米国株式の上昇で外国株式インデックスファンドの人気が盛り上がる=DC専用ファンド(2024年10月)

 DC専用ファンドの2024年10月の純資金流出入額(速報値)は約522億円の資金流入超過になった。資金流入超過は2020年12月以降47カ月連続、流入額の規模は前月(約776億円)から減少した。流入額のトップは「先進国株式」で流入額は約338億円だった。前月の334億円と同等の流入があった。次いで「バランス」の約183憶円だった。「国内株式」は、約115億円の資金流出に転じた。資金流出は4カ月ぶりだが、流出金額が100億円を超えるのは、2020年11月(168億円の資金流出)以来、約4年ぶりのことになる。  DC専用ファンド全体の純資産総額は約14兆1784億円と前月から約5686億円増加した。純資産総額は4カ月ぶりに史上最高を更新した。残高の内訳は、株式ファンド56%、債券ファンド11%、バランスファンド31%という割合で、前月と比較して株式ファンドの比率が1%ポイント高くなり、債券ファンドの比率が1%ポイント低くなった。 (※個別のDC規約では、DC専用ファンド以外のファンドを制度に採用している場合があるため、DC専用ファンド全体の純資産総額は、国内DC制度全体で運用されているファンドの残高とは一致しない)  ■資金流入額のトップは「野村 外国株式インデックスF(確定拠出年金)」  DC専用ファンドの過去1カ月間の純資金流入額ランキングのトップは前月に続いて「野村 外国株式インデックスファンド・MSCI-KOKUSAI(確定拠出年金向け)」だった。第2位には「野村DC外国株式インデックスファンド・MSCI」、第3位に「One DC米国株式(S&P500)インデックスファンド」が入るなど、先進国株式、また、米国株式のインデックスファンドがトップ10のうち8本を占めた。  8月は国内株式インデックスファンドが資金流入額のトップ10に7本も入っていたが、その状況が海外株式インデックスファンドにすっかり置き換わった。これは、米国の主要インデックスが10月初旬から中旬にかけて史上最高値を連続して更新する上昇相場にあったことが大きいだろう。先進国株式インデックスファンド(MSCIコクサイインデックス連動型)でも、米国株式への投資比率は75%程度に達しているため、米国株式の影響は大きい。 ■トータルリターン1位は前月同様「大塚グループ株式F(確定拠出年金向け)」  個別ファンドの過去1年間のトータルリターンランキングトップは、3カ月連続で「大塚グループ株式ファンド(確定拠出年金)」になった。第2位以下も前月と同じ「DC次世代通信関連 世界株式戦略ファンド」、「<DC>ベイリー・ギフォード世界長期成長株F」、「野村DC世界株式トレンドファンド」、「フィデリティ・海外株式・ファンド(DC)」の順で変わらなかった。7位以下に米「S&P500」に連動するインデックスファンドが入った。 ◆iDeCoの新規加入者数は6カ月連続でマイナス成長  国民年金基金連合会が11月1日に発表したiDeCo(イデコ、個人型確定拠出年金)の業務状況によると2024年9月の新規加入者数は2万6326人で前年同月比25.4減、加入者総数は344万3460人になった。新規加入者数は4月以来6カ月連続で前年同月比マイナスになり、2万6000人台という新規加入者はコロナ・ショック直後の2020年5月(2万1556人)以来の低水準。なお、従業員のiDeCoに企業が上乗せ拠出をするiDeCo+(イデコプラス:中小事業主掛金納付制度)は、実施事業所数は8242業所、対象従業員数は5万2426人になった。  9月の新規加入者の内訳は、第1号加入者は3884人(前月4258人)と前年同月比14.2%減、第2号加入者は2万1042人(前月2万4374人)と同26.8%減、第3号加入者は1039人(前月1130人)と同38.5%減になった。第2号加入者の中で、「企業年金なし」の新規加入者が1万2742人(前月1万4289人)。「企業年金あり」が4307人(前月5469人)。共済組合員(公務員)の新規加入者は3993人(前月4616人)となった。
DC専用ファンドの2024年10月の純資金流出入額(速報値)は約522億円の資金流入超過になった。
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2024-11-13 14:30