【為替本日の注目点】ドル円151円台に反落

 ドル円は反落。米長期金利の上昇が一服したことでドル売りが優勢となり、ドル円は151円56銭まで売られる。ユーロドルは小幅に反発し、1.0830まで上昇。株式市場ではダウが続落したが、他の2指数は上昇。ナスダックはテスラが22%上昇したことで138ポイント上昇。債券は4日ぶりに反発。長期金利は4.21%台に低下。金は反発し、原油は続落。 10月S&Pグローバル製造業PMI(速報値) → 47.8 10月S&Pグローバルサービス業PMI(速報値) → 55.3 10月S&Pグローバル総合業PMI(速報値) → 54.3 新規失業保険申請件数 → 18.9万件 9月新築住宅販売件数 → 73.8万件 ドル/円 151.56 ~ 152.34 ユーロ/ドル 1.0789 ~ 1.0830 ユーロ/円 163.88 ~ 164.49 NYダウ -140.59 → 42,374.36 GOLD +19.50 → 2,748.90ドル WTI -0.58 → 70.19ドル 米10年国債 -0.034 → 4.212%  【本日の注目イベント】 日 10月東京都区部消費者物価指数 日 8月景気先行指数(CI)(改定値) 日 8月景気一致指数(CI)(改定値) 独 独10月GFK消費者信頼調査 独 独10月ifo景況感指数 米 9月耐久財受注 米 10月ミシガン大学消費者マインド(確定値) 加 カナダ8月小売売上高  前日のNYで153円19銭まで買われたドル円は上昇が一服。大きく売られていた米10年債が買い戻され金利が低下したことや、利益確定の売りがドルの上値を抑えた格好でした。  G20でワシントンを訪れていた植田日銀総裁は会合を終え、加藤財務大臣と共同記者会見に臨みました。総裁は金融政策の判断については、時間的な余裕があると、従来の認識を示しながらも、「円安だけでなく、米国経済も含めて全体を見る必要がある。政策判断については、時間的な余裕があり、利上げ全体を時間的にどのように配分するのか、『四六時中寝る間を惜しんで』熟考している」と述べていました。また加藤財務相は、足元の為替を含めた金融市場は変動が高いと指摘しながら、「為替での過度な変動に注意を払う必要がある」と、一般的な認識を示すにとどまっていました。このままドル円が再び160円を目指して上昇する可能性はそれほど高くはないと思われますが一方で、米経済の強さは想定以上のものがあり、資産効果を背景に個人消費も堅調です。その延長として労働力の確保も必要なことから、労働市場に対する見方もここ1カ月ほどで大きく上方修正されてきました。労働市場に対する市場の見方が正しいのかどうかは、1週間後の「雇用統計」で示されることになります。11月会合でFRBが「25bpの追加利下げ」を決めるのか、あるいは急速に盛り上がって来ている「据え置き」になるのかのカギは「雇用統計」にあると考えています。  今朝の経済紙一面トップでは「自公過半数巡り攻防」との見出しで、衆院選終盤の情勢を報じています。それによると、自公が勝敗ラインとする過半数の議席確保は現時点では不透明で、与野党の攻防が激しいとの見立てです。政党別では自民と公明が議席を減らす公算が高く、立憲を中心とした野党が議席を増やすと予想されています。ただ、多くの選挙区では接戦が続いており、残りの数日でどのようにころぶのか予想も難しい状況のようです。自公過半数割れの可能性があることから、ここ10日ほどの日本株の動きは精彩を欠いており、米国株から大きく水を開けられています。本来足元の動きの様に円安が進めば、日経平均株価にも好影響を与えますが、政治的混乱もあるとの見立てが重石になっています。  仮に自公で過半数を割り込む結果となれば、政権与党は政権維持のため、政策が比較的近い維新や国民民主党を取り込み、政権維持を目指す可能性も出て来そうです。そして、石破総裁では来年夏の参院選には勝てないとし、早期に新総裁擁立を図ります。そうなると、現時点で最も可能性が高いのが高市氏ということになります。言うまでもなく、高市氏は「利上げはあほや」と発言し、利上げには否定的です。日銀に対する目に見えない圧力も増し、明らかに「ドル高・円安要因」となります。来週月曜日には衆院選の趨勢が決まっており、週明け東京の金融市場は為替も株も大きく動くかもしれません。  本日のドル円は151円~152円50銭程度を予想します。 (執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ)(イメージ写真提供:123RF)
ドル円は反落。(イメージ写真提供:123RF)
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2024-10-25 10:30