「先進国株式」が24カ月ぶりに資金流出に転じる大変動、純資産残高は約9年半ぶりに3カ月連続マイナス=DC専用ファンド(2025年4月)

DC専用ファンドの2025年4月の純資金流出入額(速報値)は約453億円の資金流入超過になった。資金流入超過は2020年12月以降53カ月連続、流入額の規模は前月の621億円から減少した。前月まで資産分類別の流入額トップだった「先進国株式」が約104億円の資金流出に転じた(前月は約235億円の資金流入)。「先進国株式」が資金流出になるのは、2023年4月以来24か月ぶり。また、前月2番目に多い資金流入だった「バランス」も約90億円の資金流出になった(前月は約142億円の資金流入)。一方、「国内株式」は約175億円(前月は76億円の資金流入)の資金流入になった。
DC専用ファンド全体の純資産総額は約13兆8837億円と前月から約1761億円減少した。純資産総額が前月比で3カ月連続マイナスになるのは2015年12月から2016年2月の3カ月連続マイナス以来、約9年半ぶりの出来事。純資産総額の内訳は、株式ファンド55%、債券ファンド11%、バランスファンド32%という割合で、前月と比較して株式ファンドが1%ポイント減ってバランスファンドが1%ポイント増加した。 (※個別のDC規約では、DC専用ファンド以外のファンドを制度に採用している場合があるため、DC専用ファンド全体の純資産総額は、国内DC制度全体で運用されているファンドの残高とは一致しない)
■資金流入額のトップは「S&P500」だがトップ10は国内株インデックスが過半
DC専用ファンドの過去1カ月間の純資金流入額ランキングのトップは「DC米国株式インデックス・オープン(S&P500)」になった。第2位は「One DC米国株式(S&P500)インデックスファンド」となり、「S&P500」インデックスファンドがワン・ツーを独占した。前月まで連続してトップに立っていた「野村 外国株式インデックスF・MSCI-KOKUSAI(確定拠出年金)」は第4位に後退し、第3位に「One DC国内株式インデックスファンド」が入った他、第6位以下第10位までは国内株インデックスファンドが占めた。
第5位には「DC全世界株式インデックス(オール・カントリー)」が入った。そして、前月までトップ10上位にあった「三井住友DS・外国株式インデックス年金ファンド」など先進国株式インデックスファンドがトップ10から消えた。
■トータルリターン1位は「クスリのアオキホールディングス株式F(DC)」
個別ファンドの過去1年間のトータルリターンランキングトップは、「クスリのアオキホールディングス株式F(DC)」だった。前月まで連続でトップだった「DCチャイナ・ロード」は第4位に後退し、前月は第4位だった「ピクテ・グローバル・インカム株式ファンドDC」が第2位に、前月第6位だった「みのりの投信(確定拠出年金専用)」が第3位にそれぞれ浮上した。トータルリターンのトップ10に入った10銘柄は資金流出入額がいずれも1億円にとどかない不人気な銘柄ばかりになった。
◆iDeCo新規加入者数は約3万人で前年同月比31%減
国民年金基金連合会が5月1日に発表したiDeCo(イデコ、個人型確定拠出年金)の業務状況によると2025年3月の新規加入者数は3万362人で前年同月比31.5%減、加入者総数は363万856人になった。なお、従業員のiDeCoに企業が上乗せ拠出をするiDeCo+(イデコプラス:中小事業主掛金納付制度)は、実施事業所数は8847事業所、対象従業員数は5万6024人になった。
3月の新規加入者の内訳は、第1号加入者は3583人(前月4072人)と前年同月比39.4%減、第2号加入者は2万5486人(前月3万2518人)と同29.5%減、第3号加入者は930人(前月1114人)と同51.7%減になった。第2号加入者の中で、「企業年金なし」の新規加入者が1万6992人(前月2万768人)。「企業年金あり」が4576人(前月5640人)。共済組合員(公務員)の新規加入者は3918人(前月6110人)となった。
DC専用ファンドの2025年4月の純資金流出入額(速報値)は約453億円の資金流入超過になった。
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2025-05-14 00:00