インフォマートは第1四半期業績を好感して動意、1月高値試す
企業間電子商取引プラットフォームを提供するインフォマート <2492> (東マ)の株価は、4月30日発表の第1四半期(1月~3月)業績を好感して急動意の形となった。短期調整が一巡した形であり、中期成長力を評価して1月高値を試す展開だろう。
フード業界向けプラットフォーム「FOODS info Mart」で、企業間(BtoB)電子商取引の「ASP受発注システム」「ASP規格書システム」「ASP商談システム」「ASP受注・営業システム」「クラウドサービス」を提供している。大手の食材卸売企業や外食チェーンも当システムを利用し、月額のシステム使用料収入が収益柱となるストック型収益モデルだ。
13年12月末時点の「FOODS info Mart」利用企業数(海外事業除く)は、12年12月末比2723社増加して3万4202社(売り手企業が同2482社増加の2万7257社、買い手企業が同241社増加の6945社)で、13年の年間システム取引高合計は12年比16.6%増加の8618億円、外食産業における仕入金額ベースのシェアは12.4%だった。
14年4月8日には、14年3月末現在で「ASP受発注システム」「ASP受注・営業システム」のWebによる発注店舗数が5万15店舗となり、全国約72万の外食店舗におけるシェアが6.5%に拡大したと発表している。電話やFAXからWebに切り替えて発注する店舗が着実に増加しているようだ。当面の目標としてシステム取引高1兆円を掲げ、全国のホテル・給食業界への営業も強化している。
子会社ではインフォライズがクラウドサービス事業、インフォマートインターナショナル(香港)が海外事業を展開している。14年4月には子会社インフォマートインターナショナルが、台湾進出の日系企業向けに台湾版「FOODS info Mart」のサービス提供を本格的に開始した。
アライアンス戦略では13年5月にJFEシステムズ <4832> 、13年6月に東芝テック <6588> 、13年11月に東京システムハウスとデータ連携を開始した。また子会社インフォライズと協同で、14年2月に国内外のフード業界関連企業向け総合マーケティングサービス「BtoB F-Marketing」を開始し、4月30日にはフード業界向け情報発信を目的とする総合ポータルサイト「フーズチャネル」を開設した。
中期成長に向けた戦略としては、次世代「BtoB&クラウド」プラットフォーム提供によるフード業界BtoBの強化に加えて、他業界BtoB展開として美容業界向け「BEAUTY info Mart」や医療業界向け「MEDICAL info Mart」による事業領域拡大も推進している。
4月30日に発表した今期(14年12月期)第1四半期(1月~3月)の連結業績は、売上高が前年同期比15.1%増の11億57百万円、営業利益が同71.3%増の4億23百万円、経常利益が同65.7%増の4億19百万円、純利益が同56.9%増の2億43百万円の大幅増収増益だった。
各システムの利用拡大によってシステム使用料収入が増加し、既存プラットフォームの期間短縮償却が前期末に完了してソフトウェア償却費が減少したことも寄与した。ASP受発注システムの買い手新規稼動が計画を上回って推移し、第1四半期末時点の利用企業数は前期末比628社増加の3万4830社(売り手企業が同515社増加の2万7772社、買い手企業が同113社増加の7058社)(全ID数は16万1829ID)となった。アライアンスパートナーからの紹介による新規稼動数も増加傾向を強めているようだ。
通期の見通しは前回予想(2月14日公表)を据え置いて、売上高が前期比20.1%増の52億12百万円、営業利益が同85.9%増の20億35百万円、経常利益が同83.0%増の20億26百万円、純利益が同92.4%増の12億14百万円、利用企業数が同3890社増加の3万8092社としている。
ASP受発注システムなど各システムの利用数増加に伴ってシステム使用料収入は増加基調である。さらにソフトウェア償却費減少も寄与する。人件費増加などを吸収して大幅増収増益見込みだ。増収効果でASP受注・営業システムとクラウドサービスも黒字化するようだ。
株価の動きを見ると、地合い悪化の影響で1月高値2000円から2月安値1360円まで調整する場面があり、さらに4月3日の戻り高値1990円から反落し、足元は概ね1500円~1600円近辺でモミ合う展開だった。しかし4月30日発表の第1四半期業績を好感して、5月1日は前日比160円(9.95%)高の1768円まで急伸した。
5月1日の終値1768円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS38円76銭で算出)は46倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間19円38銭で算出)は1.1%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS110円28銭で算出)は16倍近辺である。日足チャートで見ると25日移動平均線を一気に突破した。また週足チャートで見ると26週移動平均線がサポートラインとなって下値を切り上げている。強基調に回帰して1月高値2000円を試す展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
企業間電子商取引プラットフォームを提供するインフォマート<2492>(東マ)の株価は、4月30日発表の第1四半期(1月~3月)業績を好感して急動意の形となった。
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2014-05-02 07:30