【為替本日の注目点】日銀0.25%の利上げ決定か?

ドル円はレンジ取り引きが続くなか、やや水準を下げる。トランプ大統領がダボス会議での講演で利下げに触れたことや、本日の日銀決定会合での利上げが材料視された。ユーロドルは反落。再び1.04を割り込み、1.0375まで下落。株価は3指数が続伸。マイナス圏で推移していたS&P500は引けにかけて買われ最高値を更新。債券は続落。長期金利は4.64%台に上昇。金は反落。原油価格は、トランプ大統領がOPECに対して価格引き下げを要求したことで5日続落。
新規失業保険申請件数 → 22.3万件
ドル/円 155.75 ~ 156.47
ユーロ/ドル 1.0372 ~ 1.0437
ユーロ/円 162.16 ~ 162.84
NYダウ +408.34 → 44,565.07
GOLD -5.90 → 2,756.00ドル
WTI -0.82 → 74.62ドル
米10年国債 +0.033 → 4.644%
【本日の注目イベント】
日 日銀金融政策決定会合
日 植田日銀総裁記者会見
日 12月消費者物価指数
独 独1月製造業PMI(速報値)
独 独1月サービス業PMI(速報値)
欧 ユーロ圏1月製造業PMI(速報値)
欧 ユーロ圏1月サービス業PMI(速報値)
欧 ラガルド・ECB総裁講演
英 英1月製造業PMI(速報値)
英 英1月サービス業PMI(速報値)
米 1月S&Pグローバル製造業PMI(速報値)
米 1月S&Pグローバルサービス業PMI(速報値))
米 1月S&Pグローバル総合業PMI(速報値)
米 1月ミシガン大学消費者マインド(確定値)
米 12月中古住宅販売件数
米 決算発表→ アメックス、ベライゾン
本日も、先ずトランプ大統領の発言に関するコメントでスタートです。
ダボス会議にオンラインで参加したトランプ氏。サウジアラビアなどOPECに対して原油価格の引き下げを要求しました。「原油価格が下がれば、インフレを防ぐことが出来ると」主張し、「金利上昇により財政赤字が膨らみ、バイデン前政権は経済的惨事を招いた」と述べました。確かに、バイデン政権ではインフレが急速に進み、FRBは大幅利上げを余儀なくされましたが、これは、バイデン氏の政策の失敗ではなく、その多くはコロナ明けの景気の盛り上がりや、ロシア・ウクライナ戦争の影響などで資源価格が急騰したことによるものと理解されています。
トランプ氏はさらに、「金利の即時引き下げを要求する」と述べたことで、ドル円が売られる場面もありました。筆者は、トランプ氏がいずれ、「米金利は高すぎる」として、FRBに利下げ圧力をかけると予想していましたが、就任間もないこのタイミングですでに、その可能性を示唆した格好です。トランプ氏はさらに政策金利に関しても、FRB議長の判断に疑問を呈した上で、「議長と適切な時期に話すつもりだ」と述べ、金融当局についても「彼らよりも私の方が金利に関してはるかに詳しく、その判断に当たる主な責任者よりも私の方が熟知しているのは確かだ。私が反対の意見であれば、それを伝える」と、暗にFRBに圧力をかけることも示唆しています。また、記者の「金融当局が自分の主張に耳を傾けると考えるのか」との質問には「イエス」と答えていました。パウエル議長の任期は2026年5月までですが、トランプ氏は選挙中に、パウエル議長には任期まで任せる旨の発言をしています。トランプ氏が一言口にすれば、為替や株、債券だけではなく、原油価格や金までも動きます。「トランプ劇場」の第二幕は上がったばかりですが、すでにその影響は多方面に出ており、この欄で何度も指摘したように、今後の相場の大きな変動に対して備える必要があります。4年間は、かなり長いと感じます。
元NY連銀総裁のダドリー氏はブルームバーグに寄せたコメントで、第2次トランプ政権について以下のように述べていました。「今後、何が起こるのか。それは非常に難しい問題だ。とは言え、ある程度の経験的予測は可能だ。トランプ氏は輸入関税を大幅に引き上げるだろう。その結果、輸入業者がコストを引き上げ、今後1年間にインフレ率は0.25%~0.5%上昇する可能性が高い。不法移民の国外追放を実行するだろう。私はそれほど多くないと予想している。何百万人も米国から追放することは、現実的には困難だ。労働力不足は経済的には大きな打撃だ。トランプ減税の延長も、予算の見通しが厳しいことから共和党の一部からも反対されるだろう。2025年について、これらは全てが困難な経済見通しを示唆している。今後の混乱に備えよう」
本日11時(現地時間午後9時)から、トランプ大統領がFOXニュースのインタビューを受け、既に署名した大統領令や、就任後最初の100日間の計画などについて話をする予定です。FOXテレビは、もともとトランプ大統領に近いというか、共和党寄りのテレビ局です。トランプ氏も心置きなく本音を吐露するかもしれません。
本日の日銀決定会合では25bpの利上げは確実と見ています。今朝の経済紙も、一面で「日銀、半年ぶりの利上げへ」と報じていました。問題は、午後3時半からの植田総裁の発言内容です。市場はすでに、次回の利上げ時期を探っている状況で、次回利上げのタイミングについてのヒントがあるかどうかが焦点です。筆者は、「総裁は、今回の利上げの影響を見極めつつ、慎重な言い回しになる」と予想しています。仮にそうだとすれば、円安材料になる可能性があります。
本日のドル円は155円~157円程度を予想します。
(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ)(イメージ写真提供:123RF)
ドル円はレンジ取り引きが続くなか、やや水準を下げる。(イメージ写真提供:123RF)
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2025-01-24 10:15