【為替本日の注目点】金8日ぶりに反発

 ドル円はアジア市場の流れを受け155円36銭まで上昇したがその後は反落。前日の水準である154円台半ばで戻って来る。ユーロドルは1.05台半ばから反発。1.0607近辺まで買われる。株式市場はまちまち。ダウは続落したものの、ナスダックとS&P500は買われる。トランプ次期政権が自動運転の規制緩和に動くとの期待からテスラ株は8%高と、ナスダック指数をけん引。債券は買われ、長期金利は4.41%台に低下。金は7日ぶりに大幅上昇。原油も買われ2ドルを超える上昇。 11月NAHB住宅市場指数 → 46 ドル/円 154.58 ~ 155.36 ユーロ/ドル 1.0546 ~ 1.0607 ユーロ/円 163.41 ~ 163.88 NYダウ -55.39 → 43,389.60 GOLD +44.50 → 2,614.60ドル WTI +2.14 → 69.16ドル 米10年国債 -0.028 → 4.412% 【本日の注目イベント】 豪 RBA、金融政策会合議事要旨公表 欧 ユーロ圏9月経常収支 欧 ユーロ圏10月消費者物価指数(改定値) 米 10月住宅着工件数 米 10月建設許可件数 加 カナダ10月消費者物価指数 伯 石破首相がG20終了後に内外記者会見  植田日銀総裁は昨日名古屋市で講演を行い、注目された追加利上げの時期については具体的な言及はありませんでした。総裁は、「経済や物価の改善に併せて緩和度合いを少しずつ調整していくことが成長を支え、物価安定の目標を持続的・安定的に実現していくことに資する」と指摘し、そのタイミングについては、「先行きの経済・物価・金融情勢次第」とし、「毎回の会合で利用可能なデータや情報などから、経済・物価の現状評価や見通しをアップデートしながら政策判断を行っていく」と述べました。利上げ時期については特段言及がなかったことで、ドル円は154円台後半まで買われました。筆者は昨日のコメントで、「発言があるとすれば、円高方向しか考えられない」と記しましたが、予想外にタカ派的だったというより、市場は何らかの発言を期待していたため、「言及がない=ドル買い円売り」で反応したようです。この動きはNY市場にも影響し、NYでドル円は再び155円台前半まで買われる場面もありました。ただ米金利が低下したこともあり、結局ドル円は、昨日の東京市場と同水準で戻ってきています。  トランプ次期政権が近づくにつれ、ウクライナ情勢にも変化が出てきました。ロシアによる侵攻から1000日近く抵抗してきた欧州の支援国は、戦争終結に向け、プーチン氏を交渉のテーブルに着かせる新たな方法を検討するようウクライナのゼレンスキー大統領に迫っているようです。ドイツのショルツ首相は、戦争の早期終結を公約に掲げているトランプ次期大統領と15日に電話会談を行い、さらにフランスのマクロン大統領も、適切な時期にトランプ氏と話す意向を示しています。独仏トップの認識では、ウクライナもロシアも「決定的な勝利」を確実にできない状況の中、ゼレンスキー氏はプーチン氏と妥協せざるを得ないとの考えが強まっているようです。バイデン政権は、ウクライナに米国製の長距離射程兵器を使ったロシア領内への攻撃を容認する方針を示しています。米メディアによると、バイデン大統領は射程距離300㎞の米国製地対空ミサイル「ATACMS」と見られる兵器の使用を許可したとされています。これまで使われてきた高機動ロケット砲「ハイマース」の射程距離は80㎞ほどとされており、これでロシア国内の兵器基地を攻撃し、停戦協議がウクライナ有利の方向に持って行こうとする意図のようです。トランプ次期政権が始動すれば、戦争の終結を迫られる可能性があり、「戦争終結はウクライナの敗北を意味する」とゼレンスキー氏は語っています。バイデン政権が存在するうちにウクライナに有利に働くよう画策されています。ロシアのペスコフ大統領報道官は18日、長距離兵器による攻撃容認を「新たな緊張につながる」と批判しています。  ブラジルのリオデジャネイロで開催されている「G20首脳会議」では、地球温暖化や、保護貿易問題などが話し合われている模様ですが、首脳宣言の案が明らかになっています。それによると、「地球規模の課題の根底には不平等がある。世界は社会的公正で環境的にも持続可能な対策を必要としている。われわれはあらゆる次元の不平等の解消に取り組む」と明記されるとのことです。中国の習近平国家主席は「普遍的な利益をもたらす経済のグローバル化を推進する必要がある」と、会談で発言していましたがこれは、トランプ次期政権が公約で掲げる「中国製品への60%の関税賦課」をけん制した発言と受け止めてられています。  本日のドル円は153円80銭~155円30銭程度を予想します。 (執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ)(イメージ写真提供:123RF)
ドル円はアジア市場の流れを受け155円36銭まで上昇したがその後は反落。(イメージ写真提供:123RF)
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2024-11-19 10:30