FCE、DXツール「RPAロボパットDX」導入拡大続く―顧客価値高め1社当たり売上も増
RPA(ロボットによる業務自動化)で顧客の業務効率改善を支援するFCE <9564> は、主力ソフト「RPA Robo-Pat DX(RPAロボパット)」の導入数の拡大が続いている。深刻化する企業の人材不足を商機に、収益成長が一段と加速しそうだ。
RPAロボパットは、同社が提供している純国産のクラウド型DX(デジタルトランスフォーメーション)ツール。顧客自身が必要に応じて機能を設計できる操作性や手軽な料金が支持され、製造業や物流、小売、金融、士業(税理士や行政書士など)まで幅広い分野に浸透しつつある。追加の費用負担なしで運用をサポートする体制も高い評価を得ている要因だ。
RPAロボパットの導入数は前9月期末に1481社となり、前々期末比で24%増加した。今期も1月末時点で1612社まで伸ばしている。FCEは同ツールの導入目標を従来は今期末時点で1380社としていたが、早々にクリアしたこと受けこのほど1740社に上方修正している。
並みいるDXツールの中でRPAロボパットが実績を積み上げている背景には、同社が顧客のIT化の自走支援にこだわる姿勢がある。あくまで顧客主導でIT課題を解決・改善していく中で、「RPAロボパットの満足度が高まるとともに、労働集約型を脱していくための『未来に向けた投資』として使ってもらえている」(永田純一郎取締役)。実際、継続的に利用するロイヤルユーザーほどコンサルの手がかからないという。
こうした特性は経営指標にも反映されている。RPAロボパットは解約率1%台と低い水準を維持し、ARPU(1社当たり平均売上高)は直近の今期第1四半期(昨年10-12月)が16.3万円と前年比で0.3%増えた。サブスクリプションで継続的に得られるMRR(月次経常収益)も増加傾向が続く。
「新規導入数が大きく伸びている局面では本来ばらつきやすいARPUが増加傾向にあるのは、異例ともいえる」(永田取締役)。MMR(月次ストック売上高)も拡大基調にある。
人材不足が大きな企業課題となり、RPAは当初のブームから定着期へと移行した。そうした中、ITリテラシー(ITに関する知識や活用力)を備えた企業に優れた人材が集中する状況が生まれている。RPAロボパットは単なる効率化にとどまらず、顧客の真価を高めるDXに寄与している。
FCEは今期の連結経常利益9.2億円(前期比29%増)を計画し、前期に続いて過去最高の更新を見込む。RPAロボパットなどのDX推進事業のほか、人材育成プラットフォーム「Smart Boarding(スマートボーディング)」を中心とする教育研修事業の収益も伸びる。株価は堅調に下値を切り上げる展開となっている。
RPA(ロボットによる業務自動化)で顧客の業務効率改善を支援するFCE <9564> は、主力ソフト「RPA Robo-Pat DX(RPAロボパット)」の導入数の拡大が続いている。深刻化する企業の人材不足を商機に、収益成長が一段と加速しそうだ。
economic company
2025-04-08 11:00