IMVは強基調に転換して株価に勢い

  振動試験・計測装置のIMV <7760> (JQS)の株価は、3月末以降の急騰後も高値圏で推移している。目先的には過熱感で乱高下の可能性もあるが、強基調に転換して株価に勢いがあり、今期(14年9月期)業績増額の可能性も評価して上値追いの展開だろう。エコカー関連や防災関連などのテーマ性も支援材料だ。   振動に係る試験・計測装置や振動問題に対するコンサルティングなど、総合環境シミュレーション業界のリーディングカンパニーである。振動シミュレーションシステム(振動試験装置)のDSS事業を主力として、メジャリングシステム(振動計測装置、振動監視装置、地震監視装置)のMES事業、テスト&ソリューションサービス(振動試験受託)のTSS事業を展開している。   12年12月に新製品の無線型振動計測装置「カードバイブロAir2」を発売し、大手計装システムメーカーと安全計装(監視システム)関連の共同開発も進めている。海外展開も強化している。DSS事業では13年2月にIMVヨーロッパ(英国)を設立し、13年5月に中国・上海の駐在員事務所を開設した。MES事業では地震頻度の高いフィリピンやトルコへ進出する。   今期(14年9月期)の連結業績見通し(13年11月13日公表)は、売上高が前期比14.4%増の70億円、営業利益が同8.1%増の7億円、経常利益が同3.6%減の7億円、純利益が同4.2%減の4億30百万円としている。自動車・宇宙航空関連を中心として受注が好調に推移し、名古屋ラボへの大型試験装置設置も寄与する。増収効果で海外展開強化に伴う人件費の増加、研究開発費の増加、減価償却費の増加などを吸収して営業増益見込みだ。品目別売上高の計画を見るとDSS事業は同17.9%増収、MES事業は同4.2%増収、TSS事業は同10.1%増収としている。   第1四半期(10月~12月)は、DSS事業で多軸振動シミュレーションシステムの大型案件が少なかったことなどで減収減益だったが、通期見通しに対する進捗率は売上高、利益とも高水準だった。自動車関連の設備投資需要は引き続き旺盛であり、3月期決算企業の設備投資検収時期となる上期(10月~3月)の構成比が高い収益構造であることを考慮しても、通期増額の可能性が高いだろう。   株価の動きを見ると、2月7日の直近安値301円から反発し、さらに3月末には350円~400円近辺の短期モミ合いから上放れの展開となり、4月22日高値752円まで急伸した。その後は目先的な過熱感を強めて4月25日に620円、5月1日に630円まで反落する場面もあったが、5月2日には前日比60円(9.09%)高の720円まで上伸して再動意の構えを見せている。   5月2日の終値720円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS26円31銭で算出)は27倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間5円で算出)は0.7%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS188円83銭で算出)は3.8倍近辺である。日足チャートで見ると25日移動平均線に対するプラス乖離率が拡大して過熱感を強めている。このため目先的には乱高下の可能性もあるが、強基調に転換して株価に勢いがあり、上値追いの展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
振動試験・計測装置のIMV<7760>(JQS)の株価は、3月末以降の急騰後も高値圏で推移している。
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2014-05-07 09:45