【為替本日の注目点】ドル円続伸し、一時153円80銭に

 ドル円は続伸。153円台に乗せ、NYでは一時153円80銭までドル高が進む。米金利の上昇と、日銀が今週の会合で利上げを見送るとの観測が円売りにつながる。ユーロドルは引き続き1.05を挟んでのもみ合い。株式市場はまちまち。ダウはこの日も86ドル下げ、これで7日続落と、5年ぶりの連続下落。ナスダックは小幅高となり、S&P500は小幅安。債券は続落。長期金利はおよそ3週間ぶりに4.4%台まで上昇。金は続落し、原油は反発。 11月輸入物価指数 → 0.1% 11月輸出物価指数 → 0.0% ドル/円 153.28~ 153.80 ユーロ/ドル 1.0483 ~ 1.0524 ユーロ/円 160.95 ~ 161.56 NYダウ -86.06 → 43,828.06 GOLD -33.60 → 2,675.80ドル WTI +1.27 → 71.29ドル 米10年国債 +0.065 → 4.397% 【本日の注目イベント】 中 中国11月小売売上高 中 中国11月鉱工業生産 独 独12月製造業PMI(速報値) 独 独12月サービス業PMI(速報値) 欧 ユーロ圏12月製造業PMI(速報値) 欧 ユーロ圏12月サービス業PMI(速報値) 欧 ラガルド・ECB総裁講演 英 英12月製造業PMI(速報値) 英 英12月サービス業PMI(速報値) 米 12月NY連銀製造業景況指数 米 12月S&Pグローバル製造業PMI(速報値) 米 12月S&Pグローバルサービス業PMI(速報値)) 米 12月S&Pグローバル総合業PMI(速報値) 加 カナダ11月住宅着工件数  ドル円は予想していたよりも上昇し、NYでは一時153円80銭までドルが買われました。第二次トランプ政権が始動すると、財政赤字が拡大し、金利が上昇するとの見方から債券が売られ、金利が上昇したことで円売りが進みました。先週はほぼ一貫して円が売られ、しかも対ドルだけではなく、ユーロなど主要通貨に対しても「全面安」の展開でした。ドル円で円安が進む際には、円が「全面安」になる傾向がありますが、今回の局面でも同様の展開です。今週の日米金融政策会合では、FRBの利下げはほぼ確実で、日銀の利上げは見送られる公算が高いとみられます。共同通信も、「日銀は利上げを見送る可能性が高い」と報道していました。さらに市場には、FRBが今回利下げを行ったとしても、来年の利下げペースは想定されるよりも緩やかになる可能性があるといった見立てもあり、今後も日米金利差は縮まりにくい状況が続きそうです。韓国の尹大統領に対する弾劾訴追案が国会本会議で可決され、大統領の職務は一時停止されました。今後は憲法裁判所が弾劾の妥当性を審査し、180日以内に決定を下すことになります。弾劾が妥当と判断されれば、大統領は罷免され、60日以内に大統領選が行われることになります。それまでは韓首相が暫定的に職務を代行します。尹氏は弾劾可決後に「私は決して諦めない」と国民向けのコメントを発表していましたが、この期に及んでまだ抵抗するつもりのようです。今朝の報道では、韓国の検察当局が尹大統領から事情聴取するために出頭を要請しましたが、尹氏はこれに応じなかったと伝えています。  格付け会社のムーディーズ・トレーディングスは、フランスの信用格付けを「Aa3」に引き下げると発表しました。これまでの格付けは「Aa2」でした。ムーディーズは「今回の格下げは、今後数年にわたり同国の財政が大幅に悪化するという見解を反映している」と説明し、「次期内閣が来年以降、財政赤字の規模を断続的に縮小できる可能性は、現在のところ非常に低い」と指摘していました。ただ、他の大手格付け会社であるS&Pや、フィッチはすでに同レベルへと格下げしており、特に驚きはありません。フランスでは財政赤字削減を巡る対立で政治的混迷が深まっており、13日には過去1年で4人目の首相となるフランソワ・バイル氏が就任しています。今回の政治的混迷で、景気減速により苦しい立場に立たされているドイツの国債も11月以降売られていますが、「政治的混乱により、フランス国債とドイツ国債のスプレッドは2012年以来の水準に拡大している」(ブルームバーグ)状況です。「ドイツ国債買い、フランス国債売り」のトレードが続いているようです。  ドル円は153円台まで買われたことで、ローソク足は一目均衡表の(日足)「雲」を離れつつあり、結局今回の下落もこの「雲」に支えられた格好になってきました。今週は日米中銀による金融政策の発表があります。上でも述べたように、結果はほぼ想定されていますが、パウエル議長や植田総裁の会見もあり相場が動く可能性は十分あります。今年最後の主戦場になるかもしれません。  本日のドル円は152円70銭~154円20銭程度を予想します。 (執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ)(イメージ写真提供:123RF)
ドル円は続伸。153円台に乗せ、NYでは一時153円80銭までドル高が進む。(イメージ写真提供:123RF)
economic,gaitameonline,gaitamedotinterview,fxExchange
2024-12-16 10:15