【為替本日の注目点】ドル円2週間ぶりに151円台に

 ドル円は買われ、約2週間ぶりに151円35銭まで上昇。中国が大規模な景気刺激策を講じるとの報道に低金利の円が売られた。ユーロドルは小幅に反落。1.05台半ばから後半で推移。株式市場では3指数が揃って下落。エヌビディアが中国の独禁法違反に当たり、調査が開始されたとの報道から同株が大きく売られる。ダウは240ドル下げ、3日続落。債券も売られ、長期金利は4.2%台に上昇。金は続伸し、原油も中東情勢の悪化から反発。 NY連銀インフレ期待(11月) → 2.97% ドル/円 150.71~ 151.35 ユーロ/ドル 1.0548 ~ 1.0594 ユーロ/円 159.26 ~ 160.00 NYダウ -240.59 → 44,401.93 GOLD +26.20 → 2,685.80ドル WTI +1.17 → 68.37ドル 米10年国債 +0.048 → 4.201% 【本日の注目イベント】 豪 豪11月NAB企業景況感指数 豪 RBA、キャッシュターゲット 中 中国 11月貿易統計 独 独11月消費者物価指数(改定値) 英 英11月消費者物価指数  ドル円はおよそ2週間ぶりに151円台まで上昇してきました。  雇用統計を終え、FRBは労働市場よりもインフレの動向により注視しているとの見方も強まりつつあります。加えて、来年1月から始動する第2次トランプ政権では財政赤字の拡大も見込まれることから、日米金利差はそれほど縮小しないのではないかと思われます。来週のFOMC会合で仮に25bpの利下げがあったとしても、それ以降さらなる大幅な利下げはない可能性もあり、2025年には4回の利下げが予想されていますが、それも3回、もしくはそれよりも少なくなるかもしれません。昨日も触れましたが、ボーマンFRB理事は先週末の雇用統計の結果を受け、「現時点において労働市場よりもインフレの方がより大きな懸念だと引き続き見ている」と講演で述べていましたが、これが現時点での米金融当局者の一致した見方ではないかと思われます。一方、今年最後の金融政策決定会合では、日銀が追加利上げを見送るとの観測も徐々に浮上してきました。時事通信社は先週すでに、「利上げが見送られる可能性が高い」と報道していました。  中国の国営テレビ(CCTV)は、半導体大手の米エヌビディアに対して、国家市場監督管理総局が同社を独占禁止法違反の疑いで調査を開始したと報じました。ブルームバーグは「中国当局は2020年にエヌビディアのメラノックス買収を条件付きで承認したが、エヌビディアがそれらの条件に違反した疑いがあるという。エヌビディア株は下落。AI向け半導体供給で首位のエヌビディアは、米中のテクノロジー覇権争いに巻き込まれている」と説明しています。一方、自身の政策始動に向けて着々と手を打っているトランプ氏ですが、週末に放送されたNBCの番組「ミート・ザ・プレス」で、自身が11月の大統領選後に中国の習近平国家主席とやり取りを行ったことを明らかにしています。いつ、どのような内容だったのかは明らかにはしていませんが、「習氏とコミュニケーションを取った。私は、習氏と合意した。われわれは非常にうまくやってきた」と述べているようです。トランプ氏と習氏が直接会ったのは2019年6月のG20での会合が最後でした。トランプ氏は先週もパリに飛び、エリゼ宮でフランスのマクロン大統領とウクライナのゼレンスキー大統領との3者会談も行っています。  石破首相は昨日の参議院本会議で「財政の信任が失われた場合、金利の急上昇や過度なインフレが生じ、日本経済・社会に多大な影響を与える可能性は否定できない」と述べ、長期金利の急上昇や為替相場の過度の変動は好ましくないとの認識を示しました。通常、首相が為替相場について言及することはほとんどありませんが、この日は本会議で維新の会の藤巻氏の質問に答えたものでした。  ドル円のチャート(日足)では、先週148円台半ばまで下落したことで一旦一目均衡表の「雲」に入りましたが、ドルが買われていることで結局、雲の上限に沿って動いている格好です。また、「MACD」では「ヒストグラム」がドルの下落を早期に示唆していましたが、足元ではその「ヒストグラム」もゼロの軸に向って幅を縮めています。短期的にはドルが買い戻される可能性もありそうです。  本日のドル円は150円50銭~152円20銭程度を予想します。 (執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ)(イメージ写真提供:123RF)
ドル円は買われ、約2週間ぶりに151円35銭まで上昇。(イメージ写真提供:123RF)
economic,gaitameonline,gaitamedotinterview,fxExchange
2024-12-10 10:15