「先進国株式」への資金流入が復調、iDeCoの新規加入が3万人割れの低調=DC専用ファンド(2025年5月)

 DC専用ファンドの2025年5月の純資金流出入額(速報値)は約591億円の資金流入超過になった。資金流入超過は2020年12月以降54カ月連続、流入額の規模は前月の2.0億円から大幅に回復した。前月は約105億円の資金流出だった「先進国株式」が約439億円の資金流入に転じた。また、前月2番目に多い資金流出だった「バランス」(約91億円の資金流出)も約158億円の資金流入になった。一方、前月は約175億円の資金流入だった「国内株式」は約141億円の資金流出になった。  DC専用ファンド全体の純資産総額は約14兆5628億円と前月から約6790億円増加した。純資産総額は4カ月ぶりに増加に転じた。純資産総額の内訳は、株式ファンド56%、債券ファンド11%、バランスファンド31%という割合で、前月と比較して株式ファンドが1%ポイント増加してバランスファンドが1%ポイント減少した。(※個別のDC規約では、DC専用ファンド以外のファンドを制度に採用している場合があるため、DC専用ファンド全体の純資産総額は、国内DC制度全体で運用されているファンドの残高とは一致しない) ■資金流入額の上位に先進国株式インデックスが浮上  DC専用ファンドの過去1カ月間の純資金流入額ランキングのトップは「野村 外国株式インデックスF・MSCI-KOKUSAI(確定拠出年金)」が返り咲いた。第2位以下も「三井住友・DC外国株式インデックスファンドS」、「野村DC外国株式インデックスF・MSCI」、「DIAM 外国株式インデックスF<DC年金>」など、先進国株式インデックスファンドが上位を独占した。前月のトップ2だった「One DC米国株式(S&P500)インデックスファンド」、「DC米国株式インデックス・オープン(S&P500)」は第5位と第6位に後退した。 ■トータルリターン1位は「明治安田 DC中小型株式オープン」  個別ファンドの過去1年間のトータルリターンランキングトップは、「明治安田 DC中小型株式オープン」の18.32%だった。第2位には「野村 リアルグロース・オープン(確定拠出年金向け)」が入り、「DCチャイナ・ロード」は第3位に浮上した。前月トップの「クスリのアオキホールディングス株式F(DC)」は第8位に後退し、前月は第2位だった「ピクテ・グローバル・インカム株式ファンドDC」が第4位になった。 ◆iDeCo新規加入者数は約3万人割れ、企業年金ありの加入者総数が減少  国民年金基金連合会が6月2日に発表したiDeCo(イデコ、個人型確定拠出年金)の業務状況によると2025年4月の新規加入者数は2万7338人で前年同月比30.0%減、加入者総数は364万6792人になった。月間新規加入者数が3万人を割れたのは5カ月ぶり。また、加入者総数で第2号の企業年金ありの加入者総数が54万9593人と前月の55万923人から減少した。加入者総数が減少したのは初めて。なお、従業員のiDeCoに企業が上乗せ拠出をするiDeCo+(イデコプラス:中小事業主掛金納付制度)は、実施事業所数は8996事業所、対象従業員数は5万7399人になった。  4月の新規加入者の内訳は、第1号加入者は3640人(前月3583人)と前年同月比36.7%減、第2号加入者は2万2501人(前月2万5486人)と同28.2%減、第3号加入者は829人(前月930人)と同47.7%減になった。第2号加入者の中で、「企業年金なし」の新規加入者が1万5658人(前月1万6992人)。「企業年金あり」が3655人(前月4576人)。共済組合員(公務員)の新規加入者は3188人(前月3918人)となった。
DC専用ファンドの2025年5月の純資金流出入額(速報値)は約591億円の資金流入超過になった。
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2025-06-11 13:00