【為替本日の注目点】ドル円小反発

 ドル円は東京時間朝方には150円台後半を付ける場面もあったが、その後はジリ高に。日経平均株価がプラスに転じたこともあり、欧州では151円95銭まで反発。ユーロドルは1.05台半ば近辺でもみ合い。ドイツの11月CPIは「2.4%」と、市場予想を下回り、追加利下げ観測が一段と高まる。 ドル/円 151.39~ 151.95 ユーロ/ドル 1.0528 ~ 1.0557 ユーロ/円 159.56 ~ 160.34 NYダウ → 44,722.06 GOLD → 2,664.80ドル WTI → 68.72ドル 米10年国債 → 4.260% 【本日の注目イベント】 日 10月失業率 日 11月東京都区部消費者物価指数 日 10月鉱工業生産 独 独11月雇用統計 欧 ユーロ圏11月消費者物価指数(速報値) 英 英10月消費者信用残高 米 株式・債券市場、短縮取引 米 11月シカゴ購買部協会景気指数 米 ブラックフライデー 加 カナダ7-9月期GDP  前日27日(水)のNYで、ドル円が150円45銭まで急落した流れを受け、昨日の東京時間朝方でも150円台後半までドルが売られましたが、その後はジリ高に転じています。NY市場が感謝祭のため休場となり、商いも低調な中、欧州市場午後には151円95銭までドルが買い戻されています。ただ、ユーロ円ではドル円が円安に進んだ割には戻りは限定的でした。追加利下げの可能性が高まるユーロの上値は重い展開でした。  ドイツの「11月の消費者物価指数(CPI)」は速報値で「2.4%」と、市場予想の「2.6%」を下回る結果でした。ドイツ連邦統計局は、「食品価格の軟化がエネルギー価格のベース効果による上昇分を相殺したことが、予想を下回る低さにつながった可能性がある」とのコメントを発表していました。域内では依然としてスペインなどで物価上昇が続いていますが、12月12日(木)に開催されるECB政策委員会会合では、10月会合での利下げに続き25bpの追加利下げを行うとの見方が強まっています。仮に追加利下げに踏み切れば、「3会合連続の利下げ」ということになります。追加利下げ観測が強まっている上に、欧州ではドイツを中心に景気低迷が続いており、フランス中銀のビルロワドガロー総裁は、パリでの講演で、「近い将来、インフレ率2%を維持できることに加え、今なお欧州の成長見通しが低迷していることから、金融政策を景気抑制的で据え置く理由は私には見当たらない」と述べ、「ECBは景気をこれ以上締め付ける必要はなく、むしろ経済成長を促す水準まで金利を引き下げる必要がある」と語っています。  ユーロドルは先週22日に急落し、1.0334近辺でまで売られましたが、その後ドル安が進んだことで1.05台まで反発してはいますが、今後もドル安が一段と大幅に進まない限り、ユーロの戻りは限定的と予想しています。また、対円でも緩やかな下落基調に戻る公算が高いとみています。  ロシアのプーチン大統領は28日、カザフスタンで開かれた「集団安全保障条約機構」の会合で、「国防省と参謀本部がウクライナ領内の攻撃目標を選定している」と述べ、「標的は軍事施設や防衛産業企業、あるいはキーウの意志決定の中枢の可能性がある」と続けました。またウクライナが最近、米国製地対空ミサイル「ATACMS」や英国製長距離ミサイル「ストームシャドー」でロシアを攻撃していることに対して、「ロシアの弾道ミサイル『オレシュニク』を大量に使用した場合は、核兵器の威力に匹敵する可能性がある。われわれは、今も続く欧米製の長距離ミサイルによるロシア領内への攻撃に対応する。それには戦闘状況下での『オレシュニク』の試験を継続する可能性も含まれる」と発言しており、改めて報復攻撃の可能性に言及しています。  本日はNY市場が戻ってきますが、債券と株式市場が短縮取引のため、特別な材料が出てこない限り大きな動きは想定されません。150円台半ばまでドル安が進んだ後ややドルが買い戻されていますが、勝負は来週ということになります。来週は週末に雇用統計がある他、4日(水)にはパウエル議長がNYタイムズ紙主催の「ディールブック・サミット」の討論会で発言する予定です。「引き続き緩やかな利下げが適切」との発言を想定していますが、どうでしょう。  本日のドル円は150円50銭~152円程度を予想します。 (執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ)(イメージ写真提供:123RF)
ドル円は東京時間朝方には150円台後半を付ける場面もあったが、その後はジリ高に。(イメージ写真提供:123RF)
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2024-11-29 10:45