【為替本日の注目点】ドル円147円台から急落

 ドル円はNYの朝方に147円36銭まで買われたが、その後発表された経済指標が軟調だったため急落。金利差の縮小もあり、145円67銭前後まで売られる。ユーロドルは反発。朝方の1.07台後半から1.0892まで上昇。株式市場は3指数が揃って3日続伸。労働市場の先行きに軟調な指標が発表され、米金利の低下から3指数は大幅に続伸。債券は急反発。長期金利が一時4.10%台まで低下。金は続伸。原油も4日続伸し、81ドル台に。大型ハリケーン「イダリア」がフロリダ州のメキシコ湾岸に向っていることが材料に。 6月ケース・シラ-住宅価格指数 → -1.17% 6月FHFA住宅価格指数 → 0.3% 4-6月期四半期住宅価格指数 → 1.7% 7月雇用動態調査(JOLTS)求人件数 → 882.7万件 8月コンファレンスボード消費者信頼感指数 → 106.1 ドル/円 145.67 ~ 147.36 ユーロ/ドル 1.0782 ~ 1.0892 ユーロ/円 158.30 ~ 159.05 NYダウ +292.69 → 34,852.67ドル GOLD +18.30 → 1,965.10ドル WTI +1.06 → 81.16ドル 米10年国債 -0.082 → 4.120% 【本日の注目イベント】 豪 豪7月住宅建設許可件数 豪 豪7月消費者物価指数 独 独8月消費者物価指数(速報値) 欧 ユーロ圏8月消費者信頼感指数(確定値) 欧 ユーロ圏8月景況感指数 英 英7月消費者信用残高 米 8月ADP雇用者数 米 4-6月GDP(改定値) 米 7月中古住宅販売成約件数  ドル円は連日「年初来高値」を更新し、NYの朝方には147円台に載せ、一時は147円36銭前後まで「ドル高・円安」が進みました。ただ、昨日はその後荒っぽい動きとなり、ドルが急落。高値から1円70銭程下げ145円67銭近辺までドルが売られました。7月の雇用動態調査(JOLTS)求人件数が市場予想の「952万件」に対して「882.7万件」と大きく減少していたことがドル売りの引き金になりました。また6月分も速報値の「958.2万件」から「916.5万件」に下方修正され、求人件数の減少→労働市場の減速→景気減速→政策金利の据え置き、といった連想が働き米金利の低下に伴いドル円は大きく売られました。また、この日発表された8月のコンファレンスボード消費者信頼感指数も、事前予想を大きく下回り、さらに前月分も下方修正されています。米コメリカ・バンクのチーフエコノミストは、「米金融当局は急速な賃金上昇が2024年にインフレ圧力をあおる可能性を懸念している。しかし、転職による報酬増加の機会が少なくなっていることを働き手が認識しているため、賃金の伸びは向こう数カ月で減速する公算が大きい」と分析しています。(ブルームバーグ)  ドル円は先週末のジャクソンホールで、パウエル議長がやや「タカ派寄り」の発言を行った一方、植田日銀総裁はこれまでの緩和スタンスの継続といった「ハト派寄り」の発言だったことを手掛かりに、ドル買いが活発になりました。水準的にはいつ介入が実施されてもおかしくはない状況でしたが、「ドルを買うしかない」といったセンチメントがドルを押し上げ、連日小幅でしたが、「年初来高値」を更新する動きが続いていました。  今回の指標の下振れで、9月のFOMC会合で政策金利の据え置きが濃厚になってきましたが、まだ分かりません。据え置きかどうかを判断するデータの「本命」は、今週末の「雇用統計」と、来月13日に発表される「消費者物価指数(CPI)」だからです。この2つの指標が下振れするようだと、9月の政策金利据え置きだけではなく、11,12月のFOMCでも据え置かれる可能性も浮上して来そうです。市場参加者のポジションが「ドル買い・円売り」に大きく傾いているだけではではなく、クロス円でも「円売り」が高水準を記録していると思われます。そのため、円が買われる際のスピードは想定される以上に速くなります。とは言っても、これでトレンドが変わるわけでもなく、引き続き荒っぽい動きがあることだけは予想できそうです。  ロシア大統領府は10月に中国で開催される「一帯一路」フォーラムに合わせ、プーチン大統領が訪中する準備を進めていると、関係者が明らかにしています。プーチン氏は、戦争犯罪容疑で国際刑事裁判所(ICC)から逮捕状が出されて以来、初めての外遊を行うことになります。3月にICCが逮捕状を発布して以来、プーチン氏はロシアを離れていないということで、今回訪中すればICCの対応も注目されます。また、ジェット機の墜落で死亡したプリゴジン氏の葬儀にプーチン氏は出席しない意向のようです。インタファクス通信によると、大統領府のペスコフ報道官は、記者に対して「大統領が出席する予定はない」と説明し、「われわれのところに葬儀に関する情報は一切ない。これは遺族、友人が決めることだ」と述べているようです。  本日のドル円は145円~146円50銭程度と予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ)(イメージ写真提供:123RF)
ドル円はNYの朝方に147円36銭まで買われたが、その後発表された経済指標が軟調だったため急落。金利差の縮小もあり、145円67銭前後まで売られる。(イメージ写真提供:123RF)
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2023-08-30 10:00