【為替本日の注目点】イランがイスラエルを攻撃

 中東情勢の悪化を受け、ドル円は反落。東京時間には144円53銭まで反発したドル円は、イランがイスラエルを攻撃したことでリスク回避の円買いが進む。ユーロドルは9月の域内のCPIが1.8%と、ECBの目標値である2%を下回ったことで軟調な展開。1.1047まで下落。中東情勢の悪化から株式市場では3指数が下落。安全資産の債券は買われ、長期金利は3.73%台に低下。中東情勢の悪化に、金と原油は買われる。 9月S&Pグローバル製造業PMI(改定値) → 47.3 9月ISM製造業景況指数 → 47.2 8月雇用動態調査(JOLTS)求人件数 → 804万件 9月自動車販売台数 → 1577万台 ドル/円 142.96 ~ 144.07 ユーロ/ドル 1.1047 ~ 1.1088 ユーロ/円 158.34 ~ 159.63 NYダウ -173.18 → 42,156.97 GOLD +30.90 → 2,690.30ドル WTI +1.66 → 69.83ドル 米10年国債 -0.049 → 3.732% 【本日の注目イベント】 日 植田日銀総裁、全国証券大会で挨拶 欧 ユーロ圏8月失業率 米 9月ADP雇用者数 米 メスター・クリーブランド連銀総裁、フォーラム冒頭で挨拶 米 ムサレム・セントルイス連銀総裁、会議冒頭で挨拶 米 ボウマン・FRB理事講演 米 バーキン・リッチモンド連銀総裁講演  イスラエルに向けてイランが100発以上のミサイルを発射したと、イスラエル軍が発表しました。イスラエル軍がレバノン南部で地上攻撃を開始したこともあり、イランはついにイスラエルへの直接攻撃を実行しました。ミサイルの多くは迎撃されましたが、南部と中部ではいくつかが着弾した模様です。イスラエルがパレスチナ自治区のハマスに加えて、イランとの関係が深い民兵組織ヒズボラへの空爆を強めたことで、イランも攻撃に踏み切ったようですが、懸念される「第5次中東戦争」に拡大する可能性が高まってきました。米国はいち早くこの動きを察知しており、在イスラエル米国大使館は政府職員とその家族に対し、屋内での退避を勧告していました。イランの参戦で中東情勢がさらに悪化するとの見方から、安全資産の米国債と金が買われ、一応、円がリスク回避通貨と見なされ買われています。  8月の米求人件数(JOLTS)は「804万件」と増加し、3カ月ぶりの高水準となり、労働需給の減速を示す他の指標とは異なる結果でした。建設業で2009年以来最大の伸びを示し、レイオフ率も1%と低い水準が続き、自発的離職者の割合である「離職率」も1.9%に低下して、2020年6月以来となる低水準でした。また7月のJOLTSも「767.3万件」から「771.1万件」に上方修正されています。求人件数の上振れで、労働市場の減速懸念がやや後退しましたが、単月のことであり、この傾向が続くかどうかはまだ不透明です。今夜の「ADP雇用者数」に続き、週末には「雇用統計」も発表されます。  10月に入りました。ようやく涼しくなったのは有難いですが、今月はまたまた値上げラッシュです。帝国データバンクが今週月曜日に発表した資料によると、10月からの値上げ品目は「2911」にのぼるそうです。酒類・飲料や加工食品など大規模な値上げがあり、4月の「2897」品目を上回って、「今年最大の値上げラッシュ」だとか。今年の春闘も5%ほどの賃上げがありましたが、実際の物価はそれ以上に値上りしており、実質的には生活が苦しくなっているのが実態です。結局、蓄えを崩して賄うか、生活レベルを下げるしかありません。なにしろ、賃金の上昇率は5~6%ですが、物価の上昇率は一桁違います。  石破内閣が発足し、昨日は記者会見がありました。NHKの放送を見ていましたが、「石破氏は総裁候補の時と、首相就任時とでは人が変わった」といった質問が多く上がりました。質問には丁寧に答える姿勢は評価できましたが、「裏金議員問題」などでは、真正面から答えていない印象でした。金融政策を巡る日銀への姿勢については、「緊密な連携の下、金融緩和の基本的な基調は維持されるべく、期待しながら見守っていく」と、これまで通り、日銀の独立性を維持して行く姿勢を見せていました。  ドル円は、一日の値幅は大きいものの一進一退の動きが続いています。FRBの利下げ幅がどのようになるのかが、その水準を決めることになりますが、上述のように労働市場の動向も一定ではありません。シカゴ先物市場での「円買いポジション」も9月24日時点では6万6千枚と、かなり積み上がっており、直近最大であった2021年1月の5万枚を大きく超えています。今後さらに「円買いドル売り」を増やせるのかといった見方もあります。その意味でも今週の雇用に関する指標は、極めて重要になりそうです。  本日のドル円は142円70銭~144円50銭程度を予想します。 (執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ)(イメージ写真提供:123RF)
中東情勢の悪化を受け、ドル円は反落。(イメージ写真提供:123RF)
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2024-10-02 10:15