資金流入のトップは2年ぶりに「バランス」、iDeCo新規加入は2カ月連続3万人割れ=DC専用ファンド(2025年6月)

 DC専用ファンドの2025年6月の純資金流出入額(速報値)は約492億円の資金流入超過になった。資金流入超過は2020年12月以降55カ月連続、流入額の規模は前月の687億円からやや減少したものの高水準を維持した。資金流入額のトップは「バランス」の約181億円だった。「先進国株式」が約110億円、「ターゲットイヤー」も約106億円の資金流入になった。資金流入のトップが「バランス」になるのは2023年5月以来2年ぶりのこと。一方、「国内株式」は前月の約141億円の資金流出に続いて約36億円の資金流出になった。  DC専用ファンド全体の純資産総額は約15兆396億円と前月から約4768億円増加して5カ月ぶりに史上最高を更新した。純資産総額の内訳は、株式ファンド57%、債券ファンド11%、バランスファンド31%という割合で、前月と比較して株式ファンドが1%ポイント増加した。(※個別のDC規約では、DC専用ファンド以外のファンドを制度に採用している場合があるため、DC専用ファンド全体の純資産総額は、国内DC制度全体で運用されているファンドの残高とは一致しない) ■資金流入額の上位に「バランス型」や「S&P500」  DC専用ファンドの過去1カ月間の純資金流入額ランキングのトップは前月に引き続き「野村 外国株式インデックスF・MSCI-KOKUSAI(確定拠出年金)」だったが、第2位にはバランス型の「マイバランス70(確定拠出年金)」が入った。第4位にも「マイバランス50(確定拠出年金)」がランクインした。  一方、第3位に「DC米国株式インデックス・オープン(S&P500)」、第5位に「DCダイワS&P500インデックス」、第6位に「One DC米国株式(S&P500)インデックスファンド」がランクインした。これまで外国株式インデックスファンドは、「MSCIコクサイ・インデックス」に連動する先進国株式(除く日本)インデックスファンドが主流だったが、米国の代表的な株式インデックスである「S&P500」に連動する米国株式インデックスファンドが主流になってきている。  また、ランキングの第7位に「One DC国内株式インデックスファンド」、第8位は「野村 外国債券インデックスファンド(確定拠出年金)」、第10位は「野村 国内債券インデックスファンド(確定拠出年金)」など、資金流入上位ファンドの資産クラスが分散してきている。 ■トータルリターン1位は「明治安田 DC中小型株式オープン」  個別ファンドの過去1年間のトータルリターンランキングトップ3は、前月と同じ「明治安田 DC中小型株式オープン」、「野村 リアルグロース・オープン(確定拠出年金向け)」、「DCチャイナ・ロード」だった。前月第8位だった「クスリのアオキホールディングス株式F(DC)」が第4位に浮上するなど、国内株ファンドに好成績のファンドがめだった。 ◆iDeCo新規加入者数は2カ月連続で3万人割れ  国民年金基金連合会が7月1日に発表したiDeCo(イデコ、個人型確定拠出年金)の業務状況によると2025年5月の新規加入者数は2万8918人で前年同月比12.5%減、加入者総数は366万7361人になった。月間新規加入者数は2カ月連続で3万人を割れた。なお、従業員のiDeCoに企業が上乗せ拠出をするiDeCo+(イデコプラス:中小事業主掛金納付制度)は、実施事業所数は9073事業所、対象従業員数は5万7914人になった。  5月の新規加入者の内訳は、第1号加入者は3594人(前月3640人)と前年同月比27.2%減、第2号加入者は2万4243人(前月2万2501人)と同7.7%減、第3号加入者は782人(前月829人)と同46.4%減になった。第2号加入者の中で、「企業年金なし」の新規加入者が1万6606人(前月1万5658人)。「企業年金あり」が4292人(前月3655人)。共済組合員(公務員)の新規加入者は3345人(前月3188人)となった。
DC専用ファンドの2025年6月の純資金流出入額(速報値)は約492億円の資金流入超過になった。
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2025-07-09 10:15