【為替本日の注目点】BOE、政策金利を据え置く

ドル円は反落。本日の日銀政策決定会合を前にポジションを調整する動きが活発となり、147円32銭までドルが売られる。ユーロドルは小幅に下落。1.0625まで売られ、終始1.06台で推移。株式市場は3指数が揃って大幅続落。FOMCの余震がじわりと効いて、S&P500は72ポイントの大幅安。債券も続落。長期金利は2007年以来となる4.5%に接近。金は6日ぶりに反落。原油も小幅安。
9月フィラデルフィア連銀景況指数 → -13.5
8月中古住宅販売件数 → 4.04百万件
8月景気先行指標総合指数 → -0.4%
新規失業保険申請件数 → 20.1万件
経常収支(4-6月) → -212.1b
ドル/円 147.32 ~ 148.06
ユーロ/ドル 1.0625 ~ 1.0673
ユーロ/円 157.03 ~ 157.67
NYダウ -370.46 → 34,070.42ドル
GOLD -27.50 → 1,939.60ドル
WTI -0.03 → 89.63ドル
米10年国債 +0.087 → 4.494%
【本日の注目イベント】
日 日銀金融政策決定会合
日 植田日銀総裁記者会見
日 8月消費者物価指数
独 独9月サービス業PMI(速報値)
独 独9月総合PMI(速報値)
欧 ユーロ圏8月製造業PMI(速報値)
欧 ユーロ圏8月サービス業PMI(速報値)
欧 ユーロ圏9月総合PMI(速報値)
英 英9月製造業PMI(速報値)
英 英9月サービス業PMI(速報値)
米 9月S&Pグローバル製造業PMI(速報値)
米 9月S&Pグローバルサービス業PMI(速報値)
米 9月S&PグローバルコンポジットPMI(速報値)
米 デーリー・サンフランシスコ連銀総裁講演
米 クック・FRB理事講演
米 カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁講演
加 カナダ7月小売売上高
米10年債が売られ、長期金利は4.5%に迫る4.496%まで上昇。2007年以来となる高水準を記録しました。しかし、ドル円との相関が高い米金利が上昇したにもかかわらず、ドル円は147円32銭まで反落しています。やはり、本日発表される「日銀金融政策決定会合」の結果と植田総裁の会見が相当意識されたということです。会合では政策修正や変更はないと見られていますが、注目されるのは午後3時半から行われる総裁の会見です。ここで、総裁が近い将来の政策変更を示唆する発言を行うのかどうかが焦点です。今月9日の読売新聞とのインタビューでは、「十分だと思える情報やデータが年末までにそろう可能性もゼロではなくなった」と発言し、ドル円は144円台後半までドルが売られる局面もありました。その後市場では、この発言は「円安けん制を意図したもの」との見方が広がりましたが、昨日の本欄でも触れましたが、この種の発言に市場は非常に敏感になっています。昨日のNYでは「何らかの発言があるのでは」といった見方で、ひとまずドルロングのポジションを手仕舞う動きにつながったようです。またイエレン財務長官や神田財務官の発言を受けて、介入警戒感もくすぶっていると思われます。本日の植田総裁の会見で、上記発言が単なるけん制であったのかどうかも判明するはずです。
イングランド銀行(BOE)は21日、ほぼ2年ぶりに政策金利の据え置きを決定しました。利上げを行えば「15会合連続」ということになりましたが、金融政策委員会(MPC)での意見は拮抗したようで、9人の委員のうち5人が据え置きに賛成し、4人が5.5%への利上げを主張しました。ベイリーBOE総裁は利上げを支持しなかった理由について、「インフレ面で非常に良い知らせがあった」と述べています。20日に発表された英国の8月の消費者物価指数(CPI)は「6.7%」に低下しており、市場予想の「7%」を下回っていたことを指したものと思われます。ポンド円は、この発表を受けて下落しましたが、大きな混乱には至っていません。一方、トルコ中銀は再度大幅な利上げを断行しています。エルカン総裁率いる金融政委員会は主要政策金利の1週間物レポ金利を「5%」引き上げ、「30%」にすることを決定しました。これで利上げは6月以降4会合連続となります。これまでの中銀総裁は「利下げ」を主張するエルドアン大統領の「顔色を見ながら」の政策決定を行い、インフレが大きく進んでいる状況の中でも大幅利上げは避けてきました。今年6月に就任したエルカン総裁は、就任後最初の会合では利上げを断行しましたが、利上げ幅が小さく、市場の失望を買いましたが、前回からは大幅利上げに踏み切っています。「今年5月のエルドアン大統領の再選後、中銀は4会合連続で利上げをした。長年の不規則かつ型破りな政策でトルコ経済はバランスを崩し、投資家に敬遠されている。テクノクラートが集まるエルドアン氏に新チームは投資家を呼び戻そうと取り組んでいる」(ブルームバーグ)といった声が聞かれます。「利下げをすれば景気が良くなり、インフレが収まる」と、強引に利下げを主張してきたエルドアン氏も、ようやく経済学の原理原則を理解し始めたようです。
本日の日銀決定会合は会合終了後、直ちに結果が発表されます。午前中には結果が判明すると思われますが、注目は午後3時半から始まる植田総裁の会見です。
本日のドル円は146円70銭~148円30銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ)(イメージ写真提供:123RF)
ドル円は反落。本日の日銀政策決定会合を前にポジションを調整する動きが活発となり、147円32銭までドルが売られる。ユーロドルは小幅に下落。
economic,gaitameonline,gaitamedotinterview,fxExchange
2023-09-22 10:15