【為替本日の注目点】5月ISM製造業景況指数、50を割り込む

 東京市場では157円台半ばまで上昇したドル円は大きく反落。ISM製造業景況指数が下振れし、金利が低下したことで156円台を割り込み、155円95銭まで売られる。ユーロドルでもドル安が進み、ユーロは3月21日以来となる1.09台に乗せる。株式市場はまちまち。前日と異なりダウは下げ、ナスダックは上昇。債券は買われ、長期金利は大幅に低下。金は大きく反発し、原油は4日続落。 5月ISM製造業景況指数 → 48.7 5月S&Pグローバル製造業PMI(改定値) → 51.3 5月自動車販売台数 → 1590万台 ドル/円 155.95 ~ 156.93 ユーロ/ドル 1.0841 ~ 1.0904 ユーロ/円 169.71 ~ 170.31 NYダウ -115.29 → 38,571.03ドル GOLD +23.50 → 2,369.30ドル WTI -2.77 → 74.22ドル 米10年国債 -0.110 → 4.388% 【本日の注目イベント】 豪 豪1-3月期経常収支 独 独5月雇用統計 米 4月雇用動態調査(JOLTS)求人件数 米 4月製造業受注  久しぶりにドルが売られた印象です。昨日の東京市場では157円台半ばで推移していたドル円は155円95銭まで売られ、ユーロドルでも、およそ2カ月ぶりに1.09台までドル安ユーロ高が進みました。ユーロドルについては、今週木曜日のECB理事会で25bpの利下げが見込まれることから上値は重いと予想していましたが、ドルが売られたことで相対的にユーロが買われた格好です。  5月のISM製造業景況指数が「48.7」と、市場予想の「49.5」を下回り、活動の拡大、縮小の境である「50」も割り込みました。特に新規受注が「3.7」ポイント低下の「45.4」と、2022年6月以来およそ2年ぶりの低水準でした。ISMの調査委員会は声明で、「企業は現行の金融政策やその他の状況により、投資に二の足を踏んでおり、需要は依然として見通せない。企業による投資には、サプライヤーへの発注確約、在庫積み増し、設備投資などが含まれる」と説明しています。同指数の下振れで、米金利が急低下し、ドル売りが加速しました。ドル円は156円台割れまで下落しましたが、日足ベースでは昨年12月28日の140円台前半を付けたところを起点とした「サポートライン」には近づいてきましたが、まだ割り込むところまで下げてはいません。同ラインは現在は154円台半ばに位置していますが、その下には「一目均衡表の雲の下限」もあります。来週のFOMC会合での利下げの可能性はほぼないものの、「9月会合での利下げ開始の可能性は残した」といった状況です。  イスラエルのネタニヤフ首相は3日、パレスチナ自治区ガザでのイスラム組織ハマスとの戦争について、「ハマス壊滅を含め、イスラエルが求める条件が満たされない限り、恒久的な停戦は有り得ない」との考えを改めて強調しました。同国国会の外交防衛委員会では「バイデン氏はイスラエル発の停戦案は戦争終結とパレスチナ自治区ガザの再建を目指しているもので、停戦案は正確ではない」と述べています。またネタニヤフ氏は6月13日に米上下両院合同会議で演説するとの「速報」も入っています。同氏が米議会で演説するのは戦争開始以来初めてのことで、米議会がどのような評価を下すのか見たいと思います。  NY地裁で有罪の評決を受けたトランプ氏ですが、トランプ陣営が3日発表したところによると、5月のトランプ氏への献金が1億4100万ドル(約220億円)に上るそうです。献金額は先月と比べ倍増しており、特に有罪の評決を受けた後も献金が急増しているそうです。この辺りの米国民の行動もなかなか理解できませんが、米国の「分断」が確実に進んでいることは間違いないものと思われます。  本日のドル円は155円40銭~157円程度を予想します。 (執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ)(イメージ写真提供:123RF)
東京市場では157円台半ばまで上昇したドル円は大きく反落。(イメージ写真提供:123RF)
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2024-06-04 10:30