日本の金融リテラシーをアップデートする、「ひふみ」のレオスが本格的な金融教育事業を立ち上げ

SBIレオスひふみは12月12日、オンライン教育コンテンツ提供のスコラ社とのジョイントベンチャーである「フィナップ」の設立記者発表会を開催した。SBIレオスひふみの代表取締役会長兼社長グループCEOである藤野英人氏(写真:左)は、「グループ初の非金融事業として立ち上げた『フィナップ』は、金融詐欺事件などが後を絶たない現在において必要とされる金融リテラシーの向上をサポートする。無料の金融コンテンツはアクセスを稼ぐために極端な主張をするものが多い。奇抜さを除外してキチンとしたバックグラウンドがある人が体系的で役立つ金融知識を伝える教育コンテンツが求められている」と新会社設立の狙いを語った。スコラ社の代表取締役である竹谷祐哉氏(写真:右)も「有料の教育コンテンツの中でも『金融』は非常に大きな可能性を感じる分野」と事業の将来性を語った。
「ひふみ投信」「ひふみプラス」の成功で独立系運用会社として大きな注目を集めたレオス・キャピタルワークスは、早い段階から金融サービスの恩恵を全ての人々が享受できる世の中を目指す「ファイナンシャル・インクルージョン」の実現に向けた取り組みに意欲をもって取り組んできた。Youtubeチャンネル『お金のまなびば!』は登録者数が54.2万人になり、「投資家体験ワークショップ」などリアルな体験会も開催してきた「ひふみ経済教育ラボ」も定着した。この取り組みを進めて「体系化された学び」「個々の学習ニーズに応える多様なカリキュラム」「金融機関が取り組む事業である安心感・信頼感」「“コンテンツ”としてのクオリティーの高さ」を実現するため、教育コンテンツを専門に手掛けてきたスコラ社との協業による新事業に乗り出すことにした。
藤野氏は、「フィナップ」の代表取締役社長に田村啓樹氏(写真:中央)を送り出すにあたって「『レオス』とも『ひふみ』ともかかわりのない立場で新しい金融教育事業を立ち上げてほしい」と要望したという。それに対し、田村氏は「フィナップ(Finup)」という社名で応えた。田村氏は「社名には『日本の金融リテラシーをアップデートする』という当社の目指す方向を込めました。ロゴに使った感嘆符は、羅針盤の針もイメージし、金融リテラシーのアップデートを通じて変化する社会で生きる道を示したいという当社のミッションを表しています。もちろん、感嘆符が意味する驚きやワクワクするような思いや喜びも、当社が提供するコンテンツから感じていただきたいと思っています」と語った。
具体的なカリキュラムは、「レオス ベーシック スクール(RBS)」として金融や経済の基礎を学び、その後、受講者の希望に応じて「投資初心者向け投資基本スクールRES(レオス エッセンシャル スクール)」「準富裕層向け投資基本スクールRWS(レオス ウェルス スクール)」「終活・相続準備スクールRSS(レオス サクセッション スクール)」という3つのコースに進む。1スクールあたり約30講座を1年をかけてオンラインで学ぶイメージで、受講料は1コース(RBS+希望するコース)あたり10万円~15万円を予定している。また、受講者の希望に応じて対面のスクール形式の授業(別料金)も選択ができるようにする。今後、受講者のニーズに応じて多様なコースを新設していく計画だ。
また、受講生にはコース終了後に希望に応じてFP(ファイナンシャルプランナー)や行政書士などを紹介するなど、「実際の行動をサポートするサービスを用意したい」(田村氏)としている。竹谷氏も「教育コンテンツを有料で受講する人は、意欲的な方が多く、次のステージに進みたいという思いが強い方が多い。金融リテラシーを高めた次のステップを用意することは重要なポイントになる」と事業の成長に意欲をみせた。
写真は左からSBIレオスひふみの藤野英人氏、フィナップの田村啓樹氏、スコラの竹谷祐哉氏。
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2024-12-13 14:00