WA優秀賞受賞「ビッグデータ新興国小型株ファンド(1年決算型)」の運用モデルとは

 ウエルスアドバイザーアワード2024の国際株式型(グローバル)部門において、「ビッグデータ新興国小型株ファンド(1年決算型)」が、「“NISA成長投資枠”WA優秀ファンド賞」を受賞した。同部門では2本のみの受賞であり、新興国株としては唯一の選出となる。  ウエルスアドバイザー代表取締役の朝倉智也が、同ファンドの運用会社である日興アセットマネジメントの資産運用サポート部シニアアドバイザー田形拓也氏と、同ファンドの運用を支えるアクサ・インベストメント・マネージャーズの営業部ディレクター内山裕衣氏に、その運用モデルについて聞いた。  同ファンドは、過去3年間で上位2%、5年間で上位1%のトータルリターンを記録。シャープレシオにおいても上位1%と、収益性と効率性の両面で卓越したパフォーマンスを示しており、22年10月以降、27カ月連続で最上位のレーティング「5つ星」を維持している。  先進国と比べれば政情が不安定な新興国の小型株に投資しながら、優れた実績を成し遂げてきた背景にあるのは、同ファンドの最大の特長でもあるビッグデータを活用した投資だ。日興アセットマネジメントの田形氏は、「新興国の小型株市場は銘柄数が多い一方で、カバレッジしているアナリストが少なく情報が限定的であるため、過小に評価されている銘柄が多い」と指摘する。そこで、同ファンドは膨大なデータをもとに適正な企業評価を行うことで、成長ポテンシャルが高い割安株への投資を実現しているという。  アクサ・インベストメント・マネージャーズの内山氏は、「(同ファンドは)人手によるリサーチではカバーできない広範な情報を処理し、財務健全性や成長性を軸に有望銘柄を選定している」とした。  運用をサポートするアクサ・インベストメント・マネージャーズは、35年以上にわたってデータ活用型の運用に取り組んでおり、5500以上の新興国銘柄を多角的に分析する能力を持つ。同ファンドのポートフォリオは概ね350-450銘柄で構成されており、毎月見直しを実施するが、売買判断はすべてデータドリブンで行われ、割安性や業績変化を精密に分析し、業種や国別の構成も自然と変化する。これは特定の国やセクターに賭ける戦略ではなく、企業単位のボトムアップによる構成であり、リスクを抑えつつリターンを追求する運用スタイルだ。  また、同ファンドは新NISA制度における資産形成にも適していると評価されている。新興国の小型株は、先進国に比べて成長性が高い上に割安であり、経済成長のドライバーが内需である点からも、世界的な政治不安の影響を受けにくいという利点もある。田形氏は、「世界株や米国株に投資している方は、当ファンドによる分散投資の価値を感じていただきたい」と述べた。 一方、内山氏は一般的な新興国株インデックスとの違いについて、「MSCIエマージング・マーケット・インデックスは中国や韓国の大型株に偏っており、外部要因の影響を受けやすい。一方、当ファンドは地元経済に根ざした内需型の小型株を中心に組成されており、分散性が高く、真に新興国の成長を取り込める構成となっている」とした。  最後に、内山氏は投資家に向けて、「新興国は今後さらに成長が見込まれる。市場に見過ごされた有望株をデータで発掘するこのファンドを、ぜひポートフォリオの一部に取り入れてほしい」と呼びかけた。  田形氏も「情報不足や価格変動への懸念から新興国投資をためらう声もあるが、新興国の多くは生産年齢人口(15-64歳)が占める割合が高く経済成長が促進される人口ボーナス期に突入しており、投資魅力が高い。中長期投資にも適した資産として、新興国の経済成長の恩恵を享受してもらいたい」としている。  朝倉は、「一般的な新興国株のインデックスファンドとも大きな違いがあるため、インデックスファンドにすでに投資している人でも分散投資につながる。新興国株唯一の受賞ファンドということもあり、投資家の注目度も高まるだろう」と述べた。
 ウエルスアドバイザーアワード2024の国際株式型(グローバル)部門において、「ビッグデータ新興国小型株ファンド(1年決算型)」が、「“NISA成長投資枠”WA優秀ファンド賞」を受賞した。
economic company
2025-06-10 11:15