【為替本日の注目点】相互関税、日本は24%に

 ドル円は3月のADP雇用者数の発表を受け150円台まで買われた。トランプ関税が発表され、日本は24%となったことでドルが急落、149円台前半まで売られる。ドルが売られたことで、ユーロドルは1.09台まで上昇。株式市場は3指数が揃って上昇したが、トランプ関税発表後は先物市場ではダウが1000ドル下げる波乱の展開。債券は続伸。長期金利はさらに低下し4.13%台に。金は続伸。原油も買われる。 3月ADP雇用者数 → 15.5万人 2月製造業受注 → 0.6% ドル/円 149.10 ~ 150.49 ユーロ/ドル 1.0797 ~ 1.0924 ユーロ/円 160.83 ~ 164.17 NYダウ +235.36 → 42,225.32 GOLD +20.20 → 3,166.20ドル WTI +0.51 → 71.71ドル 米10年国債 -0.038 → 4.131%  【本日の注目イベント】 豪 豪2月貿易収支 中 3月財新サービス業PMI 中 3月財新総合PMI 独 独3月サービス業PMI(改定値) 欧 ユーロ圏3月総合PMI(改定値) 欧 ユーロ圏3月サービス業PMI(改定値) 欧 ECB議事要旨(3月開催分) 米 新規失業保険申請件数 米 2月貿易収支 米 3月ISM非製造業景況指数 米 3月S&Pグローバルサービス業PMI(改定値) 米 3月S&Pグローバル総合PMI(改定値) 米 ジェファーソン・FRB副議長講演 加 カナダ2月貿易収支  トランプ大統領は2日夕方、世界の貿易相手国に対して「相互関税」を課すと発表しました。トランプ氏は米国への全輸出国に「基本関税」として10%の関税を賦課し、対米貿易黒字の大きい約60カ国・地域に一段と高い関税を適用すると発言しています。明らかにされたチャートによると、カンボジアが最も高く49%、次いでベトナムの46%でした。日本は24%で、中国34%、EU20%、台湾32%と、米国への貿易黒字の大きさが基準になっているようです。トランプ氏は「長年にわたり、大半において米国の犠牲の下に他国が富と権力を得る中、勤勉な米国民は傍観者の立場を強いられてきた。だが、今後われわれが繁栄する番だ」と述べていました。10%の「基本関税」は、米東部時間5日午前0時1分(日本時間同日午後1時1分)、より高い関税率は9日午前0時1分(同日午後1時1分)より適用されることになります。  貿易統計では、2024年の日本から米国への自動車輸出は金額にして6兆円超で、これに自動車部品の約1兆2300億円を加えると、対米輸出の3分の1を占める規模になります。ブルームバーグは、「米政府は、エンジンなどの自動車部品にも5月3日までに25%の追加関税を課しており、日本の自動車業界は打撃を受ける可能性がある」と報じています。石破首相は1日の会見で、「関税の対象から日本を除外するよう求めていく」と述べていましたが、これもトランプ流のディールである以上、よほど相手が喜ぶ「お土産」を渡さない限り、その可能性は低いでしょう。ただその後の報道では、自動車・同部品はおおむね除外されると、ホワイトハウスが明らかにしているようです。  トランプ関税の発表を前にドル円は神経質な動きを見せています。ADP雇用者数が予想を上振れしたことで150円台半ばまで買われましたが、「相互関税」発表後は円高に振れ、148円台半ばまでドルが売られました。株式市場では、さらに売り圧力が強まり、シカゴ先物市場では昨日の日経平均株価よりも1600円以上も下げる場面がありました。日本に対して24%の関税賦課が決まり、自動車株を中心に大きく売られるとの見立てのようです。ドル円も、東京株式市場が始まり株価が大幅に下げるようだと、円高に振れる公算が高いと見ています。  本日のドル円は予想しにくいですが、146円台もあるかもしれません。 (執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ)(イメージ写真提供:123RF)
ドル円は3月のADP雇用者数の発表を受け150円台まで買われた。(イメージ写真提供:123RF)
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2025-04-03 10:00