【為替本日の注目点】ユーロドル、1.05台まで反発

 先週金曜日のドル円は神経質な動きを見せ、午後には154円83銭まで売られその後反発。NYでは156円台半ばまで買われる場面も。ユーロドルではドル安が進み、ユーロは1.0521と、12月18日以来の高値を付ける。ユーロは対円でも164円台に。株式市場では3指数が揃って反落。上昇ピッチが速すぎたことや、ハイテク企業の決算発表を控えていることから利益確定の売りが優勢に。債券は反発。長期金利は4.62%台に低下。金と原油は買われる。 1月S&Pグローバル製造業PMI(速報値) → 50.1 1月S&Pグローバルサービス業PMI(速報値) → 52.8 1月S&Pグローバル総合業PMI(速報値) → 52.4 1月ミシガン大学消費者マインド(確定値) → 71.1 12月中古住宅販売件数 → 424万件 ドル/円 155.52 ~ 156.58 ユーロ/ドル 1.0464 ~ 1.0521 ユーロ/円 163.49 ~ 164.08 NYダウ -140.82 → 44,424.25 GOLD +13.90 → 2,778.90ドル WTI +0.04 → 74.66ドル 米10年国債 +0.022 → 4.621% 【本日の注目イベント】 日 11月景気先行指数(CI)(改定値) 日 11月景気一致指数(改定値) 中 1月中国製造業PMI 中 1月中国サービス業PMI 独 独1月ifo景況感指数 欧 ラガルド・ECB総裁オンラインで講演(ブダペスト) 米 12月新築住宅販売件数  先週金曜日、日銀は決定会合を終え午前11時22分頃、予想通り25bpの追加利上げを決め、政策金利を0.5%に引き上げました。利上げは昨年7月以来となります。市場はすでに追加利上げを完全に織り込んでいたため、発表直後から円は売られ、ドル円は156円35銭近辺まで買われました。その後は155円台半ばまで押し戻され、もみ合い後には154円台後半まで売られました。今回の利上げにサプライズはなく、市場の関心は次の利上げのタイミングに移っています。植田総裁は会見で、「少しずつ段階的に動いて行くのが適切な対応と思っている」と述べていましたが、「次の利上げでは政策金利が0.75%になる見通しで、企業や家計が極めて長期間経験していない水準となる。日銀内には、金利が上がるほど家計や企業の資金繰りなどへの影響を『より時間をかけて見る必要がある』との意見がある」(日経新聞)といった見方が一般的です。筆者も今後円安が大きく進めば、6月の会合で利上げ。そうでなければ7月の会合で追加利上げがあると予想しています。日銀内部でも、「半年程度に1回の利上げ」が支持されているようです。  先週末、ドル円が一時155円台を割り込む水準まで売られましたが、これは日銀の利上げというよりも、米FOXテレビの番組でのトランプ氏の発言に反応した側面が大きかったと思われます。トランプ氏は、「われわれは中国に対し一つの非常に大きな力を持っている。それは関税だ。彼らはそれを望んでおらず、私はむしろそれを使いたくない。ただ、それは中国に対し極めて大きな影響力がある」と述べています。当初、「中国には60%の関税をかける」と豪語していたトランプ氏。その後は「10%」へと大きくトーンダウンし、そして今回は、「できれば中国へは関税をかけたくない」と、一気に現実路線に戻しています。中国への高関税が回避されれば、米国内のインフレ再燃への影響はかなり弱まることとなり、「インフレ率の鈍化→FRBの利下げ加速」といった流れも予想され、ドル売りが進んだと見ています。それにしても、これがまさに「トランプ流のディール」です。先ずは相手に想定外の難題を突き付け、相手を揺さぶり恫喝する。その後徐々に落としどころを探るという戦法です。そして、その際の最大の武器が「関税」ということになります。トランプ氏は26日にも、その「関税」を武器としてちらつかせています。米国からコロンビアに強制送還される不法移民を乗せた飛行機2機の着陸をコロンビアが拒否したことを理由に、同国に対し関税賦課と渡航禁止措置を明らかにしています。現時点では、カナダとメキシコに対する25%の関税引き上げはそのままのようです。  6週間の停戦期間に入っているイスラエルとハマスに緊張が生じているようです。ハマスがガザでの停戦合意に基づき、新たに人質のイスラエル軍女性兵士4人を解放しましたが、予定されていたもう一人を引き渡さなかったとブルームバーグは報じています。イスラエルはこれに反発しており、米政権がトランプ氏に替わったことで、ネタニヤフ首相が、これまで以上に強硬姿勢に転じる可能性があります。トランプ氏はすでに、バイデン前政権によるイスラエルへの重量2000ポンド(約900キロ)の爆弾供給停止措置を解除しています。  ドル円は、トランプ氏の大統領就任、日銀の金融政策決定会合という重要イベントを終えましたが、基本は155-157円のレンジ内で推移しています。なかなか「レンジ・ブレイク」が見られませんが、今週はFOMC会合があります。こちらも日銀の追加利上げ程確率は高くはありませんが、ほぼ据え置きで一致しています。ここはやはり、パウエル議長の発言が焦点になります。  本日のドル円は154円80~156円80銭程度を予想します。 (執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ)(写真:123RF)
先週金曜日、日銀は決定会合を終え午前11時22分頃、予想通り25bpの追加利上げを決め、政策金利を0.5%に引き上げました。(イメージ写真提供:123RF)
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2025-01-27 10:45