【為替本日の注目点】ドル円上値の重い展開続く

ドル円は上値の重い展開。住宅関連指標が低調だったことや米金利の低下から151円25銭まで下落。ユーロドルは引き続き1.04台前半から半ばで推移。株式市場は前日と同じような展開。引けにかけて買われ3指数が揃って小幅に続伸。S&P500は連日の高値更新。債券は小幅に反発し、長期金利は4.53%台に。金は反落し、原油は続伸。
1月住宅着工件数 → 1366千件
1月建設許可件数 → 1483千件
ドル/円 151.25 ~ 151.90
ユーロ/ドル 1.0401 ~ 1.0441
ユーロ/円 157.70 ~ 158.42
NYダウ +71.25 → 44,627.59
GOLD -12.90 → 2,936.10ドル
WTI +0.40 → 72.25ドル
米10年国債 -0.018 → 4.533%
【本日の注目イベント】
豪 豪1月雇用統計
独 独1月生産者物価指数
欧 ユーロ圏2月消費者信頼感指数(速報値)
欧 ECB経済報告
米 新規失業保険申請件数
米 2月フィラデルフィア連銀景況指数
米 1月景気先行指標総合指数
米 グールズビー・シカゴ連銀総裁、質疑応答に参加
米 ムサレム・セントルイス連銀総裁講演
昨日の午前中、仙台で講演を行った高田日銀審議委員の講演内容は、「ややタカ派的だったものの、想定内」と受け止められ、ドル円は151円台後半から一時は152円31銭まで買われました。高田氏は、「物価がおおむね見通しにそって推移する下、堅調な設備投資や賃上げ、価格転嫁の継続など前向きな企業行動の持続性が確認されれば、『金融緩和度合いのさらなる調整を進めることが必要だと考えてきた』」と説明。「先行きも引き続き前向きな企業行動の持続性が確認されて、見通しが実現していけば『一段のギアシフトを進める局面だ』」と発言していました。また米経済の影響については、「不確実性は残存している」と述べていました。一旦買われたドル円は、その後じり安の展開で推移していました。
トランプ大統領とウクライナのゼレンスキー大統領は相性が悪いようです。停戦を巡る協議がウクライナを外し、米国とロシアで行われ、さらにその内容も「ロシア寄り」に傾く中、トランプ氏はかねてから「ウクライナは大統領選挙を行うべきだ」と主張してきましたが、今度はゼレンスキー氏を「選挙を実施しない独裁者」と呼び、米国とロシアで交渉している戦争終結のディール(取引)について、ウクライナに条件を受け入れるよう圧力を強めています。トランプ氏は自身のソーシャルメディア「トゥルース」への投稿で、「ゼレンスキー氏は選挙を実施しない独裁者だ。ぐずぐずしていると、ウクライナはなくなってしまうぞ」と警告し、「同氏は選挙を拒否している。ウクライナ国民の支持率は非常に低い。同氏が優れているのは、バイデンを『バイオリンのように』操ることだけだ」と述べて、大統領就任以来最も辛辣な言葉でゼレンスキー氏を批判しています。これに先だち、トランプ氏はゼレンスキー氏の支持率は1%だと述べていました。ゼンレンスキー氏はこれに対して、「大統領選挙を行っても結果は変わらない。トランプ氏はロシアが作り出した『偽情報の空間』に住んでいる」と批判していました。トランプ氏のこの発言が、仮に中国に対して行われたら、中国は直ちに「独立国に対する内政干渉だ」と、強力に反発することは必至です。ウクライナを下に見ている証左かと思います。
昨日公表された1月のFOMC会合(28―29日開催分)の議事録要旨では、「最大雇用に近い状態が続くのであれば、フェデラルファンド(FF)金利誘導目標に一段の調整を加える前に、インフレ抑制でさらなる進展を確認したい考えを参加者は示唆した」と、記されていました。また、「景気の強さが続き、インフレが高止まりする場合は、政策金利を景気抑制的な水準に維持することができると、多くの参加者が指摘した」とも記されており、当面は高金利を維持しながら、「労働市場に軟調なデータが確認されたら、利下げを断行する」と受け取れると考えます。引き続き、インフレ再燃懸念は残る中、労働市場の動向にも引き続き注視する必要があります。
ドル円は上値の重い展開が続いています。見方によっては、151円台前半が底堅いとの意見もありますが、上値はジリジリ切り下がってきました。トランプ氏は昨日、自動車に関する関税は「25%くらいだろう」と述べていました。トヨタなど日本の自動車産業に大きな影響がでる可能性があることで、米国株に比べ日本株には売り圧力がかかっています。今日あたり、日経平均株価が大きく下げるようだと、リスク回避の円買いが入り、ドル円は151円台を割り込み、150円台に入るかもしれません。
本日のドル円は150円20銭~152円程度を予想します。
(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ)(イメージ写真提供:123RF)
ドル円は上値の重い展開。(イメージ写真提供:123RF)
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2025-02-20 10:00