【為替本日の注目点】FOMC議事録、高水準での政策金利を支持

ドル円は小幅に続伸し156円85銭まで上昇。FOMC議事録がタカ派寄りの内容だったことがドル買いにつながる。ユーロドルでもドル買いが優勢となり、ユーロは1.0818まで小幅に下落。株式市場はFOMC議事録の内容を受け3指数が揃って下落。債券は小幅に売られ、長期金利は4.42%台とやや上昇。金は大幅に続落。原油も3日続落。
4月中古住宅販売件数 → 414万件
ドル/円 156.35 ~ 156.85
ユーロ/ドル 1.0818 ~ 1.0847
ユーロ/円 169.38 ~ 169.72
NYダウ -201.95 → 39,671.04ドル
GOLD -33.00 → 2,392.90ドル
WTI -1.09 → 77.57ドル
米10年国債 +0.010 → 4.422%
【本日の注目イベント】
トルコ トルコ中銀、政策金利発表
独 独5月製造業PMI(速報値)
独 独5月サービス業PMI(速報値)
欧 ユーロ圏5月製造業PMI(速報値)
欧 ユーロ圏5月サービス業PMI(速報値)
欧 ユーロ圏5月総合PMI(速報値)
欧 ユーロ圏5月消費者信頼感指数
欧 G7財務相・中央銀行総裁会議(イタリア・ストレーザ、25日まで)
英 英5月製造業PMI(速報値)
英 英5月サービス業PMI(速報値)
米 5月S&Pグローバル製造業PMI(速報値)
米 5月S&Pグローバルサービス業PMI(速報値)
米 5月S&PグローバルコンポジットPMI(速報値)
米 新規失業保険申請件数
米 4月新築住宅販売件数
米 ボスティック・アトランタ連銀総裁、質疑応答に参加
「政策金利をより長期に高水準で維持することが望ましい」・・・・・。昨日公開された4月30日―5月1日に開催されたFOMC議事録要旨では、当局者がこのような認識で一致していたことが明らかになりました。想定していたよりもタカ派寄りの内容だったことで、市場では株と債券が売られ、金利が上昇。高水準の米金利が維持されるとの見方からドル円は156円85銭まで買われ、約3週間ぶりのドル高水準を付けました。
議事要旨によれば、参加者は金融政策が「良い位置にある」と分析、その一方で、正当化されるなら追加引き締めにも前向きだと、さまざまな当局者が言及しており、タカ派寄りの議論が交わされていました。議事録は、「参加者は1-3月のインフレデータが期待外れだったと指摘した」とし、「インフレ率が持続的に2%に向っている兆候が示されない場合は、政策金利をより長期に維持すること、あるいは労働市場が予想外に弱まった場合には景気抑制の度合いを和らげることを議論した」と記されていました。もっとも、この会合の2日後に発表された「4月の雇用統計」では、非農業部門雇用者数が下振れし、さらにその後発表された4月の消費者物価指数(CPI)と、生産者物価指数(PPI)が弱かったことは記憶に新しいところで、今回の議事録が示すような「追加利上げ」の可能性は、足許ではかなり後退しているのが現状です。今後のデータ次第では、再び利下げの可能性が消滅することも予想される一方、5月のCPI、PPIが下振れすれば、「基調」として弱いデータが確認できることとなり、FRBには追い風になります。そしてその結果、「9月の利下げ開始」が一歩近づくことにもなります。
昨日の日本の債券市場では、長期金利の指標となる新発10年物国債の利回りが「1.000%」まで上昇しました。およそ11年ぶりの高水準で、「金利のある世界」もようやく現実的になってきましたが、円金利が上昇したわりには「円買い」が進んでいません。この程度の円金利の上昇では「日米金利差に劇的な変化はない」と、市場は見ているようです。
株式関係者以外の投資家にも注目されていた、米半導体大手「エヌビディア」が日本時間の今朝方、決算発表を行いました。売上高、利益とも市場予想を上回る結果で、「エヌビディア1強」の様相でした。2024年2-4月期の純利益は前年同期比7.3倍の148億8100万ドル(約2兆3300億円)でした。同社のファンCEOは「次の産業革命が始まった」と、かなりセンセーショナルな言葉で語っていました。決算はNY株式市場引け後に発表されていますが、明日の株価にも影響しそうで、株高でリスクオンの流れが強まれば、円がもう一段売られるかもしれません。
本日のドル円は155円80銭~157円20銭程度を予想します。
(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ)(イメージ写真提供:123RF)
ドル円は小幅に続伸し156円85銭まで上昇。FOMC議事録がタカ派寄りの内容だったことがドル買いにつながる。(イメージ写真提供:123RF)
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2024-05-23 10:00