【為替本日の注目点】米金融当局者4名、利下げは急がず

ドル円は朝方売られ147円台半ばまで下落したがその後反発。米金利が上昇したこともあり、148円26銭まで買われる。ユーロドルは小動き。1.07台半ばから後半で推移。株式市場は3指数が高値を更新。S&P500は40ポイント買われ、「5000」の大台に迫る。債券は反落。長期金利は4.12%台に上昇。金は小幅に続伸。原油も3日続伸。
12月貿易収支 → -62.2b
12月消費者信用残高 → 1561b
ドル/円 147.64 ~ 148.26
ユーロ/ドル 1.0756 ~ 1.0784
ユーロ/円 159.07 ~ 159.73
NYダウ +156.00 → 38,677.36ドル
GOLD +0.30 → 2,051.70ドル
WTI +0.55 → 73.86ドル
米10年国債 +0.021 → 4.121%
【本日の注目イベント】
日 12月国際収支・貿易収支
日 1月景気ウオッチャー調査
日 内田日銀副総裁が奈良市内で講演(10:30)
日 記者会見(14:30)
中 中国1月消費者物価指数
中 中国1月生産者物価指数
欧 ECB経済報告
米 新規失業保険申請件数
米 イエレン財務長官、上院銀行委員会で証言
米 バーキン・リッチモンド連銀総裁講演
米 大統領選の共和党ネバダ州党員集会
ドル円は東京時間では148円を挟み小動きでしたが、NYでは147円台半ばまで売られた後148円台を回復し、148円26銭まで買われる場面もありました。底堅い米景気と大型ハイテク株の好決算を手掛かりに株価は上昇し、昨日は3指数が再び引け値ベースで最高値を更新しています。債券はやや売られ、金利が上昇するなかでも株式市場には資金流入が続いており、この一端には日本からのNISAを通じた買いも貢献しているようです。米国株を買うには、円を売りドルを買い、そのドルで株式を買うというスキームが一般的です。また外人投資家が日本株を買う際には逆の取引が発生しますが、ある程度為替のヘッジを行えば、ドル買い円売りのオペレーションも行います。円とドルの金利差から先物は「ディスカウント」となっていることから、ドルを安く買うことができ、ドル円でドル安が進んだ際には、この種の取引も起こりやすいと言え、これもドルが底堅い動きを見せる一因となっている模様です。
昨日もFOMCメンバー4人の講演などがあり、総じて「利下げを急ぐ根拠は見当たらない」という考えを示しています。FRBのクーグラー理事はブルッキングス研究所で、理事就任後初めてとなる講演を行い、「インフレと労働市場の継続的な鈍化により、ある時点でフェデラルファンド(FF)金利誘導目標レンジの引き下げが適切になる可能性がある。一方、ディスインフレの進展が失速した場合、FRBの2つの責務を確実に進めるために、誘導目標レンジをより長期にわたって現行水準に維持することが適切になるかもしれない」と述べています。ボストン連銀のコリンズ総裁はボストン・エコノミック・クラブで講演を行い、「利下げに踏み切る前に、インフレ率が、金融当局が目標とする2%に着実に近づきつつあることを示すさらなる証拠が必要だ」と話し、同氏は今年のFOMCでの議決権は有していないが、「年内に政策の引き締まりを緩和し始めるのが適切になる可能性が高い」と述べています。
そして、リッチモンド連銀のバーキン総裁は、エコノミック・クラブ・オブ・ワシントンのイベントで講演を行い、「到達するべきところに至るために辛抱強い姿勢でいることを強く支持する」と発言し、「勝利宣言は非常に心をひかれるが、私からその言葉を聞くことは決してないだろう」と付け加えています。最後はミネアポリス連銀のカシュカリ総裁です。カシュカリ総裁はCNBCの番組で、「われわれはより良好なインフレデータを求めているわけではなく、2%の水準付近にあることを示す追加のインフレデータを求めているだけだ。さらに数カ月そうしたデータを目にできれば、強い確信を得ることができると私は考えている」と語っています。(ブルームバーグ)4人の金融当局者が「利下げは急がない」と判で押したような認識を示しましたが、これはすでにFOMCでのコンセンサスになっていると考えられます。
EU加盟国は、11月の米大統領選でトランプ氏が勝利した場合にEUを襲う可能性のある「懲罰的措置」にどう対応するかについて、内部で協議を始めた、とブルームバーグは伝えています。「トランプ氏のチームはEUに対して取り得る多数の措置を計画しており、最低10%の関税を広範に課す措置や、米テクノロジー企業を暗に狙うEUのデジタルサービス税への対抗措置などが含まれる可能性がある」と報じています。同盟国日本も例外ではなく、EUと歩調を合わせ早めの対応を検討する必要があります。
本日は内田日銀副総裁の講演が奈良市で行われる予定で、すでにその発言内容が注目されています。発言が早期の政策修正を示唆するものであれば、円が買われる可能性もあります。10時30分からの発言と14時30分からの会見には注意が必要です。本日のドル円は147円~148円80銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ)(イメージ写真提供:123RF)
ドル円は朝方売られ147円台半ばまで下落したがその後反発。
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2024-02-08 09:45