【為替本日の注目点】米11月の小売売上高は好調

 ドル円は反落。株価の下落やFOMC会合を控え、持ち高を調整する動きが優勢に。米金利が横ばいの中、ドル円は153円17銭まで売られる。ユーロドルは1.05を挟み小動き。株式市場では3指数が揃って下落。ダウはこの日も267ドル売られ、これで9日続落し、1978年以来の長期連続安を記録。債券は横ばい。長期金利は4.39%台で推移。金は4日続落。原油も続落。 11月小売売上高 → 0.7% 11月鉱工業生産 → -0.1% 11月設備稼働率 → 76.8% 12月NAHB住宅市場指数 → 46 ドル/円 153.17~ 154.00 ユーロ/ドル 1.0486 ~ 1.0515 ユーロ/円 160.77 ~ 161.65 NYダウ -267.58 → 43,449.90 GOLD -8.0 → 2,662.00ドル WTI -0.63 → 70.08ドル 米10年国債+0.002 → 4.399% 【本日の注目イベント】 日 11月貿易統計 欧 ユーロ圏11月消費者物価指数(改定値) 英 英11月消費者物価指数 米 経常収支(7-9月) 米 11月住宅着工件数 米 11月建設許可件数 米 FOMC 政策金利発表 米 パウエル議長記者会見  来年1月の第二次トランプ政権始動が近づき、「トランプ詣で」が活発化しているようです。16日にはソフトバンク・グループの孫氏がフロリダのトランプ邸を訪れ、米国に1000億ドル(約15兆円)の投資を行うと宣言し、トランプ氏をえらく満足させました。11月にはメタのザッカーバーグ氏と会談し、先週はグーグルの親会社アルファベットのピチャイCEOやアップルのクックCEOとも面会しています。さらに今週中にもアマゾンのジェフ・ベゾフ氏とも会うことになっているそうです。この状況にトランプ氏はかなりご満悦のようで、「素晴らしい経営者が多くやって来る。一流の経営者やバンカーが電話してくる」と話し、「1期目は誰もが争っていたが、今回は誰もが私の友人になりたがっている」と述べています。「アメリカファースト」を掲げ、保護貿易をも辞さないトランプ流のディールに乗り遅れまいとする動きが加速しているとみられます。「トランプ氏の直接、間接の支援を得られるかがビジネスの利害に直結しかねない」(日経新聞)状況に、トランプ氏の私邸「マール・ア・ラーゴ」は千客万来の様相です。  米「11月の小売売上高」は前月比で「0.7%増」と、市場予想を上回りました。特に自動車とオンラインショッピングの増加が目立っていましたが、これは、金利が低下し、ディーラーが年末に向けて大幅な値引きを実施したことが奏功したとみられます。また、オンラインショッピングでは、「ブラック・フライデー」と「サイバー・マンデー」での販売促進策により、アマゾンなどが売り上げを伸ばしていることがうかがえます。堅調な個人消費が労働市場にも好影響を与える「好循環」が続いていると予想され、FRBの金融政策にも一石を投じそうです。今夜のFOMC会合では25bpの利下げはほぼ確実とみられますが、四半期ごとに示される「ドットチャート」では、前回の「2025年は4回の利下げ見通し」から、少なくとも3回程度に回数が下方修正されそうです。RBC(ロイヤルバンク・オブ・カナダ)は「来年の利下げが2回にとどまるとのシグナルを発する可能性がある」と指摘しています。また、1月の会合でも「据え置き」との見方が徐々に増えており、パウエル議長の政策判断に向けた姿勢が注目されます。  欧州の債券市場では、インフレ圧力の強さを反映し英独のスプレッドが急速に拡大しています。英国では17日の朝発表された経済指標で、賃金の伸びが高水準であることが示され、英経済のインフレ圧力の強さが明らかになりました。一方独では、域内のインフレはほぼ終息したとの見方から今後も追加利下げが予想され、債券が買われています。英独のスプレッドは昨日一時228bpまで拡大し、1990年のドイツ統一直後以来34年ぶりの大きさになっています。イングランド銀行の追加利下げの確率も徐々に低下して来ました。  本日のドル円は152円50銭~155円程度を予想します。 (執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ)(イメージ写真提供:123RF)
ドル円は反落。株価の下落やFOMC会合を控え、持ち高を調整する動きが優勢に。(イメージ写真提供:123RF)
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2024-12-18 10:00