【為替本日の注目点】FOMC、政策金利据え置き

FOMC会合の結果が利下げを急がない姿勢を見せたことで、ドル円は一時155円台を割り込む。ただ債券などに大きな動きがなかったことから、ほぼ155円台で推移。ユーロドルは1.04を挟みもみ合い。株式市場では、FOMC会合の結果発表前から3指数が売られていたが、発表後は下げ幅を縮小。債券は前日と同じくほぼ横ばい。長期金利は4.53%近辺で推移。金は続伸し、原油は反落。
ドル/円 154.94 ~ 155.61
ユーロ/ドル 1.0383 ~ 1.0429
ユーロ/円 161.30 ~ 161.84
NYダウ -136.83 → 44,713.52
GOLD +2.30 → 2,769.80ドル
WTI -1.15 → 72.62ドル
米10年国債 -0.002 → 4.535%
【本日の注目イベント】
豪 豪10-12月四半期輸入物価指数
日 永見野日銀副総裁、一橋大学政策フォーラムで講演
独 独10-12月期GDP(速報値)
欧 ユーロ圏10-12月期GDP(速報値)
欧 ユーロ圏1月消費者信頼感(確定値)
欧 ユーロ圏12月失業率
欧 ECB政策金利発表
欧 ラガルド・ECB総裁記者会見
英 英12月消費者信用残高
米 新規失業保険申請件数
米 10-12月GDP(速報値)
米 12月中古住宅販売成約件数
米 決算発表→ アップル、ブラックストーン、ビザ
日本時間朝方に発表された今年最初のFOMC会合では、市場予想通り政策金利の据え置きを全会一致で決めました。声明文では、「最近の複数の指標は、経済活動が堅調なペースで拡大を続けていることを示唆する。失業率はここ数カ月、低水準で推移しており、労働市場の状況は堅調を維持している。インフレは幾分高止まりしている」と発表されています。今回の声明文では「インフレの進展」という文言が削除されていました。
さらに会合後の会見でパウエル議長は、「金融政策スタンスが景気を抑制する度合いは、以前より大幅に弱まっており、経済は強さを維持していることから、政策スタンスの調整を急ぐ必要はない」と述べ、利下げを急がない姿勢を示しました。また、「労働市場が急速に減速したり、インフレが再燃した場合には政策金利を調整する用意がある」とも述べ、トランプ政権の政策の行方については「分からない」と語っていました。先週、トランプ大統領が「金利についてはFRB当局者よりも、自分の方が詳しい」と発言したことについて問われると、議長は笑いながら「大統領の発言についてはコメントしない」と答えていました。
今回のFOMC会合については、政策金利据え置きで市場の見方も一致しており、さらにパウエル議長からも、ややタカ派的だったものの、特段サプライズな発言もなかったことで、このところのFOMC会合後の影響としては、最も「無風」だったようです。ドル円は概ね155円台で推移し、債券もほぼ横ばい。株式市場では3指数が会見前まで売られていましたが、その後は下げ幅を縮小して取引を終えています。これで、当面の材料は出尽くしました。今後はトランプ大統領の言動が引き続き最大の材料になると思われますが、足元の相場は、157円台から上値は重く、一方154円以下ではドル買い需要もありそうです。トランプ政権が始動した割にはドルが大きく買われないのは、予想されていたことですが、関税に対する強気の姿勢がトーンダウンしたことが、直接の要因だと考えています。
中国「DeepSeek」がAI開発について、圧倒的な低開発費と短時間で完成させたことを公開し、金融市場、とりわけハイテク企業の多い米ナスダック市場に激震が走りました。しかし今朝の報道では、同社が誰もが利用可能なオープンソースとして公開されているAIモデル以外にも、非公開のモデルを使った疑惑が浮上し、オープンAIとマイクロソフトの2社が調査を開始したとあります。この件に関して、次期商務長官候補に指名されたラトニック氏は29日、商務長官への就任が決まれば、「非常に強い対応を取る」と語っています。「エヌビディアのチップを大量に購入し、規制を迂回するやり方を見つけ、ディープシークのモデルを推進した。これを終わらせなくてはならない。われわれと競争するなら、そうすればよい。しかし米国のツールを使ってわれわれと競争するのは停止せよ。従って、私はこの点で非常に厳しく対応するつもりだ」と話しています。(ブルームバーグ)またホワイトハウスの担当官も、この件には注視していると述べています。
本日のドル円は154円~155円80銭程度を予想します。
(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ)(イメージ写真提供:123RF)
FOMC会合の結果が利下げを急がない姿勢を見せたことで、ドル円は一時155円台を割り込む。(イメージ写真提供:123RF)
economic,gaitameonline,gaitamedotinterview,fxExchange
2025-01-30 10:00