中国人は「自動車コンプレックス」?・・・日本の「ネットユーザー」の声に敏感に反応=中国

中国自動車情報サイトの新浪汽車が4月30日、「日本のネットユーザーたちが中国のモーターショーを酷評している」と報じた。
4月20日から29日にかけて行われた北京モーターショーについて日本で報じられたニュースに対して、日本のあるブログが「海外の反応」をまとめたものを、「日本ネット民が」と伝えているのだが、これがニュースとして報じられること自体に、今の中国人の「自動車コンプレックス」が透けて見える。
新浪汽車の記事は、日本のテレビ局がネット上に掲載した北京モーターショーに関する記事で「日本勢はエコカーをPR」と報じた内容に関連し、海外の反応をまとめたコンテンツを紹介するブログとブログ閲覧者のコメントを引用し、「とりあえず、あまり真面目に受け止めないで見てみてほしい」と前置きしつつ、「われわれが“誇る”北京モーターショーが、外国人にとってはあまり楽しいものではないようだ」と伝えた。
記事は海外の反応を示すコメントを一通り紹介。中国車や中国自動車業界について、「環境汚染の大国がまた一つ生まれるわけだ」「メキシコはアメリカから車の技術を盗み、インドはメキシコから盗み、中国はインドから盗もうとする」といった言葉が並んでいる。
ブログの話題を記事で伝えること自体に、「自動車コンプレックス」のようなものを感じるが、現状をみれば中国人や中国メディアが自虐的になるのも不思議ではない。「世界最大の自動車市場」に成長した中国だが、自動車業界を取り巻く状況は必ずしも喜ばしいものではないからだ。
その例として挙げられるのが、「いまだに海外有名メーカーとの合弁会社がつくる海外ブランドの自動車が販売の中心で、中国独自ブランドのメーカーはまだまだ人気がないこと」、また、「自動車の数が急激に増加して大気汚染源になっていること」、「汚染と渋滞の対策として、ナンバー発給数を規制する都市が続々と出ていること」、さらに、「いまだにモーターショーが笑いの“ネタ”になっていること」だ。(写真は「CNSPHOTO」提供。撮影は4月20日)
中国では「モーターショー」でメディアや来場者が注目するのが自動車ではなく、「車模」と呼ばれる露出多めのコンパニオンだったり、このコンパニオンが自分をアピールするために“やり過ぎている”、ということだったりする状況が続いて長い。
最新の技術力をアピールする場であるはずの「モーターショー」そのものが“ネタ”になり、自国メーカーが自慢するべき技術もさほどないモーターショーは、中国人にとって「恥ずかしい」存在でもあるのだ。新浪汽車が「われわれが“誇る”北京モーターショーが」と強調して伝えたのには、こうしたわけがある。(編集担当:古川弥生)
中国自動車情報サイトの新浪汽車が4月30日、「日本のネットユーザーたちが中国のモーターショーを酷評している」と報じた。(写真は「CNSPHOTO」提供。撮影は4月20日)
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2014-05-02 13:30