ネットスターズ・安達源CFOに聞く:決済サービスの成長から四半期ベースで黒字化
ネットスターズ <5590> はフィンテック(金融のIT化)事業として、決済関連サービス、DX(デジタルトランスフォーメーション)関連サービスを手掛ける。決済事業ではマルチキャッシュレス決済ソリューション「StarPay」を展開し、加盟店、GPV(決済取扱高)は順調に拡大している。DX関連サービスの収益には波があるものの、決済サービスが好調で24年12月期の第3四半期(7-9月)は四半期ベースで初の黒字化を達成した。今後も黒字基調が継続する見通しだ。同社の現状と今後について安達源取締役CFO(最高財務責任者)に聞いた。
――引き続き決済事業が好調です。
「『StarPay』は50以上ものQRコードやクレジットカードなどのキャッシュレス決済に対応できる点で圧倒的な競争力があります。決済処理成功率99.99%という、安全性の高さも圧倒的です。日本をはじめ世界でキャッシュレス決済が普及している現在、店舗が個別に契約・売上管理を行おうとすると管理が大変煩雑になるため、今後も『StarPay』の導入は加速するでしょう。解約率もごく低く、GPVは拡大が続いています。GPV拡大とともに決済サービスおよび当社収益は拡大し、それが黒字化からさらなる成長につながっていくでしょう」
――一方、11月に今期の通期業績予想について連結売上高を従来の46億5000万円から39億3700万円(前期比5.8%増)に、営業損益を1億100万円の黒字から1億6600万円の赤字(前期は3億2100万円の赤字)に引き下げました。
「従来はDX関連サービスの大型案件の収益を計上する予定でしたが、ローンチ時期など一部案件の詳細が確定せず、一部失注もあり今期中に計上できない見通しです。当社のDX関連サービス『StarPay-DX』は、ネイティブアプリだけでなく、ミニアプリも活用し、セルフレジ、会員登録、モバイルオーダー、テーブルオーダー、クーポン発行、プロモーションなど、さまざまなDX製品を提供します。これを導入すれば、加盟店は決済にプラスしてワンストップでDX化を実現できます。さらに、『StarPay-DX』と『StarPay』をクロスセルすることで、収益拡大の加速も図れます。ただ、今回のように、計画通りに導入が進まないケースがあり、今後はより慎重に事業を進めなければならないと思っています」
――来25年12月期業績についてはいかがですか。
「今期の業績は四半期ベースで第3四半期が黒字化し、第4四半期(10-12月)も黒字化する見通しです。先に申し上げた通り『StarPay』の新規加盟店は順調に増えており、解約率も低く、GPVは今後も拡大が続くでしょう。毎期、10%程度のコスト増を想定していますが、長期的な成長イメージは以前から変わりません。決済サービスの拡大で、来期は通期でも黒字化できるとみています。また、黒字化は重要ですが、どれだけの幅の黒字を出せるかがより重要だと思っています。そのため、よりパートナーとの関係強化に取り組むとともに、独自の新規顧客開拓にも注力します。当社には『StarPay』の開発・運用の実績があり、高い技術力を持っています。しかし、営業面では物足りなさがあり、今後の人材採用では営業面の強化を特に進めていくつもりです」
――VCN(バーチャル・クレジット・ナンバー)決済については、どのような展開を考えていますか。
「10月2日、当社と、リブマックス、Agoda、NTTデータグループ <9613> 、三菱UFJニコス、Mastercardがホテルの予約・決済におけるVCN決済の拡大について発表し、同日にMastercardによる法人決済を全国168のリブマックスホテルに導入しました。現在は海外OTA(Online Travel Agent)と日本のホテル間送金で展開しています。VCN決済の導入により、ユーザー企業は精算業務の効率化を進められ、支払いの未回収リスクも減らすことができます。大きなメリットがあるため、BtoBの送金サービスをキャッシュレス化する潜在的なニーズは大きいでしょう。本格的な成長に時間はかかっても、長期的な成長性は高いとみています」
――将来のビジョンを教えてください。
「パートナーとの協業、独自開拓の双方で『StarPay』と『StarPay-DX』のクロスセルを推進していく方針です。一方、『StarPay-DX』に関しては、今回、期ずれしたことが業績予想の下方修正につながりました。今後、どのような処理をするかは精査しているところです。こうした点を踏まえ、来期には具体的な今後の成長イメージを示したいと考えています」
ネットスターズはフィンテック(金融のIT化)事業として、決済関連サービス、DX(デジタルトランスフォーメーション)関連サービスを手掛ける。決済事業ではマルチキャッシュレス決済ソリューション「StarPay」を展開し、加盟店、GPV(決済取扱高)は順調に拡大している。DX関連サービスの収益には波があるものの、決済サービスが好調で24年12月期の第3四半期(7-9月)は四半期ベースで初の黒字化を達成した。今後も黒字基調が継続する見通しだ。同社の現状と今後について安達源取締役CFO(最高財務責任者)に聞いた。
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2024-12-23 10:00