【為替本日の注目点】ドル円、150円を挟みもみ合い

 ドル円は経済指標の発表を受け150円70銭まで買われたが続かず。今夜の「雇用統計」を控え取引が低調になる中150円割れまで下落。ユーロドルは小幅に反発し、1.0589まで上昇。株式市場は「雇用統計」を前に利益確定の売りが出、3指数が揃って反落。ナスダックとS&P500は小幅安にとどまる。債券は小幅に買われ、長期金利はほぼ横ばいの4.17%台で推移。金は反落。原油はOPECとOPECプラスが生産引き上げ開始を3カ月先送りしたことで小幅安。 新規失業保険申請件数 → 22.4万件 10月貿易収支 → -73.8b ドル/円 149.94~ 150.70 ユーロ/ドル 1.0533 ~ 1.0589 ユーロ/円 158.26 ~ 159.39 NYダウ -248.33 → 44,765.71 GOLD -27.80 → 2,648.40ドル WTI -0.24 → 68.30ドル 米10年国債 -0.004 → 4.178% 【本日の注目イベント】 日 10月景気先行指数(CI)(速報値) 日 10月景気一致指数(CI)(速報値) 独 独10月貿易収支 独 独10月鉱工業生産 欧 ユーロ圏7-9月期GDP(確定値) 米 11月雇用統計 米 12月ミシガン大学消費者マインド(速報値) 米 10月消費者信用残高 米 ボウマン・FRB理事講演 米 メスター・クリーブランド連銀総裁講演 米 グールズビー・シカゴ連銀総裁、討論会に参加 米 デーリー・サンフランシスコ連銀総裁、討論会で発言  今年最後の会合が迫る中、追加利下げの有無を判断する上で重要な「11月の雇用統計」の発表を翌日に控えていることで、方向性の定まらない神経質な値動きに終始しました。ドル円は結局150円を挟みもみ合い。NY株は、今週上げ足を早め最高値を何度も更新したこともあり利益確定の売りに押され、債券はほぼ横ばい。金は下げて取引を終えています。  中村日銀審議委員は5日午前広島市で講演を行い、「私としては、まだ賃上げの持続性に自信が持てない」と述べ、その上で「金融政策はまだ多くのデータを確認し、経済の回復状況に応じて金融緩和の度合いを慎重に調節していくことが重要な局面だ」と述べていました。中村氏は決定会合のメンバーの中では「ハト派」と見られていますが、事前予想通り追加利上げには慎重な姿勢を見せていました。ただ午後の記者会見では、「金融政策はデータに基づいて判断すべきであり、利上げに反対しているわけではない」とも述べていました。講演での発言を受け、ドル円はやや買われましたが、大きな動きにはつながっていません。一部通信社が、日銀内部では円安などによる消費者物価上昇の大きなリスクがない限り、早期の利上げは避けるべきだとの見方があると報じていましたが、筆者が懇意にしている日銀記者クラブ所属の記者も、同様な意見もあったとツイートしていました。噂の域を出ず、公式な見解ではないため何とも言えませんが、敢えてそのような見方をリークした可能性もあり、追加利上げに関しては依然として不確実な状況です。  フランス国民議会(下院)が4日、バルニエ首相率いる内閣への不信任決議案を賛成多数で可決したことを受けて、マクロン大統領の去就が注目されていましたが、マクロン氏は5日、2027年5月までの任期終了まで職務を全うし、辞任の意志がないことを表明しました。また、数日中に新しい首相を任命するとしていますが、バルニル氏同様、政治的混迷は避けられないと見られています。フランス下院では、マクロン氏を支持する中道派、左派連合、そしてマリーヌ・ルペン氏率いる極右政党・国民連合(RN)の三つのグループに分かれており、RNが最大政党になっています。  トランプ次期大統領は、貿易や製造業を担当する上級顧問にピーター・ナバロ氏を起用すると発表しました。ナバロ氏は第一次トランプ政権で国家通商会議(NTC)委員長を務めており、再びナバロ氏を同じ要職に登用しました。トランプ氏は、「私の第一期目において、米国製品の購入と米国人の雇用という2つの神聖なルールを実行する上で、ピーター程有能で粘り強い人物はほとんどいなかった」と持ち上げていました。ナバロ氏は2016年の米議会襲撃事件に関連して、侮辱罪で牢獄に4カ月収監された人物です。次期政権を担う重要ポストについては、既に固辞した人物もおり、さらに極めて重要なポストである防衛長官に指名したピート・ヘグセス氏についても、「トランプ氏自身が指名を取り消すのでは」といった噂も出ているようです。まだ発足してもいないトランプ政権ですが、すでに人事にかかわる混乱が出始めています。来年1月からの4年間、相当の混乱が予想されることを覚悟しておく必要があります。  「11月の雇用統計」では、非農業部門雇用者数(NFP)は「20万人」(10月は1.2万人)、失業率は「4.1%」(10月は4.1%)と予想され、また平均賃金については前月比、前年比ともに若干の低下が予想されています。  本日のドル円は148円50銭~151円50銭程度を予想します。 (執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ)(イメージ写真提供:123RF)
ドル円は経済指標の発表を受け150円70銭まで買われたが続かず。(イメージ写真提供:123RF)
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2024-12-06 10:00