【為替本日の注目点】円全面安の展開

ドル円は東京時間に159円92銭前後まで買われたが上値を試す動きにはならず。欧州時間朝方には158円84銭辺りまで急落したが、NYでは再び159円台後半まで上昇。ユーロドルは反発。1.0746まで買われ、対円でも171円37銭近辺まで上昇。株式市場ではダウは買われ、他の2指数は3日続落。高騰を続けていたエヌビディアが大きく売られ、ナスダックは大幅安。債券は続伸し、長期金利は4.23%台へと上昇。金と原油は揃って上昇。
ドル/円 159.33 ~ 159.76
ユーロ/ドル 1.0722 ~ 1.0746
ユーロ/円 171.01 ~ 171.37
NYダウ +260.88 → 39,411.21ドル
GOLD +13.20 → 2,344.40ドル
WTI +0.90 → 81.63ドル
米10年国債 -0.023 → 4.232%
【本日の注目イベント】
豪 豪6月ウエストパック消費者信頼感指数
日 4月景気先行指数(CI)(改定値)
日 4月景気一致指数(CI)(改定値)
中 夏季ダボス会議(中国・大連、27日まで)
米 4月ケース・シラ-住宅価格指数
米 4月FHFA住宅価格指数
米 6月コンファレンスボード消費者信頼感指数
米 6月リッチモンド連銀製造業景況指数
米 クック・FRB理事講演
米 ボウマン・FRB理事、基調講演
加 カナダ5月消費者物価指数
鈴木財務大臣や神田財務官からの口先介入が続く中、ドル円は昨日の東京時間朝方に159円92銭前後まで買われましたが、さすがに介入警戒感も強く、その後は一度も160円を試すことなく159円台で推移しています。ただ、欧州市場の朝方には一時1円程円高に振れ158円80銭台まで急速に値を下げる場面もありましたが、その理由は良くわかっていません。介入であればこのような短時間で終わるはずもなく、さらに値幅も1円程度で済むはずもありません。結局ドル円はNY市場にかけて再び買われ159円台後半まで反発しています。昨日の海外市場では、円は対ドルだけではなく、クロス円全般でも円安が加速しています。ユーロ円は171円37銭前後まで買われ、記録の取れる1995年以降では「最高値」になっています。豪ドル円は2007年以来、ポンド円は2008年以来となる高値を付けています。ここに来て再び円金利の低さが際立っていることが意識され、ドル以外の通貨に対しても「キャリートレード」が活発になっているように思えます。7月の日銀決定会合での「利上げ」を急がせるような動きです。
イスラエルはパレスチナ自治区ガザのイスラム組織ハマスに対する戦闘だけではなく、レバノンのイスラム教シーア派のヒズボラに対しても交戦に向け動き出しています。ネタニヤフ首相はイスラエルのTV局とのインタビューで、「ハマスとの激しい戦闘の局面は終わりに近づいている」と述べています。ハマスとの間で人質を巡って部分的に合意に達する可能性があるようです。一方、ヒズボラとの本格的な戦闘の可能性が高まっており、ネタニヤフ政権にとって再び逆風が吹き荒れそうな気配です。ヒズボラの戦力はハマスの比ではなく、戦闘員は5万~15万人、ミサイルも15万発ほど保有していると見られています。仮に本格的な戦闘が始まれば、今度はイスラエル国内への攻撃も予想され、相当な被害も出そうです。ネタニヤフ氏への批判もさらに高まりそうです。
シカゴ連銀のグールズビー総裁はCNBCとのインタビューで、「インフレに関してここ1カ月に見られたようなデータがさらに数カ月続き、実体経済の他の部分の状況も鈍化した場合、『これまでのような景気抑制的な政策を維持すべきなのだろうか』という疑問を持ち始めざるを得なくなる」と述べ、「インフレ率が当局目標の2%に向けて低下しているという確信をもう少し強められると期待している」と語っていました。またサンフランシスコ連銀のデーリー総裁も、「労働市場の調整は今のところ緩やかで、失業率は小幅にしか上昇していない。しかし、このような緩やかな展開になる可能性が低下する時点に近づいている」と述べ、好調な米労働市場も分岐点に差しかかっていると指摘しています。両総裁はともに、米景気の鈍化を予想し、9月利下げには前向きな発言だったと思われます。
本日のドル円は159円~160円30銭程度を予想します。
(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ)(イメージ写真提供:123RF)
ドル円は東京時間に159円92銭前後まで買われたが上値を試す動きにはならず。(イメージ写真提供:123RF)
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2024-06-25 10:00