【為替本日の注目点】ユーロドル小幅に続落

 ドル円は欧米市場で157円40銭まで買われたが、米金利が低下したことでジリ安の展開。ユーロドルは1.0720までやや水準を切り下げたが、1.07台の大台は維持。フランスでは債券と株が売られユーロの重しに。株式市場ではダウが続落したものの、ナスダックとS&P500は上昇し最高値を更新。アップルの株価が最高値を付けたことが支えに。債券は反発。長期金利は4.40%台に低下。金はほぼ横ばい。原油もわずかに続伸。 ドル/円 156.82 ~ 157.40 ユーロ/ドル 1.0720 ~ 1.0749 ユーロ/円 168.29 ~ 168.99 NYダウ -160.62 → 38,747.42ドル GOLD -0.40 → 2,326.40ドル WTI +0.16 → 77.90ドル 米10年国債 -0.063 → 4.404% 【本日の注目イベント】 中 中国5月消費者物価指数 中 中国5月生産者物価指数 独 独5月消費者物価指数(改定値) 英 英4月鉱工業生産 英 英4月貿易収支 米 5月消費者物価指数 米 FOMC 政策金利発表 米 パウエル議長記者会見 米 5月財政収支  ドル円は欧州市場の朝方とNY市場の朝方に157円40銭まで買われ、直近のドルの高値をわずかですが上回りました。その後米長期金利が低下したことで売られましたが、それでも157円台で戻って来ました。もっとも、昨日の「円売りドル買い」は、ユーロが対ドルで売られたことで「連れ安」となった側面があり、欧州の政治的不安定さがユーロ売りに波及しており、ユーロドルの動きにも、これまで以上に目配せが必要な状況になって来ました。  フランスでは、マクロン氏率いる与党が9日の欧州議会選挙でマリーヌ・ルペン氏率いる極右政党・国民連合(RN)に惨敗し、ルペン氏が政権を握る可能性も噂されています。フランスの政局不安を背景に、昨日も同国の国債が売られ、代表的な株価指数である「CAC40」も売られています。マクロン大統領は仏紙フィガロとのインタビューで、ルペン氏が率いる極右政党・国民連合(RN)が総選挙で勝利し、大統領の辞任を要求したらどうするかと問われ、「憲法やその精神をつくったのはRNではない。制度は明確で、大統領の地位もそうだ。選挙結果がどうであろうとだ。それは侵すことができない」と答えていました。10日に公表された第1回投票の有権者の意向を尋ねた調査によると、RNが34%の支持を集め、マクロン氏の連合は19%だったとの結果も出ています。  米デラウェア州連邦裁判所は11日、不法な銃購入・所持の罪でバイデン大統領の息子、ハンター・バイデン氏に対し有罪評決を下しました。現職の大統領の子供が有罪評価を受けるのは初めてのことで、同じく大統領経験者として初めて有罪評決を受けたトランプ氏と「どっちも、どっち」、「五十歩、百歩」といった印象です。それでも結局米国民はバイデン氏かトランプ氏を選択するしかないことが、「大国アメリカ」の悩めるところであり「分断」の象徴なのかもしれません。ハンター・バイデン氏は銃器購入時に記入する連邦政府の書類で、麻薬常用者ではないと申告したなど、3件の連邦法違反で有罪評決を受けたこととなり、11月の米大統領選にも影響を与えそうです。バイデン大統領はこれまで、陪審員の評決を尊重するとして、息子を恩赦しない意向を示しています。  本日のFOMCではパウエル議長の発言とともに、メンバーが予想する金利予測分布図(ドット・プロット)も注目されています。現行では2-4回と予想されている年内の利下げ回数が、1回になるのかあるいは年内はゼロとなるのか、事前に調査されたエコノミストの予想でも見方が分かれています。先週末に発表された5月の雇用統計では失業率は「4%」と悪化していたものの、非農業部門雇用者数(NFP)は事前予想を大きく上回り、債券が急落し金利が急上昇しました。メンバーの予測もそれらを反映してバラケル可能性があります。また、5月の消費者物価指数もあります。市場が大きく動く可能性があるため、慎重に。  本日のドル円は156円~158円程度を予想します。 (執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ)(イメージ写真提供:123RF)
ドル円は欧米市場で157円40銭まで買われたが、米金利が低下したことでジリ安の展開。(イメージ写真提供:123RF)
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2024-06-12 11:30