中国の「経済成長減速」裏付けか・・・「石炭の省」が減収減益と在庫急増の「大打撃」=中国メディア

全国有数の炭鉱を持ち、中国の「石炭省」とも呼ばれてきた山西省の「石炭経済」が大打撃を受けている。中国メディア・中国経済網は4日、同省の今年第1四半期における石炭業界の利益が前年同期比で86.6%減少したと報じた。
記事は、今年第1四半期の同省における石炭産出量が2億1900万トンで前年同期比0.13%増となった一方、省内の石炭販売収入が947億元で同21.3%減、利益が同86.6%減の8億元にとどまったことを伝えた。利益が激減した背景として、石炭1トンあたりの販売価格が前年同期比で22.7%下落したことを挙げた。
また、石炭市場の「冷え込み」によって同省内の石炭在庫も急増、3月末現在で前年同期比で87.2%多い3380万トンの在庫が存在するとした。同省の石炭工業当局は第1四半期の市況について「石炭価格の下落が予想より早く始まったうえ、下落のペースが急速で、下落幅も大きかった。石炭企業の経営がより厳しくなった」と分析した。
石炭企業の苦境を救うべく、同省では昨年末で終了予定だった鉱山環境回復保証金などの納付凍結措置を引き続き延長することを決定。同時に、露天炭鉱の認可などを一時中止する方策を打ち出した。
中国の石炭産業は2011年ごろまでは経済成長の後押しを受けて急成長した。しかし、経済成長が減速すると供給過剰に陥り石炭価格が下落した。また、成長期に生産設備を過剰に拡大したこと、炭鉱会社の乱立などの問題により、軒並み業績が悪化。業界全体が「共倒れ」の状態となっている。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)
全国有数の炭鉱を持ち、中国の「石炭省」とも呼ばれてきた山西省の「石炭経済」が大打撃を受けている。(イメージ写真提供:123RF)
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2014-05-05 21:15