【為替本日の注目点】ドル円雲抜け達成か?

 ドル円は続伸。東京時間に151円台に乗せた後、一旦は売られたが、NYでは米金利が上昇したことで再び買われ、151円20銭と、およそ3カ月ぶりのドル高水準に。ドル高の流れにユーロは売られ、ユーロドルは1.0793近辺まで下落。株式市場では3指数がほぼ動きはなく、ダウとS&P500は小幅安。ナスダックは小幅高。債券は続落。長期金利は4.2%台に乗せる。金は6日続伸し、原油も続伸。 10月リッチモンド連銀製造業景況指数   → -14 ドル/円  150.61 ~ 151.20 ユーロ/ドル 1.0793 ~ 1.0821 ユーロ/円  162.77 ~ 163.45 NYダウ  -6.71 → 42,924.89 GOLD  +20.90 → 2,759.80ドル WTI  +1.53 → 72.09ドル 米10年国債  +0.012 → 4.208%  【本日の注目イベント】 欧 ユーロ圏10月消費者信頼感指数(速報値) 欧 ラガルド・ECB総裁講演 英 ベイリー・BOE総裁講演 米 9月中古住宅販売件数 米 ベージュブック(地区連銀経済報告) 米 G20財務相・中央銀行総裁会議(24日まで、ワシントン) 米 ボウマン・FRB理事、会議で開会挨拶 米 企業決算 → ボーイング、AT&T、IBM、テスラ  ドル円は昨日の東京時間、日経平均株価が大きく売られているにもかかわらず続伸し、151円10銭近辺まで買われました。その後は150円台に押し戻されましたがNYでは再び買われ、151円20銭までドル高が進みました。米長期金利が7月25日以来となる4.2%台まで上昇したことがドル買いにつながっています。米10年債が売られ金利が上昇しているのは、FRBが利下げを急がないとの見方から、一部には11月の会合では政策金利据え置きを予想している向きもあります。また、11月5日の米大統領選ではトランプ氏勝利を予想する声も増えており、その場合にはよりインフレが進むと見込まれていることも債券売りにつながっているようです。ドル円が151円20銭まで買われたことで、注目の一目均衡表ではローソク足が「雲を上抜け」しています。まだ明確とは言えませんが、ドルがこのまま一直線に買われることはないとしても、「140円割れは大底を付けた可能性が高い」と考えます。米国のインフレが低下傾向であることも間違いないと思われることから、ドルがここから大きく上昇しないまでも、売られにくくなっていると思われます。  G20に出席するため米国を訪れているECBのラガルド総裁はブルームバーグとのインタビューで、トランプ氏に対し、パウエル議長の仕事がいかに大変か理解するためフランクフルトを訪問すべきだと提案しました。トランプ氏はこれまで繰り返しパウエル議長を批判してきました。ラガルド氏は、「トランプ氏はわれわれを訪問すべきだ。私は経済学者や法律家、コンピューターサイエンティストなど、数千もの勤勉な人々を擁している。彼らは毎日とても懸命に働いている。彼らは非常に誠実で、正しい金融政策を実施し、共通の通貨を守るため、全力を尽くすことを決意している。われわれはユーロを守り、ユーロのために闘っている。FRBがドルを守るのと同じだ。パウエル氏を代弁するつもりはないが、パウエル氏も自分の仕事をそう考えているはずだ」と話しています。またイエレン財務長官は、「トランプ氏は関税を経済政策の有力な手段として主張しており、ホワイトハウスに復帰すれば広範な保護主義的措置を講じると公約している。米政府のリーダーシップは世界経済を支え、米国民に利益をもたらす」と暗にトランプ氏を批判していました。  サンフランシスコ連銀のデーリー総裁は21日の講演で、「これまでのところ、われわれが利下げを続けないことを示唆する情報は見当たらない」と述べ、その上で、「インフレ率が既に2%に向かいつつある経済にとって、極めて引き締め的な金利となっており、労働市場のさらなる悪化を私は望まない」と、緩やかな利下げを支持するとした他のFOMCメンバーよりもハト派寄りの発言を行いました。デーリー総裁は今後の利下げペースについては言及せず、「われわれは現在の経済情勢と変化しつつある状況に適合するよう、政策を調整し続けていく」と述べるにとどめていました。  IMFは最新の「世界経済見通し」を発表し、2024年度の世界経済の成長率を「2.4%」と据え置き、25年度を、戦争や貿易保護主義などによるリスクが高まっていることを踏まえて、「2.2%」と、7月の公表時から「0.3%」引き下げました。米国については消費の伸びを理由に、今年の成長見通しを「2.8%」と予測し、来年の見通しを「2.2%」と、いずれも7月公表時よりも上方修正しています。また日本は今年が「0.3%」と、「0.7%」から引き下げられ、来年は「1.1%」と予想されています。中国については今年も来年も「5.0%」を下回る、「4.8%」と「4.5%」でした。  151円台まで円安が進んだことで、本日は三村財務官のけん制発言が出るかもしれません。また達成感も出そうで、一本調子のドル高に警戒感が必要かもしれません。  本日のドル円は150円30銭~151円80銭程度を予想します。 (執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ)(イメージ写真提供:123RF)
ドル円は続伸。東京時間に151円台に乗せた後、一旦は売られたが、NYでは米金利が上昇したことで再び買われ、151円20銭と、およそ3カ月ぶりのドル高水準に。(イメージ写真提供:123RF)
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2024-10-23 11:30