久世は、下値固め完了感、割安感も評価して反発のタイミング

  業務用食材卸の久世 <2708> (JQS)の株価は、3月期末の配当権利落ちや地合い悪化の影響で水準を切り下げたが、足元では売り一巡して下値固め完了感を強めている。低PERと低PBRも支援材料として反発のタイミングだろう。なお5月12日に決算発表を予定している。   首都圏を中心にファーストフード・ファミレス・カフェ、居酒屋・パブ、ディナーレストラン・ホテル・会館、惣菜・デリカ・娯楽施設・ケータリングなど、外食・中食産業向けに業務用食材の卸売事業を展開し、大手飲食チェーンも主要顧客としている。子会社のキスコフーズは国内(静岡市)とニュージーランドで業務用高級ソース・高級スープの製造、久世フレッシュワンは東京都内で生鮮野菜など農産品の卸売を展開している。   中期経営計画では20年3月期売上高1000億円、営業利益20億円を目指し、重点戦略として首都圏・関西圏・中京圏での販路拡大、全国物流ネットワークの強化、中食市場や高齢者施設給食市場の開拓強化、PB商品の拡販や製造利益の拡大、海外事業の基盤確立などを掲げている。中国・成都の子会社は15年3月期に単年度黒字化の見込みだ。   M&Aやアライアンス戦略も活用して販路拡大を推進している。中京圏では12年6月に酒類販売大手サカツコーポレーションと業務提携した。14年3月には神戸エリアの営業強化を目的として神戸営業所を新設した。14年4月には水産物取引強化を目的として、高級飲食店向けに強みを持つ水産物中卸会社の旭水産を子会社化した。   前期(14年3月期)の連結業績見通し(5月13日公表)は売上高が前々期比7.0%増の600億円、営業利益が同2.9%増の5億60百万円、経常利益が同0.3%増の7億円、純利益が同0.6%増の3億70百万円としている。商品仕入価格上昇などが利益面に影響した可能性があるが、首都圏・関西圏・中京圏での販路拡大などの施策が奏功して売上面は好調だ。   今期(15年3月期)は既存顧客との取引量増加に加えて、積極的な販路拡大による新規顧客開拓の効果、商品仕入価格上昇に対する販売価格転嫁や代替商品提案による粗利益率改善効果、さらに新システム導入による物流効率化効果などが寄与して好業績が期待される。消費増税の影響も限定的だろう。   株価の動きを見ると、2月安値700円から3月戻り高値786円まで一旦は反発したが、3月期末配当権利落ちや全般地合い悪化が影響して急反落し、3月27日に702円まで調整する場面があった。その後も概ね安値圏700円台前半の水準で推移している。ただし2月安値を割り込むことなく下値固め完了感を強めている。また5月7日は地合い悪化する中でも終値で前日比プラス圏維持と堅調だった。   5月7日の終値709円を指標面で見ると、前期推定連結PER(会社予想の連結EPS95円38銭で算出)は7~8倍近辺、前期推定配当利回り(会社予想の年間12円で算出)は1.7%近辺、実績PBR(前々期実績の連結BPS1184円88銭で算出)は0.6倍近辺である。週足チャートで見ると13週移動平均線が戻りを押さえる形となったが、一方では700円近辺が下値支持線の形だ。低PERや低PBRも支援材料として反発のタイミングだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
業務用食材卸の久世<2708>(JQS)の株価は、3月期末の配当権利落ちや地合い悪化の影響で水準を切り下げたが、足元では売り一巡して下値固め完了感を強めている。
economic
2014-05-08 07:15