「先進国株式」への資金流入が継続するも流入額は減少、「国内株式型」からは3カ月連続で資金流出=DC専用ファンド(2025年7月)

DC専用ファンドの2025年7月の純資金流出入額(速報値)は約159億円の資金流入超過になった。資金流入超過は2020年12月以降56カ月連続、流入額の規模は前月の490億円から減少した。資金流入額のトップは「先進国株式」の約132億円だった。「バランス」の約92億円、「ターゲットイヤー」も約62億円の資金流入になった。一方、「国内株式」は前月の約37億円の資金流出に続いて約231億円の資金流出で3カ月連続の資金流出になった。
DC専用ファンド全体の純資産総額は約15兆5612億円と前月から約5216億円増加して前月に続いて史上最高を更新した。純資産総額の内訳は、株式ファンド57%、債券ファンド10%、バランスファンド30%という割合で、前月と比較して債券ファンドとバランスファンドが1%ポイント減少し、株式ファンドへの集中が強まった。(※個別のDC規約では、DC専用ファンド以外のファンドを制度に採用している場合があるため、DC専用ファンド全体の純資産総額は、国内DC制度全体で運用されているファンドの残高とは一致しない)
■資金流入額トップに8カ月ぶりに「バランス型」
DC専用ファンドの過去1カ月間の純資金流入額ランキングのトップは「分散投資コア戦略ファンドS」になった。バランス型がトップになるのは、2024年11月に「DCマイセレクションS50(2024-2026リスク抑制型)」がトップになって以来、8カ月ぶりのこと。第2位は前月トップだった「野村 外国株式インデックスF・MSCI-KOKUSAI(確定拠出年金)」だった。
また、第3位に「One DC米国株式(S&P500)インデックスファンド」、第4位が「DC米国株式インデックス・オープン(S&P500)」だった。一方、第5位には「野村 新興国株式インデックスF(確定拠出年金)」、第6位には「野村 J-REITファンド」がランクインした。前月から明らかになってきた外国株式インデックスファンド以外の資産クラスへの分散化の流れは続いている。
ただ、今月は第7位以下を「野村DC外国株式インデックスF・MSCI」、「DC全世界株式インデックス(オール・カントリー)」など外国株式インデックスファンドが占め、外国株式型が資金流入の上位に戻ってきた。
■トータルリターン1位は「DCチャイナ・ロード」
個別ファンドの過去1年間のトータルリターンランキングトップは、「DCチャイナ・ロード」がジャンプアップした。第2位は前月第3位の「DCニュー・チャイナ・ファンド」が上がった。中国株ファンドがトップ2を占めた。第3位には「DC次世代通信関連 世界株式戦略ファンド」が浮上した。前月トップだった「明治安田 DC中小型株式オープン」は第4位に後退し、前月第2位だった「野村 リアルグロース・オープン(確定拠出年金向け)」は第8位に後退した。
◆iDeCo新規加入者数は3カ月連続で3万人割れ
国民年金基金連合会が8月1日に発表したiDeCo(イデコ、個人型確定拠出年金)の業務状況によると2025年6月の新規加入者数は2万9252人で前年同月比17.1%減、加入者総数は368万8248人になった。月間新規加入者数は3カ月連続で3万人を割れた。なお、従業員のiDeCoに企業が上乗せ拠出をするiDeCo+(イデコプラス:中小事業主掛金納付制度)は、実施事業所数は9143事業所、対象従業員数は5万8481人になった。
6月の新規加入者の内訳は、第1号加入者は3835人(前月3594人)と前年同月比23.0%減、第2号加入者は2万4114人(前月2万4243人)と同14.8%減、第3号加入者は982人(前月782人)と同39.5%減になった。第2号加入者の中で、「企業年金なし」の新規加入者が1万6597人(前月1万6606人)。「企業年金あり」が4102人(前月4292人)。共済組合員(公務員)の新規加入者は3415人(前月3345人)となった。
DC専用ファンドの2025年7月の純資金流出入額(速報値)は約159億円の資金流入超過になった。
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2025-08-13 09:45