【為替本日の注目点】米長期金利一時4.3%台に乗せる

 ドル円は昨日の東京時間に、想定外の日本株上昇に引っ張られ153円88銭前後まで上昇。NYでは米金利が上昇したものの欧州市場の流れを受けドルの上値が重く、152円41銭まで下落。ユーロドルは反発し1.08台を回復。株式市場では3指数が揃って上昇。ナスダックは48ポイント高と、高値圏で推移。本日から始まる米ハイテク株の決算発表が注目される。債券は続落。長期金利は一時4.3%台に乗せ、4.28%台で引ける。金は小幅ながら3日続伸。原油は4ドルを超える大幅下落。イスラエルのイランへの攻撃が石油関連施設を避けていたことが材料に。 ドル/円 152.41 ~ 153.37 ユーロ/ドル 1.0810 ~ 1.0828 ユーロ/円 164.97 ~ 165.84 NYダウ +273.17 → 42,387.57 GOLD +1.30 → 2,755.90ドル WTI -4.40 → 67.38ドル 米10年国債 +0.042 → 4.284%  【本日の注目イベント】 日 9月失業率 独 独11月GFK消費者信頼調査 英 英9月消費者信用残高 米 8月ケース・シラ-住宅価格指数 米 8月FHFA住宅価格指数 米 9月雇用動態調査(JOLTS)求人件数 米 10月コンファレンスボード消費者信頼感指数 米 企業決算 → ファイザー、マクドナルド、ペイパル、ビザ、アルファベット、  日曜日の衆院選の結果を受けた昨日の日経平均株価の動きは想定外でした。多くの株式関係者は、政治的混乱が続くことから大幅な下落を予想していましたが、一時は先週末比800円を超える上昇を見せました。「空売りを仕掛けていた投機筋の買い戻しに加え、石破政権が財政支出や減税に前向きな一部野党と連携して政策を進めるといった楽観論が意外高を生んだ」と、今朝の経済紙は説明していました。  株価の大幅高に「リスクオン」の流れが強まり、ドル円は大きく上昇。一時は153円88銭前後まで買われ、154円に迫る勢いでした。先週記録した153円19銭の直近高値を大きく抜けたことで、「週足」でもローソク足が「雲抜け」を見せています。「MACD」では、まだ「マックDライン」と「シグナルライン」は、マイナス圏にとどまっていますが、「ヒストグラム」はすでに下方から転換し、上方に伸びているのが確認できます。このように、少なくともテクニカルではドル上昇以外のサインは見られません。ただ一方で、この先も重要イベントが目白押しです。日本の衆院選は通過しましたが、上にもあるように、議席を大きく減らした自公は、維新か国民民主党の一部を取り込み政権維持を図る構えで、この動向にも目を配らなければなりません。そもそも石破氏が続投出来るのかどうかも問われそうです。  31日には日銀金融政策決定会合が控えています。ここでの追加利上げは、政局の混乱を考えればまず「ない」と思われます。また週末には、「10月の米雇用統計」が発表されます。今回の予想は、非農業者部門雇用者数は「11万人の増加」と予想されていますが、先月のようなサプライズがあれば、来週のFOMCでは「利下げ見送り」の可能性も大きく浮上して来ます。筆者は、今回の会合で25bpの利下げを予想していますが、余程のサプライズがない限り50bpは有り得ず、現時点では「25bpか、据え置きか」というところかと思います。もっともその前に、5日には大イベントである「米大統領選」があります。今回はこれまで以上に接戦であるため、最後までどちらが勝利するのか分からない可能性があります。2016年にトランプ氏が勝利した時ほど為替が大きく動くことはないとしても、かなりの値動きはありそうで、こちらも目が離せません。  このように、この先も多くの不確実性が存在しており、ドル上昇傾向は続くと見られますが予断は許さない状況です。本日も、「9月雇用動態調査(JOLTS)求人件数」と、「10月コンファレンスボード消費者信頼感指数」といった比較的重要な指標発表があります。特に今回は800万件と予想されている「JOLTS」が、上振れるようだと労働市場が堅調だと見込まれ、週末の雇用統計の期待値も上がる可能性があります。まだまだラリーは続きそうです。  本日のドル円は152円50銭~154円程度と予想します。 (執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ)(イメージ写真提供:123RF)
ドル円は昨日の東京時間に、想定外の日本株上昇に引っ張られ153円88銭前後まで上昇。(イメージ写真提供:123RF)
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2024-10-29 10:30