【為替本日の注目点】日銀利上げ検討との報道にドル円152円台に急落

 昨日の東京市場午後には155円21銭近辺まで買われたドル円は急落。「日銀が利上げを検討」と、日経電子版やNHKが報じたことで152円66銭までドル安が進む。ユーロドルは1.08台を割り込む場面があったものの、ドル円に比べ動きが緩慢。株式市場はまちまち。ダウは上昇したが、ナスダックとS&P500は反落。エヌビディア株が下げ止まらずハイテク株全般が売られる。債券は3日続伸。長期金利は4.13%台に低下。金は反発。原油は3日続落。 5月ケース・シラ-住宅価格指数 → 5.94% 5月FHFA住宅価格指数 → 0.0% 6月雇用動態調査(JOLTS)求人件数 → 8184千件 7月コンファレンスボード消費者信頼感指数 → 100.3 ドル/円 152.66~ 155.01 ユーロ/ドル 1.0798 ~ 1.0826 ユーロ/円 165.44 ~ 167.73 NYダウ +203.40 → 40,743.33ドル GOLD +26.40 → 2,451.90ドル WTI -1.08 → 74.73ドル 米10年国債 -0.035 → 4.139% 【本日の注目イベント】 豪 豪6月消費者物価指数 豪 豪6月小売売上高 豪 豪第2四半期消費者物価指数 日 日銀金融政策決定会合 日 植田日銀総裁記者会見 日 6月小売売上高 中 7月中国製造業PMI 中 7月中国サービス業PMI 独 独7月雇用統計 欧 ユーロ圏7月消費者物価指数(速報値) 米 7月ADP雇用者数 米 4-6月雇用コスト指数 米 7月シカゴ購買部協会景気指数 米 FOMC 政策金利発表 米 パウエル議長記者会見 米 企業決算 → ボーイング、メタ、クアルコム  日銀の金融政策を巡りドル円は乱高下しています。昨日の午後にはドル円は155円台に乗せ、一時は155円21銭前後までドル高が進みました。日銀の「利上げ見送り観測」が強まり、債券市場では円の長期金利がおよそ1カ月ぶりに1%の大台を割り込みました。株式市場でも、一時300円を超える下げを見せた日経平均株価も上昇に転じたこともあり「リスク選好」の高まりがドルを押し上げた側面もありました。  ところが、日経電子版やNHKがウェブサイトで「日銀が追加利上げ検討へ、0.25%程度の引き上げ案などを議論」と報じたことで、一気に円買いが強まり、NYの引けにかけては152円66銭までドルが売られました。両メディアが報じたことは、それなりに裏が取れていることとは思いますが、まだ「検討段階」であり、今日の発表を待つしかありません。ただ、152円割れまで売られたドル円は2日かけて3円以上値を戻しましたが、フィボナッチ・リトリースメントでいうところの、「38.2%戻し」である155円76銭には届かずに再び売り優勢の状況になってきました。今日の決定会合で「利上げは見送り」となれば、これはサプライズですが、状況としてはやはり150円割れに向っていると予想しています。注目される国債購入の減額も半分となる「3兆円」との予想が、コンセンサスになってきました。また明日から新しく財務官に就任する三村氏がブルームバーグのインタビューに応じ、「円安はデメリットが目立つ」と述べ、(介入実施の判断は)「複眼的、総合的に考える」と述べるにとどめ、為替の水準や今後の見通しには言及していません。基本的には神田財務官と同じスタンスを継承して行くものと見られます。  報道ではハリス副大統領への支持が相当盛り上がっているようです。最新の世論調査では、ハリス氏の支持率は選挙戦を左右する可能性のあるスウィングステート(激戦州)7州全体で見て48%と、トランプ氏の47%を上回っているようです。選挙戦撤退前の時点では、バイデン大統領はトランプ氏に2ポイントリードされていましたが、調査では逆転しているとのことです。ハリス氏は若年層や黒人、ヒスパニック系の有権者から熱狂的な支持を受け、現在59歳のハリス氏が相手となれば、今度は有権者にトランプ氏の78歳が「年齢のリスク」を意識させてしまうのでしょう。調査ではペンシルベニア州ではトランプ氏50%、ハリス氏46%とトランプ氏がリードしていますが、ミシガン州ではハリス氏50%、トランプ氏42%とハリス氏が大差をつけています。「ほぼトラ」も今では「もしトラ」に戻った印象があります。  6月雇用動態調査(JOLTS)求人件数は市場予想を上回り818万4000件でした。5月の同件数も814万件から823万件に上方修正され、労働市場に見られる最近の傾向とは異なる結果でした。明日朝方のFOMCでの「利下げ見送り」予想に組みするような内容でした。ただパウエル議長が、次回の会合で利下げを行うメッセージを発する可能性があり、市場がそれをどのように捉えるのか読めない部分があります。  本日のドル円は151円~153円50銭程度を予想します。 (執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ)(イメージ写真提供:123RF)
昨日の東京市場午後には155円21銭近辺まで買われたドル円は急落。(イメージ写真提供:123RF)
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2024-07-31 10:15