【為替本日の注目点】ナスダックとS&P500は再び最高値更新

ドル円は東京時間に前日のNYでの高値を若干上回る161円74銭まで買われたが、昨日のNYでは小幅に反落。パウエル議長のハト派寄りの発言でドル上昇も一服。ユーロドルは引き続き1.07台前半から半ばで推移。株式市場はパウエル議長が、インフレは再び鈍化傾向を示していると発言したことを手掛かりに上昇。ナスダックとS&P500はともに大台に乗せ、最高値を更新。債券は反発。長期金利は4.43%台に低下。金は続落し、原油も反落。
米 5月雇用動態調査(JOLTS)求人件数→ 814万件
米 6月自動車販売台数 → 1529万台
ドル/円 161.28~ 161.62
ユーロ/ドル 1.0725 ~ 1.0747
ユーロ/円 173.13 ~ 173.52
NYダウ +162.33 → 39,331.85ドル
GOLD -5.50 → 2,333.40ドル
WTI -0.57 → 82.81ドル
米10年国債 -0.030 → 4.432%
【本日の注目イベント】
豪 豪5月住宅建設許可件数
中 6月財新サービスPMI
中 6月財新コンポジットPMI
独 独6月サービス業PMI(改定値)
欧 ユーロ圏5月卸売物価指数
欧 ユーロ圏6月総合PMI(改定値)
欧 ユーロ圏6月サービス業PMI(改定値)
欧 ウィリアムズ・NY連銀総裁、ECBフォーラムで討論会に参加
欧 ラガルド・ECB総裁、フォーラム閉会の辞
米 6月ADP雇用者数
米 新規失業保険申請件数
米 5月製造業受注
米 5月貿易収支
米 6月ISM非製造業景況指数
米 6月S&Pグローバルサービス業PMI(改定値)
米 6月S&Pグローバル総合PMI(改定値)
米 FOMC議事録(6月11-12日分)
パウエル議長は、ポルトガルのシントラで開かれているECB主催のフォーラムでパネル討論会に参加し、「米経済は力強く、労働市場も強いことから、われわれは時間をかけて正しく対応することが可能だ」と述べ、「それがわれわれの計画だ」と発言しました。パネル討論にはラガルドECB総裁とブラジル中銀のネト総裁も参加し、議長は前回のインフレ統計とその前のデータについて、「ディスインフレの軌道に戻りつつあることを示唆している」と評価し、「最近見られたようなデータがさらに続くのが望ましい」と述べています。
議長が、インフレが再び鈍化傾向にあるとの見方を示したことで、株式市場では主要3指数が大きく買われ、ナスダックは1万8000ポイント、S&P500は5500ポイントとそれぞれ大台に乗せ、揃って最高値を更新しました。ドル円は東京時間に、前日のNY市場で記録した直近最高値をわずかに更新する161円74銭まで買われましたが、この日のNYでは米長期金利が低下したこともあり、161円台前半まで売られる展開でした。
神田財務官が、学者やエコノミストも含めた自身の私的懇談会での議論を取りまとめて発表しています。内容は、円安が進んでいる為替相場に関してではなく、今後長期金利が一段と上昇する可能性があるとして、「気をつけなければいけないのは、格付けだ」と述べていました。神田氏は、財政危機に直面したギリシャやポルトガルを例に挙げ、「いったん格下げが始まると、ものすごく動きが速い」と指摘しました。財務省は、今後発行する10年物新発債の利札(クーポン)を1.1%まで引き上げることを決めています。クーポンが低すぎると「札割れ」が発生する可能性も想定され、国債の順調な発行に支障が出る恐れがあることから金利を引き上げた模様です。クーポンの引き上げは、国の利払い増加に直結することから、今後さらにクーポン引き上げが必要な状況になれば、神田財務官が指摘したように、財政悪化を理由に「格下げ」のリスクにさらされることになります。仮に格下げとなれば、金利がさらに上昇し、新発債のクーポンもさらに引き上げなければならなくなり、「悪循環」に陥る可能性があります。その結果、「日本売り」が始まり円もさらに売られることになるでしょう。
バイデン大統領の支持率が、先週のテレビ討論会でのパフォーマンスを受けて急落しているようです。民主党の主要スーパー政治活動委員会(PAC)である「フューチャ-・フォワード」の調査部門オープン・ラボが作成したメモによると、1週間としてはここ約3年で「最大の落ち込み」を記録したとあります。これに関連しているかどうかは分かりませんが、民主党のドジェット下院議員は声明で、「バイデン氏は大半の世論調査でトランプ氏にリードされている。討論会がそうした状況を変えるための勢いを与えると私は期待していたが、そうはならなかった。大統領は有権者を安心させるどころか、自らの多くの業績を効果的に擁護することも、トランプ氏による多くのうそを暴くこともできなかった」として、選挙戦から撤退するよう求めています。(ブルームバーグ)バイデン氏の代わり得る人物としては、ブティジェッジ運輸長官、ウイットマー・ミシガン州知事、ニューサム・カリフォルニア州知事、そしてハリス副大統領の名前が挙がっています。
今夜は「ADP雇用者数」など、比較的重要な経済指標が発表されることから、主戦場はやはりNY時間ということになりそうです。本日のドル円は160円80銭~162円30銭程度を予想します。
(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ)(イメージ写真提供:123RF)
ドル円は東京時間に前日のNYでの高値を若干上回る161円74銭まで買われたが、昨日のNYでは小幅に反落。(イメージ写真提供:123RF)
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2024-07-03 10:15