【為替本日の注目点】米6月の消費者マインド小幅に悪化

ドル円は159円台で小動き。ドルの下値は底堅いものの、160円に近づくと介入警戒感が高まり動きにくい展開。ユーロドルは小幅に下落。1.07台を割り込み、1.0691まで売られる。株式市場では3指数が入れ替わりで上昇と下落を繰り返す展開。昨日はダウが大きく下げ、ナスダックとS&P500は上昇。債券は小幅に売られ、長期金利は4.24%台に上昇。金は反落し、原油も小幅安。
4月ケース・シラ-住宅価格指数 → 6.29%
4月FHFA住宅価格指数 → 0.2%
6月コンファレンスボード消費者信頼感指数 → 100.4
6月リッチモンド連銀製造業景況指数 → -10
ドル/円 159.46 ~ 159.75
ユーロ/ドル 1.0691 ~ 1.0717
ユーロ/円 170.70 ~ 171.13
NYダウ -299.05 → 39,112.16ドル
GOLD -13.60 → 2,330.80ドル
WTI -0.80 → 80.83ドル
米10年国債 +0.015 → 4.248%
【本日の注目イベント】
豪 豪5月消費者物価指数
独 独7月GFK消費者信頼調査
米 5月新築住宅販売件数
ドル円は160円を前に足踏みをしているようです。底堅い動きは続いていますが、やはり160円に近づくと介入警戒感が高まりドル買いも、続かないようです。個人的には仮に160円台に乗せても、よほど上昇のスピードが速くない限り、ここで介入に出る可能性は低いと考えてはいますが、それでも介入があれば一気に水準が下方に押し下げられることが分かっていることから、率先して自分からは行かないといった状況でしょうか。要は「誰が猫に鈴をつけるのか」ということで、やはり鈴をつけるからには、そのきっかけが欲しいところです。
6月のコンファレンスボード消費者マインドが発表されました。指数は「100.4」と、市場予想の中央値「100」をわずかに上回ってはいましたが、5月よりは悪化していました。現在の労働市場の状況について、雇用が「豊富にある」との回答率は38.1%と、5月の37%から上昇しており、仕事が「見つけにくい」との回答比率は低下しており、消費者の労働市場に対する見方は若干改善していました。コンファレンスボードのエコノミストは、「6月の消費者マインドは悪化したが、過去2年間の狭い範囲にとどまっている。しかし、労働市場がかなり悪化すれば、年が進むにつれて信頼感は弱まる可能性がある」と説明しています。市場予想とは大きく乖離していなかったことから、鈴をつけるきっかけにはならなかったようです。
FRB高官二人のインフレに対する見方は異なっていました。ボウマン理事はロンドンの講演で、「経済見通しを巡るリスクと不確実性を踏まえ、政策スタンスの将来的な変更を検討するアプローチにおいて、私は慎重姿勢を保つつもりだ」と述べ、しばらくは政策金利を高水準に維持すべきとの考えを示しました。一方、クック理事はエコノミック・クラブ・オブ・ニューヨークでの講演で、「インフレが大幅に改善し、労働市場が徐々に冷え込む状況では、経済の健全なバランスを維持するために政策の抑制度合いを緩和することが、ある時点で適切となるだろう」と述べ、利下げを行うタイミングを探すべきだとの考えでした。またクック理事は、「3カ月と6カ月先のインフレ率は23年下期(7-12月)に見られたような『良好な数字』と類似したものになると予想している」とも述べ(ブルームバーグ)、インフレは徐々に鈍化していくとの見立てでした。
本日も重要な経済指標がないため、突発的なニュースでもない限り大きな動きになる可能性は低いと思われます。円は対ドルだけではなく、他の主要通貨に対しても記録的な下落が続いています。来月の日銀会合では利上げの可能性がやや高まって来たと思われます。日銀が消費者物価の基調的変動の分析に活用する独自のコア3指数は、5月に将来の予測に有効とされる「刈り込み平均値」が2カ月ぶりに2%台に回復したと発表しています。利上げが実施された場合、それが市場の円売りセンチメントにどれだけ影響するのかも見極めたいと思います。
本日のドル円は159円~160円30銭程度を予想します。
(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ)(イメージ写真提供:123RF)
ドル円は159円台で小動き。ドルの下値は底堅いものの、160円に近づくと介入警戒感が高まり動きにくい展開。(イメージ写真提供:123RF)
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2024-06-26 10:00