【為替本日の注目点】NYダウ4万ドルに乗せて引ける

 ドル円は欧州時間の朝方に155円98銭前後まで上昇したがNYでは小動き。155円台前半まで売られたものの、その後反発し155円70銭近辺で越週。ユーロドルは1.08台半ばを中心に堅調に推移。株式市場はまちまちながらダウは134ドル買われ、引け値で初となる4万ドルを達成。債券は売られ、長期金利は4.42%台に。金は大幅に反発し2417ドル台で引ける。原油も続伸。 4月景気先行指標総合指数 → -0.6% ドル/円 155.25 ~ 155.88 ユーロ/ドル 1.0839 ~ 1.0878 ユーロ/円 168.82 ~ 169.32 NYダウ +134.90 → 40,003.59ドル GOLD +31.90 → 2,417.40ドル WTI +0.83 → 80.06ドル 米10年国債 +0.045 → 4.420% 【本日の注目イベント】 台 台湾、新総統就任 独 独4月生産者物価指数 米 ボスティック・アトランタ連銀総裁、歓迎の挨拶 米 バー・FRB副議長講演  ドル円は先週末の欧州市場で155円98銭まで買われましたが、156円台乗せには至っていません。それでも堅調に推移しており、米国株が底堅く推移していることも「リスクオン」が優勢となり、円売りに作用していると見られます。NYダウは引け値で初の4万ドルを達成しました。3万ドルに乗せたのが2020年12月でしたから、3年半で1万ドル上昇したことになります。34年ぶりに過去最高値を更新した日本株とは大きく異なります。今後も優良なスタートアップ企業の生まれる米国のダイナミズムは続くことでしょう。その象徴的な存在である「エヌビディア」の決算発表が今週22日(水)にあり、注目されています。  パウエル議長が新型コロナウイルスに感染しました。議長は19日、母校のジョージタウン大学の卒業式で講演を行う予定でしたが、16日遅くにコロナ検査で陽性反応が出て、症状が表れているとのことです。議長は米疾病対策センター(CDC)のガイドラインに従い外出を控え、自宅で仕事を続けているとのことです。次回のFOMCは6月11-12日に開催されますが、それまでには回復すると見られています。パウエル議長は今年71歳で、健康的には問題ありませんが、何しろ多忙で、先日もオランダ中銀のイベントに招かれアムステルダムまで「出張」しています。  イスラエルのネタニヤフ首相はパレスチナ自治区ガザへの攻撃の手を緩める意志はなく依然として攻撃的な発言を続けています。バイデン政権は同国への弾薬等の一部供与を停止しましたが、今回再び10億ドル(約1550億円)の支援を決めるなど、イスラエルに人道的配慮を強く求めながらも一貫性がありません。米大統領選を巡り、ユダヤ系富豪がバイデン氏に選挙資金の提供を行ったからでは、といった見方もあるようです。ただイスラエル国内でのネタニヤフ政権の基盤は支持率も低く決して盤石ではありません。今朝の報道では、イスラエル戦時内閣メンバーのガンツ前国防相は、ネタニヤフ首相が6月8日までに人質を取り戻し、イスラム組織ハマスによるパレスチナ自治区ガザ統治を終わらせる新たな計画を提示しなければ、政権を離脱すると述べています。ネタニヤフ氏は直ちにこの要求に対し、「ガンツ氏の要求は、イスラエルの敗北と同義だ」と拒否しています。ガンツ氏に対する国民の支持は高く、このままではネタニヤフ政権が孤立する可能性があると分析している専門家もいます。  台湾では頼清徳氏の総統就任式が今日行われます。就任演説で頼新総統が米国と中国についてどのような政策を進めていくのかが注目されます。米国については前任者と同様なスタンスを維持し、中国に対しては現状維持を図ると見られます。この他にもイラン大統領の乗ったヘリコプターが事故にあったとの報道もあり、中東の不安要素は消えません。  本日のドル円は155円~156円30銭程度を予想します。 (執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ)(イメージ写真提供:123RF)
ドル円は欧州時間の朝方に155円98銭前後まで上昇したがNYでは小動き。(イメージ写真提供:123RF)
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2024-05-20 10:00