レアアース輸出規制、WTOの判断に・・・環境保護と技術革新で「功利」の主張=中国メディア

世界貿易機関(WTO)の紛争処理小委員会(パネル)が3月26日、中国のレアアース(希土類)輸出規制はWTO協定に違反していると判断したことについて、中国メディアの中研網は4月30日、「WTOはレアアース供給量を減少させることが環境破壊を軽減し、現代の“工業技術革新”を促進させることについて見逃している」などと主張した。
記事はまず、中国ではレアアース採掘によって環境破壊が進んでおり、人びとの健康にとってリスクとなっていると指摘、「環境破壊を改善するためには大量の資金と長い時間が必要だ」とし、「わが国がレアアースの“盲目的”な開発を抑制することは必要なこと」と論じた。
さらに記事は、トヨタや三菱電機などがレアアースを使わないモーター用磁石を開発したことや、日立製作所が同じくレアアースを使わない永久磁石同期モーターの開発に成功したこと、ホンダが日本重化学工業株式会社と共同で、使用済みのハイブリッド車用ニッケル水素バッテリーから必要とする原材料を抽出・回収する新技術を開発したことを挙げ、中国がレアアースの輸出を制限したことが「結果的に工業技術の躍進をもたらした」と主張した。
続けて記事は、「中国がレアアースの輸出を制限したことは、現実的には中国の環境保護と技術革新をもたらすという“功利”があった」と主張。日本や欧米ならびにWTOが「こうした“功利”の存在に目を向けようとしないのは非常に残念だ」と論じた。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)
世界貿易機関(WTO)の紛争処理小委員会(パネル)が3月26日、中国のレアアース(希土類)輸出規制はWTO協定に違反していると判断したことについて、中国メディアの中研網が主張を掲載した。(イメージ写真提供:123RF)
china,japan,economic,resource
2014-05-02 11:00