【為替本日の注目点】ドル円157円台後半に続伸

 米金利の上昇にドル円は157円71銭まで上昇。今月2日にドルが急騰し、その後介入を呼び込んだ水準を回復。ドル高が進み、ユーロドルは1.0800まで下落。株式市場は金利の上昇が嫌気され3指数は揃って下落。ダウはこの日も411ドル売られ、直近高値から1600ドル程下げる。債券は売られ、長期金利は一時4.63%台まで上昇し、およそ1カ月ぶりの高水準を付ける。金は反落し、原油も売られる。 ドル/円 157.17 ~ 157.71 ユーロ/ドル 1.0800 ~ 1.0858 ユーロ/円 170.20 ~ 170.76 NYダウ -411.32 → 38,441.54ドル GOLD -15.20 → 2,364.10ドル WTI -0.60 → 79.23ドル 米10年国債 +0.062 → 4.612%  【本日の注目イベント】 豪 豪1-3月期民間設備投資 豪 豪4月住宅建設許可件数 欧 ユーロ圏5月消費者信頼感指数 欧 ユーロ圏5月景況感指数 欧 ユーロ圏4月失業率 米 1-3月GDP(改定値) 米 新規失業保険申請件数 米 4月中古住宅販売成約件数 米 ウィリアムズ・NY連銀総裁講演 米 ローガン・ダラス連銀総裁講演  米金利の上昇が続き、ドル円は157円71銭まで上昇しました。この水準は5月2日にドルが急騰し、翌日の介入を呼び込むきっかけにもなった水準です。ドル円の上昇は緩やかですが、しかし確実に上昇している印象です。昨日は、日本の債券市場で10年債がさらに売られ、長期金利は1.075%まで上昇し、東京時間では若干円買いを誘いました。しかしNY時間では米長期金利がさらに上昇したことで、結局日米金利差が拡大しています。また、米国の金利上昇には敏感に反応する構図は変わっていないことから、ドル買い円売りが進んだようです。主要通貨に対してドル高が進んだことで、米国株も大きく売られました。特にダウは今月17日に初めて引け値で4万ドルの大台に乗せましたが、そこから1600ドル(3.9%)も下げています。一方エヌビディアに象徴されるナスダックは、そこまで売られていません。  日銀の安達審議委員は29日熊本で講演を行い、「円安が加速、もしくは長期化することで、想定しているよりも早いタイミングで消費者物価の上昇率が反転する可能性がある」と指摘し、「安定的な物価上昇が2%を上回る可能性がより高まっている場合、利上げを行うことで金融緩和度合いを調整するペースを早める必要性があるかもしれない」と述べていました。債券市場関係者は、毎日行う日銀の債券買いオペに注目していますが、買い入れ額を巡って混乱しているようです。今朝の経済紙にもありましたが、毎月の買い入れ額は5兆円を維持する模様でしたが、日々の買い入れ額を突然減額したことで、6月か7月の利上げ観測を不透明にしています。国債買い入れ額の減額は「利上げへのステップ」と見られていますが、日々の買いオペ額の増減が円金利の今後の見方をより複雑にさせているようです。  イスラエルによるパレスチナ自治区ガザ南部のラファへの攻撃が続いており、民間人の被害も拡大していますが、イスラエルのハネグビ国家安全保障顧問は、イスラム組織ハマスを完全に敗北に追い込むにはあと7カ月かかると述べています。同氏は公共放送とのインタビューで、「ハマス及びイスラム聖戦の政府・軍事能力を破滅する目的において、これまでの達成を深め、それを維持するためにはあと7カ月間戦わなくてはならない」とし、「ガザでの戦争は正当なものであり、イスラエルが自国の安全を守る上で必要なものだ」と説明しています。ガザ地区はすでに8カ月に及ぶ戦争で壊滅的な被害が出ており、死亡者の数も3万5000人を超えていると報告されています。さらに戦争が7カ月も続くようだと、その被害もさらに拡大し甚大なものになると予想されますが、ネタニヤフ氏政権はまさにそれを狙っているようです。  本日のドル円は156円70銭~158円20銭程度を予想します。 (執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ)(イメージ写真提供:123RF)
米金利の上昇にドル円は157円71銭まで上昇。(イメージ写真提供:123RF)
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2024-05-30 10:15