【為替本日の注目点】ドル円149円台まで上昇

ドル円は続伸し、NYでは149円17銭まで上昇。およそ1週間ぶりの高値を付ける。米金利が上昇を続け、金利高に引っ張られる格好でドルが買われた。ユーロドルは1.09台を割り込み1.0882まで下落。株式市場は3指数が続落。インフレ沈静化の兆しが後退してきたことが株式市場には「逆風」となり株価は下落。債券は続落。長期金利は4.30%台に上昇。金は続落。原油は小幅に反落。
3月NY連銀製造業景況指数 → -20.9
2月輸入物価指数 → 0.3%
2月輸出物価指数 → 0.8%
2月鉱工業生産 → 0.1%
2月設備稼働率 → 78.3%
3月ミシガン大学消費者マインド(速報値) → 76.5
ドル/円 148.62 ~ 149.17
ユーロ/ドル 1.0882 ~ 1.0895
ユーロ/円 161.87 ~ 162.41
NYダウ -190.89 → 38,714.77ドル
GOLD -6.00 → 2,161.50ドル
WTI -0.22 → 81.04ドル
米10年国債 +0.016 → 4.306%
【本日の注目イベント】
中 中国2月小売売上高
中 中国2月鉱工業生産
欧 ユーロ圏2月消費者物価指数(速報値)
欧 ユーロ圏1月貿易収支
米 3月NAHB住宅市場指数
「マイナス金利解除へ。日銀、17年ぶり利上げ」16日(土)の日経新聞朝刊は、このような見出しで、日銀が今日から始まる金融政策決定会合で、金融政策の変更を実施する見通しだと報じました。もっとも、すでに前日時事通信社が「マイナス金利解除」を報じていたため驚きはありません。筆者も、頻繁に電話取材を受け懇意にしている同社の記者に確認したところ、「手応え」を感じていたところです。日銀はマイナス金利解除とあわせて「イールドカーブコントロール」(YCC)も撤廃する見込みのようです。
通常、長期金利は市場参加者の「相場観やインフレ見通し、需給、物価情勢など」、市場で決定されるもので、日銀は2016年9月からYCCを主要国で初めて導入し、短期金利だけではなく、長期金利もコントロールするという「壮大な実験」を行ってきました。現在長期金利の上限は植田総裁就任後、何度かの修正を経て1%に設定されており、市場の足元の金利は0.7%程度で推移していることから、「YCCはすでに形骸化している」といった声もあります。そもそもYCCの導入で「市場機能が麻痺している」といった副作用があることも長い間指摘されてきました。仮にYCCが撤廃されれば、国債を保有している生保など機関投資家や地方銀行などは価格が下落することで「含み損」を抱えることになります。また、価格が下落することで金利が急騰するリスクもあります。そのため日銀は、「指し値オペ」などを使って金利が急騰するのを防ぐものと見られています。日銀執行部がこれまで繰り返してきたように、「マイナス金利解除」後も、緩和的な政策が続くと見られています。
3月8日に146円48銭まで売られたドル円は、先週末のNYでは149円台前半まで買われています。「マイナス金利解除」は本来円高材料のはずでしたが、円が売られる結果になっています。これまではこの種の材料には「円買いドル売り」で反応していましたが、今回は「材料出尽くし」ということなのでしょう。典型的な「Buy on Rumor Sell on News」 ということです。また米国で先週発表された2月のCPIとPPIがともに市場予想を上回った余韻も残っているようです。FRBの今年の利下げ回数を「6回」と予想していた市場が、足元では「3回」まで修正してきたことも「ドル買い円売り」に作用しています。ドル円が146円48銭まで売られた8日には、4.05%近辺で引けた米長期金利は先週末には4.30%台まで上昇しています。「マイナス金利解除」観測で円の長期金利も上昇していますが、それ以上に米金利が上昇し、日米金利差は拡大傾向にあります。「結局ドル円の方向を決めるのは日本ではなく、米国の金融政策だ」といった声も聞こえてきました。
11月の大統領選に向け共和党候補指名を確実にしたトランプ氏は、自身がホワイトハウスに返り咲きを果たした場合、「中国メーカーがメキシコで製造した自動車に100%の関税を課す」と述べています。また、「自分が大統領選で勝利しなければ、『流血の惨事』となるだろう」とも話しており、バイデン氏の陣営はこの発言について、2021年1月6日のトランプ氏支持者による連邦議会議事堂襲撃事件に言及し、非難しています。(ブルームバーグ)大統領候補者とは思えない発言に驚きさえ感じます。また、トランプ氏が大統領在任中に副大統領として仕えたペンス氏はFOXニュースとのインタビューで「私が今年トランプ氏を支持しないというのは、何ら驚くことではない」と述べ、トランプ氏不支持を表明しました。自身に仕えた副大統領からも不支持を表明されたトランプ氏を、米国民はどのように考えるのでしょうか。
本日のドル円は148円30銭~149円80銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ)(イメージ写真提供:123RF)
ドル円は続伸し、NYでは149円17銭まで上昇。およそ1週間ぶりの高値を付ける。米金利が上昇を続け、
economic,gaitameonline,gaitamedotinterview,fxExchange
2024-03-18 10:15