投資環境が目まぐるしく変わる、日本・インド・中国の株式にチャンス=HSBCアセットマネジメントの見通し

HSBCアセットマネジメントは1月24日、国内のメディア向けに「2025年 インベストメント・アウトルック・オンラインセミナー」を開催した。グローバル・チーフ・ストラテジストのジョー・リトル氏が、同社の2025年のマクロ経済と市場見通しについて語った。ジョー・リトル氏は、2025年の投資見通しのテーマを「Spinning Around(目まぐるしく変わる局面)」と表現し、「変化の激しいマクロ環境、マーケット・ローテーション、パラダイム・シフトなど金融市場を取り巻く環境は複雑化し、目まぐるしく変化している」とこれからの対応の難しさを語った。その上で、2025年の注目資産クラス・地域について、「グローバル株式」をあげ、「マグニフィセント・セブンを除く米国株(金融、資本財、中小型株など)にチャンスがあり、日本株も魅力がある。新興国株式はより選択的に見る必要があり、インド、中国、ベトナムに期待できる」と語っていた。
2025年の最大のリスクは、「米トランプ大統領の打ち出す政策が不透明であること」とした。「関税を含む通商政策、移民問題、経済政策など、何がどのような強度で出てくるのか事前に備えることが難しく、それが、株式、通貨、債券市場を揺さぶり、ボラティリティ(価格変動率)を拡大させることになるだろう」と見通した。このため、「投資テーマも新しいものも入ってきながら、くるくると回り、さまざまにトレンドが変わることが想定される。そのたびに、戦略を調整する必要がある」と対応の難しさを語っていた。ジョー・リトル氏は、「経済は成長し、インフレも抑えられ、企業利益の成長も問題ないと考えられる中で、政策がリスクになる」と語った。
そして、日本の株式市場については、成長率が改善している状況が維持できると見通した。そして、日銀の利上げによって金利が正常化に向かっているため、米ドルや英ポンドに対して日本円は円高方向に動きやすいため、「米英の投資家は日本株について為替ヘッジなしで投資することによって、株高に加えて為替の円高メリットを受けられるチャンスがある」として、日本株式市場に対して外国人投資家の投資が期待できるとした。
また、中国市場についても「中国当局は、日本のアベノミクスに学んで『3本の矢』で対応する計画だ。流動性拡大、財政および信用政策の緩和、そして、長期的な経済改革ということで、3月にも大型の経済対策を打ち出すのではないかと考えている」と語っていた。
2025年はグローバル株式に活躍期待があるとする一方、市場のボラティリティが拡大する中にあっては、オルタナティブ投資の活用も有効な手段になるとした。「プライベートクレジットやプライベートエクイティ、プライベート不動産やコモディティなどを活用することにもメリットがある」とした。
HSBCアセットマネジメントは1月24日、国内のメディア向けに「2025年 インベストメント・アウトルック・オンラインセミナー」を開催した。
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2025-01-27 23:45