことで円高が進んだことも連想させたのかもしれません。  当初影響は軽微と見られていたフィッチによる米国債格下げでしたが、その影響は思ったより大きく、特に株と債券が大きく売られる展開が続いています。筆者は米国債は、その規模、流動性、安全性の観点からベンチマークとしての地位は揺るがないとみていますが、あのウォーレン・バフェット氏も昨日は声を挙げています。バフェット氏はCNBCの番組で、「バークシャーは先週月曜日に米国債を100億ドル(約1兆4200億円)購入した。今週の月曜日にも100億ドルの米国債を購入した。来週の月曜日についての唯一の問題は、100億ドルを3カ月物財務省証券(TB)で買うのか、6カ月物で買うのかだ」と話し、「心配しなくていいこともある。これはその一つだ」と述べています。(ブルームバーグ)  イングランド銀行(BOE)は3日、政策金利を0.25%引き上げ、15年ぶりの高水準となる5.25%にしました。ベイリー総裁は政策金利発表後の記者会見で、「リスクのバランスを取る必要があり、リスクは双方だ」と述べています。「インフレ目標2%を達成する道筋は一つではない」とし、「金利は中期的に据え置く選択肢も含まれる」と付け加えています。また、いつ政策を反転させるかとの質問に、「いつ利下げがあり得るかを臆測するにはあまりにも時期尚早だ」と答えていました。英国の消費者物価指数は直近6月でも総合で「7.9%」(前年同月比)と、昨年10月のピークから減速してはいるものの、依然として目標値の3倍を超えており、米国の状況とは異なっています。  トランプ前大統領は3日、首都ワシントンの連邦地裁に出廷して罪状認否に臨み、2020年大統領選や多数の米国民の投票の権利を妨害した共謀などを巡る起訴について、無罪を主張しました。起訴状では4つの罪状を挙げていますが、最高で20年の懲役刑の可能性もあり、2024年の大統領選に与える影響も大きいと思われます。共和党の大統領候補にはペンス前副大統領も出馬を決めており、前大統領と前副大統領との間で非難合戦が続く、異例な状況にもなっています。またトランプ氏に次ぐ支持を集めているデサンティス・フロリダ州知事ですが、トランプ氏との支持率の差は大きく、2024年の大統領選ではバイデン氏が高齢であることもあり、混沌としています。  今夜の「雇用統計」では、非農業部門雇用者数は20万人(6月は20.9万人)、失業率は3.6%(6月も3.6%)と、ほぼ横ばいと予想されています。また平均時給については若干鈍化すると予想されています。  本日のドル円は141円30銭~143円80銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ)(イメージ写真提供:123RF)
ドル円は東京時間の午後143円89銭まで買われた。NYでは軟調な経済指標にドル売りが優勢となり142円07銭まで下落。(イメージ写真提供:123RF)
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2023-08-04 10:00