【為替本日の注目点】米住宅価格再び上昇傾向か

ドル円は小動き。参加者が少なく材料も乏しい中、142円63銭まで買われたがドルの上値も重い展開。ユーロドルは引き続き1.10台で推移。株式市場は3指数が揃って上昇。引けにかけて上げ幅を縮小したが、石油株などが上昇をけん引。債券はやや売られ長期金利は3.89%台に。金は小幅ながら3日続伸。原油も大きく反発。
10月ケース・シラー住宅価格指数 → 4.87%
10月FHFA住宅価格指数 → 3.0%
ドル/円 142.26 ~ 142.63
ユーロ/ドル 1.1013 ~ 1.1045
ユーロ/円 156.78 ~ 157.37
NYダウ +159.35 → 37,545.33ドル
GOLD +0.70 → 2,069.80ドル
WTI +2.01 → 75.57ドル
米10年国債 +0.020 → 3.897%
【本日の注目イベント】
日 日銀金融政策決定会合における主な意見(12月19日、19日分)
ドル円は142円台で推移し、NYでは142円台半ばまで買われましたが、ロンドンなど一部の主要市場がクリスマス明けの休暇であるため、大きな動きにはなっていません。今年もあと3日を残すのみとなりましたが、下値の140円と上値の145円を抜け切るのは難しそうな気配です。
10月のケース・シラー住宅価格指数が発表され、主要20都市では前年同月比で「4.9%」上昇し、伸びは今年最も高い水準でした。都市別ではデトロイトが最大で「8.1%」上昇し、サンディエゴ、NYと続き、20都市で唯一オレゴン州のポートランドが前年同月比で下げていました。米住宅ローン金利も急速に低下し、ここ2年程住宅購入を控えてきた人たちが購入を決めたようで、「供給不足が根強く続くなか、物件を巡って争奪戦の様相を呈している」(S&Pコアロジック/ケース・シラー)といったコメントもありました。
日銀が消費者物価指数の「基調的変動」の分析に活用する独自のコア3指数が、11月は揃って前月に比べ鈍化しました。刈り込み平均値は「2.7%」(前月は3.2%)、加重中央値は「1.7%」(前月は2.2%)、そして最頻値は「2.4%」(前月は2.6%)と、いずれも上昇率が鈍化しており、植田総裁の発言の正当化に寄与しそうな状況です。もっとも、インフレ率の鈍化傾向は日本だけではなく、ユーロ圏や米英でも顕著に鈍化傾向を示しています。
パレスチナ自治区ガザでのハマスとイスラエルの戦争は、まもなく3カ月目に入ろうとしていますが、戦争停止の道筋は見えていません。ガザ地区ではすでに戦争による死者は2万人を超えており、民間人の犠牲者が多数出ています。一方ハマス側に捕らえられたイスラエル人の人質も厳しい状況となっており、限界に近いとの声もあります。攻撃継続を強行するネタニヤフ首相に対して国内でも「即停戦を行い人質解放の提案をすべきだ」との声が高まり、デモも起きています。「圧倒的に勝利するまで戦い続ける」と宣言している同首相ですが、25日のウォールストリート・ジャーナル(WSJ)に論説を寄稿しています。ネタニヤフ氏はその中で、「ハマスの壊滅」、「パレスチナ自治区ガザの非武装化」、「パレスチナ社会の脱過激化」の3つを、戦闘で和平を達成するための前提条件として挙げています。ネタニヤフ氏は、「ハマスの壊滅において、イスラエルは引き続き国際法を完全に順守して行動する」とし、「ハマスの排除がこうした恐ろしい残虐行為を繰り返さないため唯一の相応する対応だ」と主張しています。人道的な配慮が全くなく、国際法上も大きな問題があるとされているイスラエルのガザ地区での攻撃が続いている中で、果たしてこのような論説がどこまで信用されるのでしょうか。
本日のドル円は141円50銭~143円程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ)(イメージ写真提供:123RF)
ドル円は小動き。参加者が少なく材料も乏しい中、142円63銭まで買われたがドルの上値も重い展開
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2023-12-27 09:45