【為替本日の注目点】トランプ政権、EUへも25%の関税か

ドル円はトランプ大統領がEUへの関税について25%と述べたことで上昇。その後米金利の低下に148円台後半まで押し戻される。ユーロドルは小幅に上昇するも、1.05台前半で頭打ち。株式市場はこの日もまちまちの展開。トランプ政権の関税の行方が定まらない中、エヌビディアの決算発表待ちの雰囲気が重石に。債券は続伸。長期金利は4.25%台まで低下。これで6日連続長期金利の低下が続く。金は反発。原油は小幅に続落。
1月新築住宅販売件数 → 65.7万件
ドル/円 148.82 ~ 149.89
ユーロ/ドル 1.0477 ~ 1.0529
ユーロ/円 156.02 ~ 157.13
NYダウ -188.04 → 43,433.12
GOLD +11.80 → 2,930.60ドル
WTI -0.31 → 68.62ドル
米10年国債 -0.038 → 4.256%
【本日の注目イベント】
豪 豪10-12月期民間設備投資
欧 ユーロ圏2月消費者信頼感指数(確定値)
欧 ECB議事要旨(1月開催分)
欧 ユーロ圏2月景況感指数
欧 ユーロ圏2月消費者信頼感指数
米 新規失業保険申請件数
米 10-12月GDP(改定値)
米 1月耐久財受注
米 1月中古住宅販売成約件数
米 メスター・クリーブランド連銀総裁講演
米 ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁講演
米 英首相、ホワイトハウスを訪問
米 決算発表→ イーベイ、デル、HP
ドル円は、東京時間では買われるものの、NYでは一転して売られる展開が続いています。それは、NY市場では債券が買われ金利が低下する流れが続き、金利低下に反応する形でドル売りが活発になっているためです。米10年債は6日連続して買われ、その間長期金利は30ベーシスポイント程低下しています。その背景には、そもそもトランプ政権の関税政策がトランプ氏の一言で発動期限が変わるなど、不透明感が払拭できないことに加え、PMIの予想外の低下や、消費者マインドの下振れなど、米景気の先行にも不透明感が出て来たことが挙げられます。「リスク回避モード」の中、安全資産の債券が買われているという状況です。
カナダとメキシコに対して25%の関税引き上げの発動は、当初の予定より1カ月延長され3月4日から実施すると思われていましたが、トランプ氏は、同関税は4月2日に発動するとホワイトハウスで述べました。同時に、EUに対する関税も4月2日に発動するとしています。この発言が、両国にさらなる時間的余裕を与えるためのものなかのかどうかは判然としませんが、最前線の事務当局はたまったものではありません。ブルームバーグは、「関税発動時期に関するトランプ氏の発言は、時に世界の市場を混乱させてきた。記者団の質問に答える際、自身の関税計画のいくつかを同時に話すことがあるためだ。4月2日の関税措置の発動は、世界各国・地域を対象とした、いわゆる『相互関税』と、この両国への関税をひとまとめにしたのかは明確ではない」と論評しています。またEUに対する関税も、決定したのかとの質問に「25%になるだろう」と述べていたようです。ただ、その措置がEUからの全ての輸入品に影響するのか、特定の製品や分野に限定されるのか、あらゆる選択肢が検討されており、「決定はまだ行われていない」とも述べており、トランプ氏自身も関税に振り回されている様子です。
日銀は26日、消費者物価の基調的変動の分析に活用する日銀独自のコア3指標1月分を発表しました。将来の予測に有効とされる「刈り込み平均値」は「2.2%」(12月は1.9%)に上昇していました。「刈り込み平均値」とは、品目別価格変動分布の両端の一定割合(上下各10%)を機械的に控除した値で、日銀が独自に集計しているものです。また、上昇率の高い順にウェートを累積して50%付近にある価格変化率である「加重中央値」も「1.4%」(12月は1.0%)で、3つ目の、品目別価格変動分布で最も頻度の高い価格変化率を示す「最頻値」も、「1.3%」(12月は1.1%)と、3指数全てが上昇していました。もはや、「基調的な物価上昇率は、目標である2%を下回っている」とは言いにくい状況です。
昨日、時事通信社主催の「日本銀行と金融政策」と題する、同行理事の加藤毅氏の講演に参加してきました。特段、市場に影響を与えるような発言はありませんでしたが、「引き続き、2%の『物価安定目標』のもとで、その持続的・安定的な実現という観点から、金融政策を運営していくことが適切」との話でした。
本日のドル円は148円~149円80銭程度を予想します。
(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ)(イメージ写真提供:123RF)
ドル円はトランプ大統領がEUへの関税について25%と述べたことで上昇。(イメージ写真提供:123RF)
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2025-02-27 10:30