【為替本日の注目点】WTI原油価格急落

 ドル円は149円を挟みもみ合い。前日のドル急落の影響もあり、149円台を回復したものの上値は重く、米金利の低下に148円77銭まで売られる場面も。ユーロドルは反発。米金利の低下を受け、ユーロの買い戻しが優勢に。株式市場は3指数が揃って反発。ADP雇用者数が予想を大きく下回り、利上げ観測が後退。債券は反落。長期金利は4.73%台に低下。金は8日続落。原油は5ドルを超える大幅安。ロシア政府がディーゼル燃料の禁輸を解除するとの報道が引きがねに。 9月S&Pグローバルサービス業PMI(改定値) → 50.1 9月S&Pグローバル総合PMI(改定値) → 50.2 9月ADP雇用者数 → 8.9万人 8月製造業受注 → 1.2% 9月ISM非製造業景況指数 → 53.6 ドル/円 148.77 ~ 149.13 ユーロ/ドル 1.0484 ~ 1.0533 ユーロ/円 156.27 ~ 156.76 NYダウ +127.17 → 33,129.55ドル GOLD -6.70 → 1,834.80ドル WTI -5.01 → 84.22ドル 米10年国債 -0.063 → 4.733% 【本日の注目イベント】 豪 豪8月貿易収支 独 独8月貿易収支 独 独8経常収支 米 新規失業保険申請件数 米 8月貿易収支 米 メスター・クリーブランド連銀総裁、シンポジウムに参加 米 デーリー・サンフランシスコ連銀総裁講演 加 カナダ8月貿易収支  3日のNY市場でドル円が150円16銭まで上昇した後、わずか2秒ほどで3円近くも急落した件で、筆者は「少なくともレートチェック」などがあった可能性が高いとコメントしましたが、今朝の報道では「どうやら為替介入はおこなっていない模様」と伝えられています。日銀が「ドル売り円買い」介入を行えば、日銀の当座預金の数字に変化が出ますが、日銀が4日夕方に発表した5日分の当座預金残高の予想が、ほぼ民間短資会社の予想通りだったことで、介入があった可能性は低いとのことのようです。ブルームバーグは「一時的な急落の背景には、市場が神経質になっていた上、節目である150円を割り込んだことに反応したアリゴリズム取引が組み合わさった可能性なども考えられる」と報じています。ただ、それにしても極めて短時間でのあの動きは異常で、「実弾介入」はなくても、「レートチェック」などがあったと考えるのが普通かと思います。  昨日のドル円は、その影響もあり149円台に乗せたものの、上値を追う動きにはつながっていません。東京時間に149円32銭までドルが買われる場面もありましたが、これは米債券先物市場で債券が売られ、米長期金利が一時「4.88%」前後まで上昇したことがドル買いにつながったと見られます。米10年債はNYでは反発し、長期金利は4.73%台まで低下し、金利上昇もいっぷくといったところです。米金利の低下は9月のADP雇用者数が大きく下振れしたことに反応したようです。市場予想の「15.0万人」に対して「8.9万人」と、大きく下振れしていました。業種別では、娯楽・ホスピタリティが伸びたものの、製造業、貿易・運輸業の落ち込みが大きく、前者の伸びを相殺しています。ADPのチーフ・エコノミストは「9月は雇用が大きく落ち込んだ。加えて、過去12カ月に賃金も着実に鈍化している」と述べています。同指標に加え、この日発表された9月のISM非製造業景況指数も活動拡大のペースが鈍化しており、「年内もう1回の利上げ観測」がやや後退したことが米金利の低下につながっています。  毎度の事ですが、明日発表される雇用統計とADPとの相関はほとんどないと言っていいと思いますが、仮に明日発表の非農業部門雇用者数が事前予想の「15.5万人」を大きく下回る結果となれば、今月末のFOMCでの利上げ観測もさらに後退することになります。これはドル円の上値を抑えることになりますが、「ドル高基調」に影響を与えるには労働市場の鈍化傾向が少なくとも数カ月続く必要があります。今年も残り3カ月を切りました。「ドル高基調」に変化が見られるのか注意したいところです。因みに去年ドル円が「151円95銭の最高値」を記録したのは10月でした。今年も同様なことが起きるとは思いませんが、何か因縁めいたものを感じます。同日の米長期金利は一時「4.33%」まで上昇した後、「4.21%」で引けています。  本日のドル円は148円~149円50銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ)(イメージ写真提供:123RF)
ドル円は149円を挟みもみ合い。前日のドル急落の影響もあり、149円台を回復したものの上値は重く、米金利の低下に148円77銭まで売られる場面も。(イメージ写真提供:123RF)
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2023-10-05 10:00